#36 離島の作業療法士。学ぶ環境への不安と工夫。

#36 離島の作業療法士。学ぶ環境への不安と工夫。

2020.05.01 09:00




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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。

 

36回目は、新卒から離島で作業療法士としてお仕事をしているMasaさんです。

キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。

 




 

 

Masa

作業療法士。地元の進学校を卒業後、地方の作業療法士養成校を卒業。地元である離島の民間病院にて3年勤務後、同法人内の介護老人保健施設及び訪問看護ステーションへ異動し1年勤務。

趣味は、バスケットボール、バレーボール、アニメ・ドラマ鑑賞。

 

 

 

 

ーまずはMasaさんが作業療法士を目指したきっかけをお教えください。

 

 小学生の頃から医療系ドラマを見ることが好きで、医療関係職への憧れがあり、漠然と医療関係職へ就きたいと考えていました(当時は医者に憧れていました)。中学・高校と進んでいく中で、いざ卒業後の進路を決めなければなりませんが、学力は中の下程しかなかったため、選択肢は限られていました。この時、祖母が膝関節疾患を患っており、手術を行いました。手術は順調に終わり、その後リハビリを経て現在は独歩で歩けています。祖母へのお見舞いをしている中で、リハビリを頑張っている姿や、支援しているリハ職員の姿を見て、リハビリへの関心が高まりました。

 当時は、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、視能訓練士など、様々なコメディカルがありますが、違いについてはよくわかっておりませんでした。漠然と、身体面へのアプローチだけでなく、小児や精神など広範囲に専門を広げている作業療法士の需要が高いのではないかと考え、作業療法を専攻しました。

 

 

 

ーMasaさんは、現在は、どのようにお仕事されていますか?

 

 現在は、地元の介護老人保健施設及び訪問看護ステーションへ勤務し、入所・通所・短期入所・訪問リハビリ業務を行っております。

 作業療法士の国家資格取得後は、都心部で働くか地元(離島)で働くか非常に迷いました。給与の面だけでなく、臨床経験や技術が不十分のまま地元へ戻り、職場や地域社会に向け貢献できるのか、業務遂行が十分に行えるのかなど、様々な事を考えました。最終的には、学ぶ環境は十分ではなくても、都心部へイベントや公開講座などを通して、必要な知識を学んでいこうと決心し、地元へ戻りました。

 入職当時は、やはり知識や技術が追い付かないことや、業務内容が多く、時間内に終わらせることが出来ない事など、様々な壁に直面しましたが、時間が経つにつれストレスに感じる事もなく業務を遂行できるようになりました。『為せば成る』が私のモットーなのですが、人間は慣れれば環境適応を行い、どんな事も行う事ができるのだろうと、最近は働きながら考えております。

 

 

 

ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?

 

 職業として職種の変更は今の所考えたことはありません。仕事のやりがいとしては、クライアント(利用者)と共に目標を掲げ、達成の為に共に頑張るということに魅力を感じて仕事をしているので、今後も同じ職種・職業で働きたいと考えています。

 しかし、悩む点として『給料がそれほど高くないこと』が挙げられます。初任給としては、全国平均と比較しても差異はそれほどなく、十分に感じておりますが、地方の医療・福祉関係は昇給率が1.45%未満だとよく耳にします(私の職場も高くありません)。経験年数を重ね、社会的責任が増加することや必要知識幅の拡大、結婚など、様々なリスクは増加しますが、比例して給与が挙がることはそれほどないように感じております。昇格を重ねていけば、良いのかもしれませんが、私の年代では不安に感じております。

 

 

 

ーMasaさんは、今後どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?

 

 今後も、地元の離島で勤務を続けていきたいと考えております。また、技術提供を行っている中で、専門知識や技術の不十分さは現在も感じておりますので、日々の業務は行いつつ、空いた時間でさらなる知識や技術の獲得を行い、クライアントの笑顔を手に入れたいと思います。

 

 

ー現在の働き方ならではのエピソードや感じていることがあれば、お教えください。

 

 離島のため、充実した医療やサービスの提供が十分に行えない事があります(装具やコルセット等の提供が遅れる、デモ機が借りれない、レンタルサービスが行えないなど)。可能な範囲で提供を行う事や、工夫が必要です。

 

 

 

ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?

 

 

離島の作業療法士 Masaさん の1日のタイムスケジュール

 

    • AM 7:00

      起床、朝食

       

    • AM8:00

      通勤・AM業務開始

      老健業務

    • PM12:00

      休憩・昼食

       

    • PM13:00

      PM業務開始

      訪問業務

    • PM18:30

      業務終了・帰宅

       

    • PM19:00

      夕食・入浴

       

    • PM21:00

      ネットサーフィン

      アプリゲーム等

    • PM23:30

      翌日の準備

       

    • PM24:00

      就寝

       

 



 

 

ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は?

 

利用者によって、容態の違いやご希望などは様々ありますので、対象の方一人ひとりにあった関わり方、技術の提供を行う事が大変だと思います。

 

病院と違い、既にご自宅で生活されており、家で困難な事が出来るように、老健など環境の異なる場所で、困ったことが出来るように能力を向上させる、又は維持を行う事ができるような関りが必要です。これに対して、情報収集を行う事だけでなく、定期的に同一の身体検査や動作の観察を行い、変化を考察し、多職種を交えたチームで対策を練るようにしています

 

 

 

ー現在は離島でお仕事をされているということですが、離島の医療現場で現在不便に感じていることに対して、今後の技術等の進歩で期待していることをお教え下さい。

 

離島の為、適切な物品提供が十分に行えない、又は試用が困難な事があります。このような地域格差が少しでも改善されればと、願っております。また、都心部で必要な専門知識の習得をしたくても、移動に船や飛行機を用いなければならず、移動後は1泊挟まなければならないことがあります。これに関しては、e-ラーニング等も増加してきているため、今後も増加してくことを期待しています。

 

 

 

ー今の医療業界の課題は何でしょうか?今後の医療業界に必要なものはなんだと思いますか?

 

 日本全国として問題になっている、医療費が国家予算を圧迫している件について、我々医療従事者も十分に理解し取り組むことが必要だと思います。それぞれ専門職が役割を理解し、地域包括ケアシステムの構築を行い、適切なケア及びサービスの提供を行う事で、多少の改善の余地はあるのではないかと、個人的に感じております。

 

 

 

ー最後に、これを読んでいる医療職の方に一言お願いいたします。

 

 医療やケアの本質は、その方やご家族が、笑顔で安心して暮らせるように、サービスの提供を行う事だと思います。ただ仕事や業務をこなしていくだけでなく、笑顔を届け、笑顔を貰えるように、日々頑張っていきましょう!

 

 

 

ーMasaさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。今後、もっとオンライン化が進んで、これからの世代のためにも、離島での研修やキャリアアップが図れると良いですね。

 

 

 

 

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