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「女医コン」の仕掛人薬師寺先生インタビュー 医師免許は一生モノ、婚活はナマモノ

2019.10.05 16:05

3人に1人は結婚しないともいわれる女性医師。そんな未婚率の高さに危機感を抱き、全国の女性医師や医療系専門職の女性に出会いの場を提供するサービス「女医コン」を始めたのが、循環器内科医の薬師寺忠幸先生です。「女医コン」はこれまで数十組を成婚させ、2019年は90~100回の開催にまで広がりを見せています。国家資格である医師免許は一生有効ですが、良い条件での結婚は”今”しかできないという考えから、「医師免許は一生モノ、婚活はナマモノ 」を合言葉にしている薬師寺先生。医師、子育てパパ、会社代表(学会中の意見交換を促す「百人会議」システムの開発運営)――など、多彩な顔を持つ薬師寺先生に現在の活動と女性医師の結婚について聞いてみました。

 

 

 

――医療の現場では女性医師の割合が増えているにも関わらず、女医の生涯未婚率(50歳時点)は36%に上るという調査もあります。(男性は3%)。この現状を薬師寺先生はどのようにお考えですか。

 

肌感覚として正しいと思います。医学部同級生で結婚していない男子はなかなか探すのが珍しいですが、女子は未婚者は少なくありません。男女共に結婚して家庭を育みたい人が一定数いるはずです。なのに女性だけ未婚率が高い状況には介入する必要があると考えています

 

 

――なるほど。薬師寺先生が主催する「女医コン」は、こうした現状への打開策の一つのように感じます。女医コンを主催した経緯や理由について教えてください。

 

僕が以前大学病院に勤務していたとき3、4名の他診療科の女性医師から「いいコンパ作ってきてくださいよ〜」と言われたのがきっかけです。その時に初めて女医さんを集めた合コンを行い、男性も女性も非常に楽しそうにしているのを見て開催回数を増やしていきました。そうしているうちに東京だけでなく、大阪・名古屋・福岡でも定期開催するようになり、最近ではその他の県でも行なっています(https://joycon.jpのマップをご参照ください)。

 

 

――女医の未婚率が高い背景は、「出会いの場がない」以外に何が考えられますか?また、女医だからこそぶつかる結婚の壁はどのようなものがありますか?

 

男性医師の多くは、研修医〜30歳前後までに結婚相手を見つけます。ですので、その年齢を過ぎた未婚の男性医師は婚活市場に滅多にいません。こうした実情にも関わらず、男性医師限定でお相手を探すことが、女医の未婚率が高くなっている大きな要因の一つでしょう。「女医コン」の調べでは、親も娘の結婚相手に男性医師を望む家庭が半数を超えます
また、医師でなければ「弁護士」、そうでなければ「年収1000万は稼ぐ男性」とお相手の男性を高スペック順に探す傾向があります。このように難易度の高い男性から狙っていく事で、本来出会えていたかもしれない優しい、家庭的な男性を見落としているのではないでしょうか?お相手の男性がどのような方であれば、自分が幸せになれるのか、逆に、お相手を幸せにできるのか十分に考えた方が良いでしょう。

 

 

――実際の「女医コン」はどのような雰囲気ですか?

 

女医コンでは女性を先に入れて、私の「婚活心構えプレゼンテーション」を聞いてもらいます。そのプレゼンの中で、『結婚できない女性医師の大半は出会いを院内に求めます。しかし、既婚男性だらけの院内にチャンスはありません。したがって外に出てチャンスを求めることが肝要です。また、国家資格である医師免許は一生有効ですが、良い条件での結婚は”今”しかできません。』といったことを伝えます。
プレゼンの最中に、腹をたてる人や涙ぐむ人もいますが、それくらい心に届かせてこそ行動変容が起きるものと僕は信じています。こちらのプレゼン後に男性を入れ、女性医師と結婚する事がどんなに素晴らしいかを薬師寺家のエピソードを交えて示します。その後、スマホでメッセージをやり取りするシステムの使い方を解説して乾杯です。毎回楽しい、和気藹々とした会となります。女性医師にとって他業界の話は新鮮ですし、逆に参加男子からすると病院の話はとても興味深く、話題には事欠かないというのが盛り上がりの理由かもしませんね。

