【医療の職業図鑑】管理栄養士

【医療の職業図鑑】管理栄養士

2020.07.01 09:00




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医療職の皆さんは『管理栄養士』がどのようなお仕事かご存知ですか?

一緒の病院で働いていても、実際にどのような仕事をしているかよく知らない方も多いでしょう。

 

今回は、管理栄養士について、資格取得の過程から、業務内容、働き方、活躍の場まで解説します。

開業やフリーランスなども紹介しているので、働き方を見直したい管理栄養士の方もぜひご一読ください。

 

 

管理栄養士とは?

 

管理栄養士は厚生労働大臣の免許を受けた国家資格で、管理栄養士国家試験を受けて合格しなければ取得できません。

 

公益社団法人 日本栄養士会によると、管理栄養士は、病気を患っている方や高齢で食事がとりづらくなっている方、健康な方一人ひとりに合わせて専門的な知識と技術を持って栄養指導や給食管理、栄養管理を行う職業です。*1

 

平成27年 12月末, 厚生労働省健康局健康課栄養指導室、栄養士免許交付数の推移 管理栄養士 名簿登録数の推移によると、 管理栄養士の名簿登録数は205,267人です。

 

 

管理栄養士を英語でいうと?

 

管理栄養士・栄養士は、英語で「dietitian」と言います。栄養士は世界で日本が最初です。栄養士や栄養士養成施設は、なんと世界で初めて日本でスタートしました。

 

 

 

管理栄養士と栄養士の違い

 

管理栄養士と栄養士の資格取得方法の違い

管理栄養士は、「厚生労働省が認定する国家資格」です。管理栄養士養成課程の所定のカリキュラムを修了すると、卒業時に国家試験の受験資格を得ることができます。

 

また、4年生大学卒業の栄養士は、実務経験が1年以上、

短大・専門学校(3年)卒の栄養士は、実務経験2年以上、

短大・専門学校(2年)卒の栄養士は、実務経験3年以上で受験資格を得ることができます。

 

国家試験に晴れて合格して、管理栄養士になることができます。

 

 栄養士は、「都道府県知事が認定する国家資格」です。厚生労働大臣指定の栄養士養成施設を卒業すると、資格が与えられます

 

 

管理栄養士と栄養士の業務内容の違い

 栄養士は、食事や栄養の面から人々の健康な生活をサポートする仕事です。食事の提供や献立作成がメインの仕事です。

 

 一方、管理栄養士は栄養士の業務にプラスして乳幼児から高齢者、また病気の人などに専門的な栄養指導を行います。

 

業務の中には、自治体の高齢者向け介護予防教室の低栄養講話や、病院での栄養サポートチーム(NST)、特定保健指導など、管理栄養士でないとできないものもあります。

 

 

 

管理栄養士の仕事内容

 

 

管理栄養士の仕事内容は、多岐にわたっています。

ひと言で言えば、栄養・食事の指導です。具体的な内容は、「どこで、誰にするか」によって変わってきます。

 

医療分野、保育園、学校、行政、自衛隊、刑務所、フィットネスクラブなど対象者によって、栄養学の知識を活かした活動をしています。

 

 

管理栄養士の平均年収

 

統計上、管理栄養士単独の年収のデータはありませんでしたが、

平成30年賃金構造基本統計調査 *2 によると、栄養士(女性) 所定内給与額  226000円 年間賞与その他特別給与額590600円です。

 

これらから算出すると、栄養士の平均年収は、約330万円です。

 

資格取得の難易度から考察すると、管理栄養士の平均年収は、栄養士の平均年収 約330万円より高くなると予想できます。

 

 

管理栄養士になるための要件

 

管理栄養士国家試験の試験科目は、以下のものになります。

 

 

・社会・環境と健康

・人体の構造と機能及び疾病の成り立ち

・食べ物と健康

・基礎栄養学

・応用栄養学

・栄養教育論

・臨床栄養学

・公衆栄養学

・給食経営管理論

 

引用 *3より

 

管理栄養士になるためには、管理栄養士国家試験の受験資格を得る必要があります。

国家試験を受けて合格し、厚生労働大臣の免許を受けて「管理栄養士」になることができます。

国家試験の合格率は令和2年3月1日に実施された試験では、受験者数15,943名のうち合格者数は9,874名であり、合格率は61.9%です。*4

 

