「やるしかない」教員・臨床・クラウドソーシング。 女性歯科医師のひとり親育児に合わせたキャリアの選択

「やるしかない」教員・臨床・クラウドソーシング。 女性歯科医師のひとり親育児に合わせたキャリアの選択

2020.03.26 10:00




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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。

 

13回目の今回インタビューするのは、歯科医師として臨床医と教員としてお仕事をしているAYUMIさんです。AYUMI先生は、教員・臨床医・クラウドソーシングと複数のお仕事を工夫してこなしつつ、現在ひとりで子育てをしています。

保育園に落ちた経験、これから子を持つ予定の女性に対してのキャリアについてのお考え、医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。

 

画像はイメージです。

 

AYUMI

 

私立東京歯科大学歯学部卒業、卒後研修を経て、一般開業医と医療系専門学校にて勤務開始。結婚・妊娠・出産を経て、保育園に入れず退職。現在夫とは離婚を前提に別居中。息子と二人暮らし。

 

 

ーまずはAYUMIさんが歯科医師を目指したきっかけをお教えください。

 

父が歯科医師で自宅で歯科医院を経営しており、仕事をする父の姿を見て歯科医師という仕事に興味を持ちました。高校生のとき、獣医師や薬剤師などの職業にも惹かれましたが、近所に歯科大学があったこともあり、最終的に歯科大学への進学を決めました。

 

 

ーAYUMIさんは、現在どのようにお仕事されていますか?

 

保育園に落ち、現在幼稚園入園前の3歳の息子がいるのですが、託児利用のできる歯科医院にて非常勤勤務をしています。子どもの預け先がない中、託児サービスのある職場は本当にありがたいです。クラウドソーシングサイトに登録しており、自宅にて時折ライター業務もしています。このライター業務も、子どもと一緒にいる時間を増やすために始めました。

幼稚園入園後は、園の前後預かりを利用し、医療系専門学校での非常勤講師としての勤務も再開する予定です。

 

 

ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?

 

私は歯科大学を卒業後、教職が好きだと気づいてから、臨床の仕事より教職の仕事を優先して続けてきました。卒後9割以上の歯科医師が臨床医としての道を歩む中、異端な道であったと思います。

産後はすぐにでも仕事に復帰したかったのですが、保育園に落ち続け、結局育休明けと同時に退職となってしまいました。

しかもその後、夫から突然の離婚宣言を受け、夫と別居、いきなり息子とふたりでの生活が始まりました。こうなるとわかっていたら、意地でも退職は阻止していたと思います。

現在は講師と臨床医という、ふたつの仕事をしながら育児をしています。女性は結婚・妊娠出産・育児という人生の大きな転機がいくつも訪れ、その際にキャリアを捨てざるを得ないことも出てきます。育児により仕事に制限がかかるのは、ほとんど女性です突然の離婚も他人事ではなく、こうなったときに社会復帰という観点で見た立場が弱いのも女性になります。「やるしかない」という状況になったときに、悔いのない選択ができるようなスキルは最低限もっておいた方がいいと思います。

 

 

ー色々な転機があって大変だったのですね。現在は、育児中とのことですが、どのようにお仕事を両立されていらっしゃいますか?

 

休みの日に一週間分の買い物を一気に済ませ、食材は切って冷凍しておきます。平日仕事で帰りが遅くなっても、なるべく手作りのものを食べたいし、こうしておくと外食の頻度が減って節約にもなるのでいい習慣となりました。

それと月並みですが、早寝早起きを心がけ、睡眠時間を多めに確保するようにしています。私は今ひとり親として育児をしていますので、私が身体を壊すと代打がいない分、大打撃を受けてしまいます。生活を成り立たせるために健康であることが何よりも大切なので、以前よりお酒の量も減りましたし、夜更かしもしなくなりました。

 

 

ー育児との両立に関して、AYUMI先生が感じていることをお教えください。

 

託児の利用時間の関係で時短勤務をしていますが、「この勤務時間が両立の限界だな」と感じています。朝の出勤は子どもと一緒なので余裕を持ち早めに起きていますし、うちに帰ってから洗濯・お風呂・ご飯の支度・明日の準備をしていると、いつのまにか子供が寝る時間になっていて、子どもと一緒に自分もそのまま寝てしまうことも珍しくありません。ひとり親のかたなら珍しい話でもないと思いますが、なかなかハードで大変な生活をしています。

くじけそうになるときもありますが、「息子にとってカッコいい・優しいママでありたい」という思いで踏ん張っています。

 

 

ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?

