M.D.とPh.D.とは?医学博士の取り方、日本と海外の違いとメリット。

M.D.とPh.D.とは?医学博士の取り方、日本と海外の違いとメリット。

2020.08.19 11:46




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医療業界に携わっていると、名刺交換をした際に「M.D.」「Ph.D.」などの肩書を目にすることも多いと思います。

 

そもそも医師の肩書の「M.D.」「Ph.D.」って何?と思っている方のために今回はそれぞれの略語の意味と、日本と海外での違い、さらに関連記事で、M.D.PhD.を一気にとれるMD-PhDコースについて解説します。

 

 

 

 

 

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名刺でよく見る「M.D.」「Ph.D.」 は何の略?違いと意味は?

写真:Canvaより

 

M.D.はDoctor of Medicineの略で、Ph.D.はDoctor of Philosophyの略です。

 

 

アメリカでは、4年制大学卒業後に、大学院の4年制医学課程(専門職大学院の課程)を修了するとM.D.の称号が得られます。Ph.Dは、更に大学院課程を修了するとPh.Dの称号が得られます。

つまり、「M.D.」よりも、「M.D., Ph.D.」の称号を得る方が長期間かかります。

 

日本では、各医科大学のカリキュラムでは、

 

M.D.=修士(医科学)医学士 

Ph.D.=博士(医学)、医学博士 

 

といった意味合いで使われていることが多いようです。*1-4 

 

アメリカではメディカルスクールの修了(=専門職大学院の修了)でM.D.の称号が得られますが、日本では大学院卒でなくても医学部医学科の修了でM.D.の称号が得られます。

 

日本では論文博士や臨床研究などでも取得できる場合もありますが、Ph.D.は基礎医学系大学院修了者のみに与えられるのが海外では普通です。*5

 

大まかにわかりやすく言えば、日本では以下のようになるでしょう。

 

医学部医学科修了(医師含む) =「M.D.」

医学部医学科修了者(医師含む)かつ医学系大学院修了= 「M.D., Ph.D.」

医学部医学科修了していない者(非医学部修了)で医学系大学院修了 =「Ph.D.」

 

厳密に言えば、医学部医学科を修了していても国家試験を受けていない等のために医師ではない方もいるでしょうから、医師かどうかは大まかな目安です。

 

 

そもそも医学博士とは、読み方

写真:Canvaより

 

「医学博士」「いがくはかし」「いがくはかせ」と読みます。意味は以下のようになります。

 

 

医学博士

 

〘名〙 医学部門で博士の称号を得た人。また、その学位。医博。いがくはかせ。

※学位令(明治三一年)(1898)一条「学位は法学博士、医学博士、〈略〉の九種とす」

 

 

引用:コトバンク 医学博士(出典:精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について)より https://kotobank.jp/word/%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E5%8D%9A%E5%A3%AB-2005092

 

 

日本での医学博士(Ph.D.)のとり方。

写真:Canvaより

 

 

日本で医学博士を取得するには、医師の場合には、医学部を修了し医師免許を取得することとは別に、医学系の大学院で博士課程を修了するか、博士論文で博士を取得する(論文博士)ことが必要です。

 

一般の方にはよく間違われがちですが、医師でなくても医学博士となることができます。

もし、医学の道を目指していて医学部を諦めても、また研究という別の形で医療に携わることもできると捉えることも出来るかもしれません。

 

 

日本と海外でのM.D. , Ph.D.の違い。

写真:Canvaより

 

日本では高校卒業後から大学の医学部医学科(6年間)に入学できますが、アメリカでは医学課程に進むには4年生大学卒業後でなくてはいけないため、そもそもの医師になるために必要な課程が異なります。

 

アメリカでは医師になるためには、日本で言う大学院にあたるメディカルスクールの修了が必要で、メディカルスクールの修了でM.D.の称号が得られます。

アメリカでM.D.といえば大学卒業後メディカルスクールを修了した人、つまり院卒

日本でM.D.と言えば医学部医学科を修了した人、つまり大卒ということです。

 