 

昨年の女医コン忘年会

 

――医療業界の女性が仕事と家庭を両立するために、課題はあると感じますか?「女医コン」の仕掛人として、結婚を望む女医の皆さんが理想的なパートナーを見つけるためにアドバイスをお願いします。

 

医療機関は長時間労働という点でブラック企業/組織の代表格ともいえます。そこに勤める女医のお相手はどのような人が良いでしょうか?長時間勤務の男性と夫婦が成立するでしょうか?親の協力やシッターの利用なくしてはなかなか難しいでしょう。仮にお子様ができたら、どちらかが仕事から一歩引かなければなりません。それは現在の日本の社会では女性である事が大半です。そういった道筋が予め予想できるのであれば、最初から柔軟な働き方ができる男子と結婚して、夫と家庭や育児を分担しつつ、医師としてもしっかりやる、というのが理想的ではないでしょうか。

 

医師として勤務中の薬師寺先生

 

――ちなみに「女医コン」で成婚に至ったカップルに共通点はありますか?「女医コン」で成婚数が増えてきている秘訣や工夫などがあれば教えてください。

 

最も大きな共通点は、ほとんどの場合お相手が男性医師でない、ということです。またホワイト企業/組織に属する方が大半だと思います。性格的なところでいうと連絡が少々来なくても我慢できる寛容な男性と結ばれているようです。 成婚率が増えてきた理由は、まず僕の熱意(成婚が増えれば増えるほどやる気が漲ります)、次に開催回数の増加かと思います。昨年は55回女医コンを行い、今年はおそらく20組、今年は90-100回ほど会を行うため来年は喜びの報告がもっと増える予想です。

 

 

――全国各地で幅広く活躍されている薬師寺先生ですが、医師の本業と両立するためにどのような工夫をされていますか。

 

僕の”本業”を定義する事が難しいので少しまとめますと、平日は子供の送り迎えの役割があり、それに影響のない範囲で医師として複数の医療機関で働いています。週末にかけて、学会における意見交換を促進する「百人会議」システムの仕事、週末の夜は女医コン全ての会に薬師寺が出席)といったスケジュールで行なっています。基本的に大きなバッティングはないのですが、幼稚園や保育園の行事が平日に入っているときは妻と分担してこなすようにしています。

診断学で高名な徳田先生と(百人会議システム アンバサダー)

 

 

――薬師寺先生は、少子高齢化に伴う税収減、医療費高騰にも問題意識をもっていると存じています。「女医コン」主催の活動の先に何を見据えていますか?

 

子供が増えないと諦めているのではなく、少しでも対抗しようとアクションを起こすのが大事だと思います。高齢者に大量のリソースが投下されている一方、出会い・結婚、子育て・教育についてはどうでしょうか?僕は自分の立場にあった社会貢献をということで女医コンを始めましたが、医療の外にも出会いのチャンスに恵まれない男女がいますので今後そちらにも広げていく可能性はあります。また、女医コンを巣立ってご結婚された男女の皆さんがその幸せを周囲に拡めていっていただけるよう願っていますし、定期的に女医コン卒業生の交流会を企画してみたいとも思っています。

 

プロフィール
薬師寺忠幸
2001年防衛医科大学校卒、昭和大学助教を経て同兼任講師。
2011年より2年間の海外留学を機に活動場所を病院の外に広げ「大分県人会インターナショナル」を設立。現在フリーの内科医として働きつつ学会を活性化する投票コメントシステム「百人会議」の開発運営を行なっている。2014年より女医の未婚問題を解決すべく「女医コン」を全国で主催し、毎月数組の入籍報告が届いている。総合内科専門医、循環器専門医、心血管カテーテル認定医、医学博士、事業構想修士。2児の父親・兼業主夫として、女医の妻とともにチームワークで日々を乗り切っている。女医コンの情報はこちらよりhttp://joycon.info

 

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