管理栄養士国家試験に関しての記事はこちら

 

 

管理栄養士になる方法・期間・費用

管理栄養士になるまでの方法は、次の4つの方法があります。*5

 

 

 ・4年制大学管理栄養士養成課程を卒業⇒受験資格が与えられます。

・4年制大学栄養士養成課程を卒業⇒実務経験1年以上⇒受験資格が与えられます。

・短大・専門学校(修業年限3年)⇒実務経験2年以上⇒受験資格が与えられます。

・短大・専門学校(修業年限2年)⇒実務経験3年以上⇒受験資格が与えられます。

 

 

 管理栄養士になる最短期間は4年です。4年制大学管理栄養士養成課程を卒業し、国家試験に合格する方法です。

 

栄養士養成課程を卒業後、実務経験を積んでからの受験は、仕事と国家試験の勉強との両立が難しく、合格率は低い傾向にあります。

 

しかし、実務経験を積んでから管理栄養士になることは、管理栄養士になってから多くの経験を積んでいる分、強みになるといえます。

 

 学費は大学や短大・専門学校によってさまざまです。国立大学か私立大学にもよりますが、200~700万円程度です。

 

 

 

管理栄養士が活躍できる職場・働き方

 

管理栄養士の働き方 

ここからは管理栄養士の働き方についてご紹介します。

勤務時間・休日・給料・ボーナスなどについては、公立か私立か、民間の場合は企業規模によってさまざまです。また、職種によっても違いがあります。

 

 

 勤務(常勤・パート)

正社員・契約社員・パートとして一つの職場に所属して働く方法です。

正社員・契約社員はフルタイム、パートだとフルタイムと短時間勤務があります。

 

 常勤・パートで働くメリットは、一つの職場で働くことで先輩やスタッフから多くのことを学ぶことができることです。収入面では月給で安定していることです。(職種により月により差があることもあります)

社会保険に加入することもできるため、退職したときに失業保険を給付してもらえるのもメリットの一つです。パートでも週20時間以上勤務だと、社会保険に加入することができます。

 

 

 フリーランス

以前は、管理栄養士の働き方は常勤勤務が主流でしたが、今ではフリーランスとしての働き方もあります。

フリーランスは「個人事業主」として働くことです。複数の企業などと業務委託契約をする働き方です。

特定保健指導や自治体の栄養講座、コラム執筆、レシピ開発など多種多様です。フリーランス管理栄養士の働き方のメリットは、やりたい仕事を選ぶことができる、スケジュールを自分で調整できる点です。

 

収入は、1コマで●●円という形で得ることが多いです。働き方の自由度は高いですが、毎月一定の収入を得にくいというのがデメリットです。自分の知識が商品なので、仕事に必要な知識や技術をしっかり身につけておくことが必要になってきます。

 

収入は安定はしていませんが、頑張った分得ることができ、大変やりがいのある働き方でもあります。

 

 

 開業(起業)

開業(起業)をして管理栄養士として働くケースも増えてきました。会社勤めのような、いろいろな制約や複雑な人間関係もなく、多彩な仕事ができるのが魅力です。仕事に必要な知識や技術をしっかり身につけておくことはもちろん、経営者でもあるので経営の知識も必要になってきます。また、自分で仕事を探さないといけないため、高いコミュニケーション能力も必要になってきます。

 

 収入はフリーランスとしての働き方同様、毎月一定の収入を得にくいというのがデメリットです。

 

しかし、自分で料理教室や講演会を企画したり、インターネットを使った活動、マスコミ関係の取材や出演など、活動を自ら開拓できるので大変やりがいのある働き方でもあります。

 

 

管理栄養士が活躍できる職場

 

医療

病院やクリニックで、患者さんの治療食の栄養管理や栄養相談を行います。最近では、歯科医院でも管理栄養士を常駐しているところが多いです。

 

福祉

特別養護老人ホーム、心身障がい者施設、保育所などで栄養管理や摂食障害のある人の支援を行います。

 

行政(公務員)

都道府県保健所、市町村保健センターなどで、地域住民の栄養指導や保健指導、栄養調査、給食施設の指導などを行います。

 

