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【医療の職業図鑑】薬剤師

2020.07.13 09:00





 

 

医療職の皆さんは『薬剤師』がどのようなお仕事かご存知ですか?

一緒の病院で働いていても、実際にどのような仕事をしているか詳細は知らない方も多いかもしれません。

 

今回は、薬剤師 について、資格取得の過程から、業務内容、働き方、活躍の場まで解説します。

メジャーからマイナーまで活躍できる場所も紹介しているので、働き方を見直したい薬剤師の方もぜひご一読ください。

 



 

 

薬剤師とは?

 

薬剤師とは、薬剤師法に基づいて、厚生労働大臣が許可する国家資格職です。

 

薬剤師免許は、薬剤師国家試験に合格することで薬剤師名簿に名前が登録され、免許証が交付されます。

 

平成30年における薬剤師名簿登録数は、311,289人で、そのうち男性が120,545人(全体の38.7%)、女性が190,744人(全体の61,3%)です。*1

 

 

薬剤師を英語でいうと?

薬剤師は、英語ではPharmacistまたはChemistと呼ばれ、医薬品の供給や調剤、薬事衛生を司る医療従事者です。

 

 

 

薬剤師の仕事内容

 

薬剤師の職場は、多岐に渡ります。その中でも、「調剤」は基本的な業務の一つであり、医療用医薬品の処方・鑑査・投薬業務などを行います。

 

ドラックストアでは、安全性の高い医薬品の購入・相談などの内科医的な側面も併せ持っています。

 

病院で働く薬剤師は、医師の指示の下で医療チームの一員となり、チーム医療に貢献することもあります。また、通常の調剤薬局とは異なり、注射剤の扱いや、院内製剤の調剤業務も行います。

 

医薬品医療機器等法第17条により、製薬会社やメーカーでは、薬剤師を置かなければなりません

 

薬局や、製薬会社で薬事業務を行う薬剤師は、独立した専門職です。薬局の管理者は薬剤師でなくてはならず、製薬会社や医薬品卸売販売業でも、管理薬剤師を置かなくてはなりません。卸売一般販売業でも、医薬品医療機器法により、薬剤師の配置が義務づけられています

 

この他、厚生労働省薬系審議官や、麻薬取締官、保健所職員、高校教員、危険物取扱者など、薬剤師の仕事内容は職場ごとに全く違います。

 

 

 

薬剤師の平均年収・給料

 

厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」*2によると、2019年の薬剤師の平均年収は543.6万円(年齢38.6歳)です。

 

地域や就職先によっても差がありますが、一番平均年収の高い県は栃木県で、623.6万円(年齢43.3歳)、最も低い県は山口県で、515.5万円(年齢31.5歳)です。

 

薬剤師の平均年収・給料 調剤薬局の場合

薬剤師の就職先で最も多い調剤薬局の場合、年代別で見ると、20代の正社員の場合最も多いのが400万円から500万円です。20台の場合は、経験も浅い為、給料はあまり高くはありません。

 

30代、40代、50代になると、最も多い層は500万円から600万円となります。このうち、50代では700万円以上の年収のある人が多くなります。

 

薬局に就職した薬剤師の場合、他の職種と比較しても、初任給は高い傾向にあり、30歳くらいまでは順調に昇給します。

 

しかし、40代で給料は頭打ちとなることが殆どで、その後の昇給は少なくなるという特徴があります。

 

 

薬剤師の平均年収・給料 製薬企業の場合

 

製薬会社に就職した場合、薬局やドラックストア、病院とは少し年収が違います。

製薬会社での仕事は大きく分けて、「研究職」、「開発職」、「営業職」の3つに分かれます。

 

「研究職」の場合は、多くの場合博士号の取得が必要となります。そのため、年収も高く、大手製薬会社の平均年収は700万円から900万円です。研究の成果や能力が認められた場合は、1000万円を超えることもあります。

 

食品企業に研究職として就職した場合の年収は、500万円から800万円が一般的です。

 

「開発職」の場合も、研究職とほぼ同じ条件です。一般的な年収は約600万円ほどです。勤務する製薬会社によっても年収は異なり、外資系企業の方が高年収です。

 

また、管理職クラスになると、年収は1500万円から2000万円にもなります。

 

「営業職」は、MRと呼ばれる医薬品情報を医師や薬剤師などに伝えて、自社商品をPRする仕事です。

 

大手の製薬会社に勤務していれば、30代で1000万円を超えることも可能ですが、完全に成果報酬型のシステムですので、営業成績が上げられなければ昇給は見込めません。

 

一般的なMRの年収は、20代が500万円前後、30代が650万円から700万円前後、40代、50代では750万円から950万円となり、全体の平均は700万円程度になります。

