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現役臨床検査技師による徹底お仕事解説!CTの資格を活かせる働き方

2019.10.03 11:14

臨床検査技師(CT)は、英語でClinical Technologist( medical technologist, laboratory medical technologist)で、CTと略されます。

全国でおよそ64,080人の臨床検査技師が活躍しています。

(*1厚生労働省 平成26年医療施設調査・病院報告 より)
最近では、ドラマなどで検査技師が登場する機会もあり、一般の方にも注目される機会の多いお仕事になってきています。

医療職の方にとっては、CTは日常的によく耳にする職業です。しかし、医療職のみなさんにとっても、実際にどんなお仕事をしているのか、どういう活躍の場があるのか意外と知らないことも多いはず。

そこで、今回は臨床検査技師でありながら、ライターとしてもお仕事中のnobi-nonさんに臨床検査技師のお仕事内容や活躍の方法についてまとめていただきました。

 

臨床検査技師とは?仕事内容

 

臨床検査技師の仕事内容

 

臨床検査技師の仕事は大雑把に分類すると、患者さん自身を検査する「生理検査」と、患者さんから採取した体の一部を検査する「検体検査」に分けられます。

 

生理検査・心電図検査

・呼吸機能検査

・エコー検査  など

 

臨床検査技師が行う生理検査は、いずれも患者さんに対して非侵襲的な検査です。

 

検体検査・血液検査

・尿検査

・細菌検査

・病理検査

・遺伝子検査 など

 

検査をただ実施するだけでなく、検査が正しく行われているかの判断や、機械のメンテナンスなどの仕事も臨床医検査技師の業務に含まれます。

検査結果の異常が患者さん由来なのか、測定機器由来なのかを詳しく検討することも臨床検査技師の仕事です。

 

臨床検査技師は採血してもいい?

1945年に「臨床検査技師,衛生検査技師等に関する法律」の改正により臨床検査技師が誕生し,臨床検査技師に従来衛生検査技師が行ってきた検査のほかに,脳波検査,心電図検査などの生理学的検査および検査のための採血を行うことが認められました。 (あくまで検査のために行なう採血で、治療その他のために行なう採血はこれに含まれません。)

しかし、「医師の具体的な指示により臨床検査技師の行う採血は、一回あたりの採血 量が 20ml 以内であることを原則とするよう指導されたいこと」となっていますが、平成 20 年 1 月 17 日付けで、厚生労働省医政局医事課長の見解より、「患者の体調等を考慮したうえでの医師の指示のもとでは、臨床検査技師は必要に 応じて 20ml を超える採血を行うことが許容される」ことが、公式に確認されました。

参考 https://www.jslm.org/others/news/saiketsu.pdf

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=3937

 

2015年には法律が改正され、採血のみならず鼻腔や咽頭の拭い液、皮膚、肛門からの便の採取も臨床検査技師が行えるようになりました。(ただし厚生労働省指定講習会の受講が必須です。)

これまでは医師や看護師でなければ行えなかったこれらの行為を臨床検査技師が行えるようになったことで、医師や看護師の負担軽減やスムーズな診療が期待されています。

 

参考:日本臨床衛生検査技師会「臨床検査技師等に関する法律の改正」

 

チーム医療としての臨床検査技師

チーム医療では、主に次のような場で活躍しています。

感染対策チームICT:院内で分離した細菌・耐性菌の情報提供と院内感染の予防

栄養サポートチームNST:採血データから栄養状態を把握し、治療方針に関する助言

糖尿病療養指導チーム:患者さんへの糖尿病の検査について指導

 

臨床検査技師のある1日のスケジュール例

今回は、血液検査のスタッフを例に紹介します。

 

【始業時】

①測定機器の準備

測定結果があらかじめ分かっている血液の試料を、患者さんの血液と同様の手順で検査します。

これにより、測定機器が問題なく使用できるか判断します。

 

【日中】

①    患者検体の測定

採血管一本一本を肉眼で確認し、検査に適した状態になっているのを確かめてから検査を実施します。

 

②    測定結果の確認

測定結果を一人ずつ確認し、正しい結果かどうか判断します。

この際の判断で、必要があれば再検査を実施したり、測定を中止して機器のメンテナンスを実施したりします。

 

③    血液標本の作製・顕微鏡での観察

血液の検査では、血液を顕微鏡で観察して細胞の観察も行います。

 

これらの作業は、同時並行で進行します。

そのため、椅子に座ってじっくりと検査を行うというよりは一日中検査室内を駆け回るイメージです。

一人で複数の検査機器を担当したり、血液の検査をしながら尿の検査も並行して行ったりすることもあります。

日によっては、採血業務やチーム医療のミーティングに出席などの業務が加わります。

 

【終業時】

一日の仕事が終了したら、翌日もトラブルなく使えるようにメンテナンスをします。

 

 臨床検査技師になるには?