前述の通り、アメリカでは、M.D.取得後、更に大学院課程を修了するとPh.Dの称号が得られます。日本でも同様で、医学系の大学院課程を修了するか、博士論文で論文博士を取得するかするとPh.D.の称号が得られます。

 

 

Ph.D.を英文の履歴書でどう書くか

 

米国内科学会日本支部サイト*5 によると、日本では「医学博士号」が最も価値が高いと考えられている風潮がまだ根強く残っていますが、アメリカではM.D.があればPh.D.は必要ないとされているそうです。さらには、欧米では、M.D.が卒後に Ph.D.プログラムを取るということは、臨床歴の上でむしろマイナスだと考えられているそうです。

 

さらに同サイトによると、特に英文履歴書を作成する場合に、論文博士の場合は、医学博士号即ちPh.D.は基礎医学系大学院修了者のみに与えられるのが海外では普通であり、論文博士という形は日本以外になく、「論文博士(乙種医学博士号)をどう記載したらいいか」という問題もよく話題になるそうです。これに関しては、文部省から過去に正式な答申がなされており、大学院(甲種医学博士号)も論文博士も同様に、英文表記ではPh.D.を使用してもよろしい、とされているようです。

 

将来的に海外での臨床のキャリアなどを検討している方はその国の医学分野の風潮などを調べておく必要があるかもしれません。

 

 

日本で医学博士(Ph.D.)を取得するメリット

医師が医学博士を取得するメリット

臨床のみする分には、医学博士は必須ではありません。しかし、日本では、医学研究者としてのキャリアや、大学病院など教育研究期間でのキャリアを考える際には、医学博士の取得が望ましいとされるのが、一般的でしょう。

 

デメリットとしては、取得までに年数がかかる、学費がかかる(例えば国立大なら約60万円×4年=240万円、大学院にも優秀者に対して授業料免除等の制度が設けられている大学もあります。)、出世に関係することはあっても直接的に収入に関係するとも限らない点、後述しますが、海外でのキャリアを検討する際に日本ほど重視されない場合があることでしょうか。

 

 

医師以外が医学博士を取得するメリット

医師以外の場合で医学博士を取得するメリットは、医学系研究をする場合に、医学博士があった方が医学系大学などでのポジションを獲得しやすいなどがあります。

 

もし医学系以外の研究であれば、医学部でも工学やデータサイエンスなどの医学以外の研究科もある大学もあるので、一概に医学系の大学で教授になるために医学博士が必須かと言われるとそうではないのかもしれません。

 

一般向けのメディアや書籍などアカデミックな場以外では、「医学博士」を大々的に称号していることもありますね。一般の方には、医学博士=医師と思い違いしている方も少なくないでしょう。

よくテレビなどでコメンテーターなどで医師ではなく医学博士が招集されているのも見受けられます。

 



 

 

 

 

MD-PhDコースがある日本の医学部

既述のように、医学部医学科に入学した方が医学博士(Ph.D)を取得するには、最短でも医学部6年間+大学院4年間 の最低でも10年間臨床研修医も経る場合は+2年間とトータル12年間はかかります。

 

しかし、優秀な研究者を早期から養成するために、医学部医学科の課程にいる間に医学博士も取得できる「MD Phdコース」という医学研究を目指す方向けのコースをおいている大学も増えてきています。

 

こちらに関してはこちらの記事をご覧ください。

 

 

まとめ

今回は、MDとPhDの違いや海外との違いについて解説しました。

 

日本と海外では医師になるためのキャリアパスや、Ph.D.の概念が異なるため一概に比較はできせん。海外での臨床のキャリアを積む上では、捉えられ方も違うようです。

 

臨床医になってから、Ph.D.を取得するには年数がかかります。よく検討した上で、ご自分のキャリア感にあったルートを選びましょう。

 

 

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参考

Weblio英和辞典

https://ejje.weblio.jp/

 

*5 米国内科学会 英文履歴書の書き方

http://www.acpjapan.org/admission/en_resume.html

 



 

 

 

 

 

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