 

 

 

薬剤師になるための要件

 

薬剤師になるためには、薬剤師国家試験に合格し、薬剤師免許を取得することが必須です。

 

薬剤師国家試験を受験するためには、大学の薬学部か、薬科大学で6年間の課程を修了していなければなりません。

 

薬剤師養成課程を終了し、大学を卒業後に与えられる薬剤師国家試験受験資格を持ち、国家試験に合格すると薬剤師になれます。

 

薬剤師国家試験は一年に一回、二日間に分けて行われます。その内容は「衛生」「薬理」「薬剤」「病態」「物理・化学・生物」「法律」「実務」など、非常に広範囲です。

 

大学ごとに国家試験の合格率が異なりますが、平均で80%に達することがないこともあるほど難関です。

 

 

薬剤師国家試験についての記事はこちら

 

 

 

薬剤師になる方法・期間・費用

 

薬剤師になるには、以前は4年制でした。しかし、学校教育法の改正に伴い、平成18年からは4年制から6年制へ教育期間が延長されました。

 

薬剤師の資質の向上や、医薬分業などの進展を目的としています。

薬剤師になるための薬剤師国家試験受験資格を得るためには、6年制の学部または学科の卒業が条件です。

 

 

薬剤師になるための費用・学費

 

薬学部の学費は国立、公立、私立で異なります。

 

国立大学の薬学部の学費は、6年間で約352万円です。入学金が約28万円、年間授業料は約54万円です。この金額は一律であり、他の学部でも変わりません。

 

公立大学で、6年制の薬学部を設置している大学は3つしかありません。公立大学は、地方自治体が設置する大学で、入学金や授業料は国立大学とほとんど変わりません。

 

ただし、その地域に住んでいない人は、住んでいる人に比べて、入学金が異なります。大学のある自治体に住んでいない人は、入学金が10~20万円高くなります。

 

6年制の薬学部を設置している私立大学は、全国で50以上あります。学費は大学ごとに異なりますが、国公立大学と比べると非常に高くなります。

 

私立大学の薬学部の入学金は約34万円、年間授業料は約143万円、施設設備費は約31万円です。年間授業料の平均は約208万円であり、6年間にかかる学費は1200万円にもなります。*3

 

私立の薬学部は、他の理系学部よりも実習費用などが高額です。6年間の薬学課程を終えるまでの総額は高額です。

 

 

 

薬剤師が活躍できる職場・働き方

 

薬剤師の働き方 

 

薬剤師の働き方にも、種類があります。自分の生活スタイルに合わせて、働く場所や勤務形態、転職などを考えると良いでしょう。

 

正社員

正社員は、福利厚生や社会保険、研修制度なども充実しており、雇用も安定しています。退職金やボーナスなどもあり、安定を求める人には向いています。また、教育制度が充実している職場ではスキルアップも目指せます。

 

パート・アルバイト

パートやアルバイトでも薬剤師としての就職先はたくさんあります。扶養範囲内で働きたい人や、育児と仕事を両立したい人、ブランクを少しずつ埋めたい人、午前中だけ働きたい人等は、プライベートに合わせて勤務時間を調節することができます。

 

また、正社員やパート、アルバイトとは異なる「派遣薬剤師」という勤務形態があります。派遣の場合、勤務条件が選びやすく、短期間でいろいろな職場を経験することができます。さらに、短期間から長期間まで派遣期間も選択できるので、働き方の自由度が上がります。派遣勤務の場合、パートやアルバイトよりも時給が高額になります。

 

薬局の開業

薬剤師免許があれば、独立して自分の薬局を開業することも可能です。独立を考えている薬剤師を支援するサイトもあります。また、フランチャイズとして独立を支援している薬局もあり、現在はM&Aで薬局の譲渡も多く行われているので開業は以前よりも身近なものです。自分の理想の薬局を作ることができ、定年もなく働けます。

 

開業して上手くいけば、勤務しているよりも収入は増えます。しかし、独立して開業した場合は、常にリスクは切り離すことが出来ません。初期投資には1000~2000万円の費用がかかるため、開業する場合はリスクとベネフィットを良く考える必要があります。

 

 

薬剤師が活躍できる職場

薬剤師が活躍できる職場はさまざまです。以下に一挙ご紹介します。

 

調剤薬局

薬剤師が勤務する場所として一番多いのは調剤薬局です。

 

「調剤」とは、医師が発行する処方箋に基づいて、適正に医薬品が使用されるように用法・用量などを確認しながら薬を調合することです。医薬分業により、医師から独立して薬を確認することで、医療ミスを防いでいます。調剤薬局の薬剤師は、基本的には、調剤、鑑査、服薬指導、薬歴管理記録などを行います。