臨床検査技師になるための受験資格(大学・専門学校)

臨床検査技師になるには国家試験の合格が必須です。

国家試験を受験するためには臨床検査技師養成課程のある四年制大学、短期大学、専門学校を卒業するのが一般的です。

 

国試・試験科目・合格率・難易度は?

臨床検査技師国家試験の科目は以下のものになります。

 

  • 医用工学概論(情報科学概論及び検査機器総論を含む。)
  • 公衆衛生学(関係法規を含む。)
  • 臨床検査医学総論(臨床医学総論及び医学概論を含む。)
  • 臨床検査総論(検査管理総論及び医動物学を含む。)
  • 病理組織細胞学
  • 臨床生理学
  • 臨床化学(放射性同位元素検査技術学を含む。)
  • 臨床血液学
  • 臨床微生物学
  • 臨床免疫学

 

 

(参考:厚生労働省「臨床検査技師国家試験の施行」)

 

検査そのものだけでなく、それに付随する医学的知識や医用工学に関する知識も必要です。

臨床検査技師国家試験では200点満点中120点以上取ることで合格となります。

 

2016年以降、臨床検査技師国家試験の合格率は75%以上となっています。

単純には比べられませんが、医師や看護師の国家試験の合格率が例年90%程度であることに比べると、若干合格しにくいという面があるかもしれません。

 

参考サイト

厚生労働省「臨床検査技師国家試験の施行

厚生労働省「第65回臨床検査技師国家試験の合格発表について

 

 

臨床検査技師としてのさらなる専門資格とスキルアップ

臨床検査技師の認定資格

医師や看護師のように、臨床検査技師にもさまざまな認定資格があります。

臨床検査技師の認定資格

  • 細胞検査士

  • 超音波検査士

  • 認定輸血検査技師

  • 緊急臨床検査士  など

 

この中で特に有名なのが細胞検査士ではないでしょうか。

細胞検査士は、病理検査における細胞診のプロで、患者さんから採取した検体にがん細胞が含まれているかを調べます。

 

また、意外な分野では不妊治療の現場で活躍する臨床検査技師もいます。

体外受精・顕微授精では採取した卵子と精子を受精させ、女性の子宮に戻せる状態になるまで培養する必要がありますが、この仕事を担っているのが胚培養士(エンブリオロジスト)です。

 

臨床検査技師の平均年収・給与

臨床検査技師の平均給与は平均約29万円

臨床検査技師の平均給与は厚労省の調査によると、平均約29万円(男性約32万円/女性約28万円)、年収(給与+賞与)は平均約450万円(男性平均470万円、女性平均426万円)

(厚生労働省の調査(平成30年賃金構造基本統計調査・職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額)

経験年数や、職場によって異なります。

 

臨床検査技師の資格が活かせる職場の種類

 

病院・大学病院

規模の大きな病院ではすぐに検査結果が必要になるため、臨床検査技師が在籍しています。

給与は平均年収と同程度です。

勤務形態は所属する医療機関にも異なりますが、土日祝日の日勤や夜勤があるケースがほとんどとなります。

平日は機器のメンテナンス等で1時間程度は残業になる施設が多く、さらに近年は、医療法の改正やISO15189取得の推進に伴い業務量が増加し、長時間の残業を余儀なくされるケースもよく耳にします。

とはいえ、一施設のスタッフ数も多く、有給や産休・育休の取得はしやすい印象です。

 

クリニック

クリニックに所属する臨床検査技師は多くの場合エコー検査、MRI検査、心電図検査などの生理検査を担当するケースが多いです。

専門性の高いクリニックに在籍しているケースも多く、睡眠外来での睡眠時無呼吸検査や、不妊治療専門クリニックでの胚培養士(エンブリオロジスト)として活躍する人もいます。

給与はクリニックによって異なりますが、平均年収と同程度か少ないケースが多いです。

ただし、専門性の高い仕事に従事する場合は給与が良いケースもあります。

勤務時間は基本的にクリニックの開院時間となりますが、胚培養士は休日であっても自分が担当している胚を観察しに休日出勤するケースもあります。

また、一施設の臨床検査技師が1~2名程度であるため、休暇の取得が思うようにいかないこともあります。

 

