現役医師ライターに聞く!依頼が来る医療ライターになるには?
2020.03.03 10:00
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医療職という仕事柄、医療現場以外でも、専門知識を活かしてブログを運営したり、Web上の記事を書いたり、本業をこなしながら活躍する方も増えてきています。
まだ、Web上の記事を書いたことはないけど、興味があるという医療職の方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、眼科の医師であり、クラウドソーシングでライター歴の長いdoctorK先生にクラウドソーシングでのライティングについて、インタビュー形式で教えていただきました。
クラウドソーシングをはじめたきっかけ
現在は眼科医であるdoctorK先生がクラウドソーシングを始めたのは、学生時代からとお伺いしましたが、何年間のご経験ですか?
クラウドーシングの中でも、僕が始めたのはクラウドワークスというクラウドソーシングサイトでした。クラウドワークスに登録したのは2014年3月なので約6年間登録しています。ただ、途中で2年間の研修医期間がありましたので、その期間はバイト禁止のためアカウントは利用していませんでした。
ライターとしての活動を始めた経緯をお教えください。
ライターを始めたのもクラウドソーシングと同年の2014年からです。もともと本を読むことすら得意ではありませんでしたが、誰かに説明するのは好きでした。もっと広く色々な人に伝えたいと思ったのが契機でした。
クラウドソーシングで仕事を依頼されるようになるには
クラウドソーシングでお仕事の案件をもらえるようになるまでは、大変でしたか?
最初の方は案件をもらうのは非常に難しかったと記憶しています。クラウドワークスではレビュー機能があり、ワーカーの今までこなしてきた件数と評価が掲載されます。そのため、先に始めたクラウドワーカーが有利になることもしばしばあり、僕も最初は時給換算の安い案件をこなしていました。
なるほど、最初はやはり大変なのですね。
ライターを始めた頃から、ご自身で工夫してきたことを教えて下さい。
とにかく影響力のあるブログの文章を読み漁っていました。また、色々なジャンルの本も読みました。その分野で影響力のある人、読まれている本を読み、表現の方法を学んできました。
あとは納期まで先延ばしせず、案件が決まったら即日に終わらせることに努めました。締め切りに間に合えば文句は言われませんが、ネット上でのやり取りであるためそれなりの齟齬が生じます。それを解消する目的で事前に「僕はすぐに納品し、齟齬を解消します。」と伝えることもしばしばでした。
依頼をもらえるようになってきたなと実感がわいてきた時はありましたか?
実感がわいてきたのは自分からの応募ではなく、会社等から直接依頼があったときでした。「自分が今までしてきたことを認めてもらえたのではないか」と、今までの活動が認められたと思った瞬間でした。
依頼が来る医療職ライターのポイント
依頼をもらえるようになった理由、大事なポイントは何でしょうか?
僕はまず言葉遣い、納品スピードを重視してきました。前者はネットである以上、特に実績のない人に関しては必須の能力だと思います。初対面の人、それも得体の知れない人に乱暴な言葉遣いをされて良い気持ちになる人はいませんよね。また、前述の通り、齟齬を解消すべく、期限ぎりぎりではなく、なるべく早い段階で納品するようにしていました。
(編集部注:確かに、このインタビューの回答も当日中に返答をいただき、doctorK先生の仕事の速さに大変驚きました!)
医療職ライターとしての仕事の選定の方法
医療職として執筆する場合は、掲載メディアも玉石混交だと思うので、ある程度選ぶ必要があると思います。
正直なところ、今まで、受けなければよかったなと思ったライティングの仕事はありましたか?
正直、信ぴょう性を欠いた記事を載せている媒体もあります。もし仮に本名でやるようになった場合に備えて、そのような媒体で記事を書かないよう、事前に掲載メディアの記事をいくつか見るように心がけていました。
良いクライアント・良い案件はどのようなものだと思いますか?見分けるコツを教えて下さい。
ワーカーもそうですが、きちんとコミュニケーションを取れるクライアントが良いクライアントであり、良い案件をくれると思います。また、フィードバックをくれるかどうかも重視していました。自分なりによくできた記事、そうでない記事も同じように「ありがとうございました。」と受領されるのは楽ですが、進歩がありません。今はどちらでも良いですが(笑)
医師としてのライターの報酬のとらえ方
確かにフィードバックは向上心があるライターの方には、重要なポイントですね。
このインタビューを読んでる方は非常に気になっていると思うのですが、医師として働くと、時間給感覚的にライティングは割に合わなく感じてきてしまいそうな気がするのですが….そのあたりは実際のところ、いかが感じていらっしゃいますか?
正直、時給換算すると割には合わないと思います。僕の場合は通勤の際、歩きながら音声入力で文章をザっと入力したり、アウトプットした内容をブログの記事に書いたりしています。(iPhoneのメモ使用)
それでも時給に換算すると医師の給料には劣ります。しかし、医療記事を書き続けていると、監修など高額な案件を依頼されることもあります。また、医療ライターで新たな人脈ができたり、収入以外に得られるものもあります。
インターネット上の医療情報に関して
医療情報に関しては、質の悪い記事、デマなどがインターネット上やSNSに流れていることも多いですが(2020年2月現在)、そのことに関して、どう感じていらっしゃいますか?
もちろん、誤った情報や質の悪い記事はない方が良いと思います。しかし、言論の自由があり、誰でも情報発信が可能な時代ですし、そういった悪い記事があることで、僕ら医療者の記事が光ることもあると思います。実際に、僕も先日「手作り目薬」のブログ記事の誤りを指摘し、逆に僕の「正しい目薬のさし方」という記事が注目されました。医療ライターはこういった記事を見つけ、指摘する責務もあると思います。
医療者が情報発信することの意義に関してのお考えと、先生の今後のSNSやwebサイトでの発信の意気込みを教えて下さい。
医療者の基本は対面での診察だと思いますが、ネットが普及した現在は事前に自分の病気を調べてくる方が多くなってきました。
病気に関しては厚労省や各学会等の記事が分かりやすくまとまっています。しかし、読んでいただければ分かりますがなかなか難しい。僕ら医療ライターはそういった内容を、患者さんに説明する感覚で、かつ正確な情報を提供する必要があります。
僕は眼科医なので眼科の内容が中心ですが、今までの経験を活かして各診療科、スタッフにそういったライターが増えてくることを望んでいます。
doctorK先生が運営するwebサイト「オンライン眼科」
今後の展望としては僕はTwitterの拡散の力を借りつつ、今年中にオンライン眼科(https://doctork1991.com/)を概ね完成させようと思っています。
そして、昨日ベンチャーの外部顧問になったので、今後はベンチャーなどに協力したり、現在はキャッチコピーなどの勉強しだしたので、医療ベンチャーを中心にHP等の編集のお手伝いなどもしていこうと思っています。
ライティングから、外部顧問までと活動の幅が広がっているのですね!
今回はお忙しい中、ご回答へのご協力、誠にありがとうございました。プロフィールにdoctorK先生のサイトURLを掲載していますので、興味のある方はぜひ御覧ください。
また、doctorK先生のキャリアインタビュー記事でも、ライティングの時間の作り方など記載いただいているので、ぜひチェックしてみて下さい。
doctorK
公立大学医学部在学中にクラウドワーカーとなり、眼科医となった今もクラウドワーカーとして働く。趣味は本や論文を読むこと、そしてお笑い、グルメ、お酒も大好きです。
運営サイト オンライン眼科(https://doctork1991.com/)
Twitter @doctorK1991
インタビュー・編集 Dspace運営
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