 

 

ドラックストア

ドラックストアでは、一般医薬品が多く扱われます。処方箋医薬品とは異なり、医師の処方箋が無くても購入できる薬を販売します。

 

一般医薬品は、カウンター越しに薬を売買することから、Over The Counterを略してOTC医薬と言われています。OTC医薬品も、含まれる成分や使用方法の難しさ、副作用などから第一類医薬品、第二類医薬品、第三類医薬品を分類され、陳列方法も異なります。

OTC医薬品として、初めて市場に出たもので、特に慎重に扱う物は要指導医薬品と分類されています。

 

要指導医薬品を含め、ドラックストアにある全ての医薬品を販売できるのは薬剤師のみです。書面を用いたりしながら、情報を提供したり、販売することがドラックストアでの主な仕事です。

 

 

病院

病院で働く場合、調剤は「外来調剤」と「入院調剤」の2つに分かれます。外来調剤は、外来で訪れた患者さんに薬を調剤します。入院調剤は、入院している患者さんの薬を調剤します。また、病院では薬剤師は医療チームの一員となります。医師、看護師、栄養士などとチームを組み、より高度な医療を提供することができます。

 

 

製薬会社

製薬会社で勤務する場合は、「研究職」、「開発職」、「営業職」に分かれています。製薬会社では、新しい薬の開発のために研究や実験をしている薬剤師がいます。また、その薬を販売するにあたり、薬の効果や適正な使用方法を全国の医師や薬剤師に伝える役目を果たすMR(医薬情報担当者)という薬剤師もいます。

 

製薬会社や企業には、医薬品の最新の情報を収集、整理して、医療関係者に迅速に伝える「DI(Drug Information)業務」を担う薬剤師もいます。「学術」と呼ばれることもあります。医薬品にはさまざまな種類があり、莫大な情報が溢れています。医師や薬剤師も、全ての情報を網羅している訳ではありません。そのため、DI業務では、医薬品に関するあらゆる情報を収集し、適正に管理する仕事をしています。

 

 

その他の企業

薬剤師は、上記の他にも、化粧品会社で研究や薬事申請の業務をすることもあります。

 

さらに、食品メーカーで食品添加物の研究をするなど、活躍の場は広がっています。

また、保健所にも薬剤師がいます。地域の公衆衛生の指導にあたったり、薬学の知識を活かして、食品衛生監視業務について公務員になるという選択肢もあります。

 

 

行政

薬剤師は、行政や警察などで公務員として働くことも出来ます。

「麻薬取締官」は、薬物犯罪にかかる取り締まりや、捜査、逮捕などを行います。流通する麻薬や向精神薬の監督、指導にあたる国家公務員です。麻薬取締官として働くには、拳銃の所持も認められており、危険も伴う仕事です。

 

自衛隊にも薬剤師が配属されています。「自衛隊薬剤師」は、薬剤官とも言われます。自衛隊員の日常の健康管理、医療支援などを行う役割です。

一般社会からかけ離れた場所では、「刑務所薬剤師」も存在しています。法務技官とも呼ばれます。刑務所でも、医療行為や調剤業務を行う必要があるため、受刑者を相手に調剤や服薬指導を行います。

 

このように、薬剤師は薬のプロとして、幅広い分野で必要とされ、活躍しています。

 

 

まとめ 薬剤師のやりがい

 

薬剤師は、薬を通じて、患者さんの健康に寄り添うことができます。

調剤薬局やドラックストアで働く薬剤師にとって、自分の知識や正確な服薬指導が、患者さんの健康の向上につながります。

 

医師には相談出来なかった些細な悩みや、小さな質問を汲み取ることができ、それを解決出来た瞬間は、とてもやりがいを感じられます。

 

一方で、調剤や投薬には、高度な集中力が必要です。ほんの僅かな誤差や間違いが許されないため、常にプレッシャーの下にいます。

しかし、そのプレッシャーを向上心に置き換えることが出来れば、さらに仕事に意欲を持つことができます。

 

医療は日々進歩し、新しい薬も続々と出てきます。勉強せずに古い知識のままでは通用しないのが薬剤師の世界です。

 

それぞれの職場で、自分の能力を発揮することができれば、これほどやりがいを感じられるものはありません。

 

 

参考

*1 厚生労働省平成30年 医師・歯科医師・薬剤師統計の慨況

 

*2 厚生労働省 令和元年賃金構造基本統計調査https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/index.html

 

*3 文部科学省 私立大学等の平成29年度入学者に係る学生納付金等調査結果について

https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1412031.htm

 

 

ライター  相田 彩  薬剤師

 

 

 

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