検査会社

各医療機関内で検査の実施が難しい場合は、検査会社に外注します。

地域の医療機関から検体が集まるため、検体数は膨大です。

企業への所属となるため、給与は平均年収より若干多くもらえます。

膨大な検体を扱うため日中のみでは処理しきれず、休日の日勤や夜勤があるケースも多いです。

 

保健所

保健所で働く臨床検査技師は地域に発生した感染症の検査をしたり、食品の添加物などを調べています。

公務員にあたるため、給与は平均年収と同程度か若干低くなりますが、残業がほとんどなく、休暇も取得しやすいです。

 

検診センター

検診センターでの採血業務、検査業務を行います。

検診受診者を待たせぬよう、スピーディかつ丁寧な対応を求められます。

給与は平均年収と同程度です。

残業は少ない一方、出張検診の場合には泊りがけの出張があるケースもあります。

 

製薬メーカー、医療機器メーカー

製薬メーカーや医療機器メーカーで働く臨床検査技師は営業が特に多いですが、近年は大学院を卒業する臨床検査技師もいるため研究・開発に携わるケースもあります。

給与は比較的高く、福利厚生もしっかりしているというメリットがありますが、営業ではお客さんの都合に合わせての仕事になるため不規則な勤務時間になりがちです。

また、企業によっては転勤を余儀なくされるケースもあります。

 

治験施設支援機関

治験施設支援機関に所属し、治験コーディネーターとして活躍します。

治験コーディネーターは医療機関と患者さんの間に立ち、治験がスムーズに行えるよう調整するのが仕事です。

新卒での給与はそれほど高いというわけではありませんが、経験を積むことによって給与面は改善されていきます。

スムーズに仕事をこなせれば残業もなく定時での退社が可能ですが、医療機関や患者さんにトラブルがあった場合には緊急の対応が必要になることもあります。

 

研究施設

医学、理学、農学などの理系の分野での研究施設で研究員として働く人もいます。

臨床検査技師として働くケースもありますが、必ずしも検査に関わる研究をしているというわけではありません。

勤務体制や給与は所属する研究室で異なります。

 

食肉衛生検査所等

食肉衛生検査所では食用になる動物が感染症にさらされていないかを調べたり、動物の突然死の原因を調べて他の個体への影響がないかを調べたりします。

そのため、細菌の検査のみならず、血液検査病理検査なども行います。

衛生検査所は自治体で管轄するため、待遇は公務員と同様です。

 

環境調査関連

検査のエキスパートである臨床検査技師の中には環境の汚染について調べる機関で働く人もいます。

水質や大気汚染などの調査に携わります。

 

フリーランス・単発バイト

検診の受診者が多い時期医療機関で一時的に検査スタッフが必要な場合に、単発のバイトの募集もあります。

特に首都圏では認定資格を生かしてフリーランスの臨床検査技師として活躍する人もいます。

他にはセミナーを開講して検査や検診の啓蒙活動を行うケースもあり、働き方は多様です。

地域にもよりますが一般的な臨床検査技師のバイトの時給は1000~2000円程度で、認定資格や特別なスキルの有無で時給が上乗せされたり、行った業務量で報酬が変動したりします。

自身ののライフスタイルに合わせた業務量、勤務時間や休暇の調整がしやすいのが特徴です。

 

ライターなどオンライン・自宅でできるお仕事

オンライン・自宅でできる仕事をする場合には、臨床検査技師のスキルを生かすような働き方は難しいのが現状です。

というのも、臨床検査技師は病気の診断や、検査結果を受けての患者さんへの指導という業務は認められていないからです。

自宅でできる仕事としては、臨床検査技師の経験や知識を生かして医療や健康に関する記事執筆をするライターとしての仕事や、動画サービスを活用してのセミナーの開講などがあげられます。

自宅での仕事になるため、家事の合間に仕事をするなど融通を効かせやすいのが特徴です。

報酬についてはその人のスキルによるところが大きくなります。

 

最後に

臨床検査技師の仕事の最大の魅力は早期発見に携われることです。

縁の下の力持ちとして、価値のある情報の提供に貢献できる仕事だと思います。

医療の現場ではもちろん、活躍の場はそれ以外の場所にもこれから広がっていくのではないでしょうか。

ライター nobi-non

 

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