学校

幼稚園、小・中・高校などの学校、教育委員会で給食管理や食教育の仕事に従事します。

 

企業

企業の社員食堂、具体的には事業所・工場・寮・健康保険組合などで、給食管理や栄養相談などを行います。

食品メーカーでは、新商品の研究開発・品質管理・食品の分析や衛生管理などを行います。また、商品の紹介や販売を担当する営業職になることもあります。

外食産業や宅配サービスの会社で、メニューの開発や店舗の管理などを任されることもあります。

 

スポーツ

フィットネスクラブでトレーナーとして活動しながら、会員さんの栄養アドバイスを行います。

スポーツチームやクラブでスポーツ選手の栄養指導や管理をする管理栄養士もいます。公認スポーツ栄養士の資格制度ができて、活躍の場が広がりつつありますが、狭き門です。

 

研究・教育機関

大学・短大・専門学校などの教育機関で未来の管理栄養士・栄養士に、講師として授業やゼミを担当します。

 

防衛施設

自衛隊・防衛大学校・防衛医科大学などで、栄養・給食管理を通じて隊員の健康管理を行っています。

 

矯正施設

刑務所・拘置所・少年院などで、入所者の栄養・給食管理を行います。

 

地域活動

豊富な経験を活かし、在宅栄養士として地域住民の栄養改善や食生活の支援活動を行い、栄養行政を側面からサポートします。

 

飲食系

管理栄養士がいることで、「食事に対してしっかりと考えているお店」という安心感をお客様に与えられるため採用されるケースがあります。

「管理栄養士が監修した××」というキャッチフレーズは、健康を意識しているお客様の注目を集められるため、需要が高まりつつあります

 

 薬局・ドラッグストア

最近では、薬局やドラッグストアで健康食品やサプリメントなどの商品販売が増えています。管理栄養士がお客様のサービスの一環として、栄養相談や育児相談をしているところもあります。

 

 MR(医療情報担当者)、治験コーディネーター

製薬会社に入社し、MRや治験コーディネーターとして活躍している人もいます。栄養剤や栄養機能食品のMRとして、栄養や医療の知識を持つ管理栄養士が働いています。

 

 メディア

Webライターとして、栄養や食事の記事執筆・監修等を行います。他には栄養計算やデータ収集など、在宅ワークで子育てをしながら活動しているケースもあります。

出版・新聞・テレビ・広告代理店などで、管理栄養士の知識や技術を活かして、活動するスタイルもあります。

 

 

 

まとめ 管理栄養士のやりがい

 

今回は、管理栄養士になるための方法、活躍できる分野について解説しました。

フードスペシャリストの民間資格や、健康運動指導士といった運動系の民間資格を取得することで、さらに活動の幅が広がります。

 

健康志向の高まりが進んでいる中、人の健康を栄養面から支える専門家として、今後も管理栄養士の期待は高まると思われます。人々が健康に生きていくために絶対に必要な仕事であること、大変だけどやりがいのある仕事です!

 

管理栄養士として、どのようなことをしたいか?を考えるきっかけになっていただけたら幸いです。

 

 

【参考】

 *1 引用 公益社団法人 日本栄養士会

https://www.dietitian.or.jp/students/dietitian/

 

*2 e-Stat 厚生労働省 平成30年賃金構造基本統計調査 

職種別第3表 職種・性、年齢階級、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額 https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450091&tstat=000001011429&cycle=0&tclass1=000001113395&tclass2=000001113397&tclass3=000001113405&stat_infid=000031683130

 

*3 参考 厚生労働省「第34回管理栄養士国家試験の施行について」

https://www.mhlw.go.jp/kouseiroudoushou/shikaku_shiken/kanrieiyoushi/

 

*4 引用 第34回管理栄養士国家試験の合格発表

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10407.html

 

*5 参考「日本栄養士会」学校案内

https://www.dietitian.or.jp/students/school/

 

参考図書:『管理栄養士・栄養士になるには』藤原 眞昭著 ぺりかん社

     『大学学部調べ 栄養学部』佐藤 成美著 ぺりかん社

 

 

ライター wami フリーランス管理栄養士

 

 

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