 

AYUMIさんの1日のタイムスケジュール

 

    • AM 6:30

      起床、朝食 

      お弁当を作り、子供の準備をする。

      • AM8:00

        通勤

         

      • AM9:00

        職場着

        子どもを預けて着替える

      • AM9:30

        勤務開始

         

      • PM16:00

        勤務終了

        子どものお迎えをし一緒に帰る

      • PM17:00~18:00

        帰宅

        洗濯、お弁当箱を洗う、お風呂、夕食の準備

      • PM19:00

        夕食

        夕食後に明日の準備、子どもと遊ぶ時間

      • PM21:00

        子どもの就寝準備

         

    • PM22:00

      自分のフリー時間

      22:00までには子ども就寝。

    • PM23:00

      就寝

       

 

 

ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は何ですか?

 

まずは生活維持のために、子どもと自分の体調管理と、子どもと一緒に過ごす時間を大切にしています。早寝早起きと、休みの日は公園で一緒に遊んだりして、なるべく息子が寂しい思いをしないよう心がけています。食事はなるべく手作りし、野菜や肉を中心にしっかり食べると、不思議と風邪を引きにくくなった気がします。

生活する中で、自分の勉強時間の確保は大きな課題です。本を読む時間がまとまってとれずなかなか集中できないため、有料サイトに登録し動画での勉強を始めました。これなら通勤中にスマホで気軽に見れますし、寝かしつけのああとなどにも取り組みやすいです。

 

 

ー動画で勉強など工夫されていらっしゃるのですね。時間確保は大きな課題ですよね。プライベートと仕事の両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何でしょうか?

 

託児サービスとの連携、育休・産休制度や病児への理解など、あげればきりがないです。働く母親がなによりも心配なのは子どもの体調不良による急な欠勤で、予約制の医療機関の場合はそれが特に復帰への足かせになっていると思います。病児を含め預け先が保証されていると大変助かりますが、なかなか難しいという実情も理解できます。

 

 

ーこのサイトDspace(https://dspace.co.jp/) は、医療の働き方をもっと自由にすることを目標に作られた、医療機関と医療従事者が直接繋がることができるサイトです。Dspaceをはじめ、今後の医療業界の動きに期待することをお教えください。

 

Dspaceのように、在宅での仕事をも仲介してくれるサービスは大変ありがたいです。

育児などの事情により現場から離れざるを得ず、そのまま離職する医療従事者も多いと聞きます。また日本の離婚率の推移を考えると、私のように「家庭の事情で働かないといけないのに、子どもの預け先を確保できない」という女性も今後増加するのではないかと思います。

共働き世帯がどんどん増えている中、今後さらに働きやすい環境・理解が進み、意図せず離職となってしまう医療従事者が減ることを願います。

 

 

ー最後に、読者の医療職の皆様に一言お願い致します。

 

私は今、育児と仕事をひとりで両立する大変さが身に染みています。特に子どもをもつ予定の女性のかたに伝えたいのが、どうか諦めず、最後までキャリアにしがみついてほしいということです。こどもに理解のある職場は少なく、産後の復職は簡単ではありませんし、私のように急な離婚となった際に、女性は本当に苦労します。

今は在宅でできる仕事も増えてきているようですし、働き方はいろいろあるのだと思います。その時々のライフスタイルに応じて働きかたを自由に選択できれば素敵だと思います。

 

 

ーAYUMI先生、今回は貴重なご経験をお話いただけ誠にありがとうございました。

人生の転機を乗り越えていく姿をきっとお子様もみていることと思います。

 

 

 

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