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#54 アメリカでキャリアをつかんだ心臓外科医

2020.07.20 09:00





 

 

画像はイメージです。 (canva)

 

 

医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。

 

54回目は、アメリカで外科医としてお仕事をしている手術大好き忠犬外科医先生です。先生は、研究留学、臨床留学を経て、アメリカの病院で心臓外科医として活躍しています。

 

アメリカで医師として働くに至ったキャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。

 

 

手術大好き忠犬外科医

 

医師。某大学医学部でラグビーを学び、まあまあの成績で卒業し、関東圏内で研修後に研究留学し、帰国。2年間医療機関に勤めた後、再度渡米。臨床留学をし、現在アメリカの大学病院のスタッフ外科医として勤務。

 

 

 

ーまずは手術大好き忠犬外科医先生が医師を目指したきっかけをお教えください。

 

父が医師であり、医療業界が比較的身近な存在にありました。高校のころに通勤するサラリーマンをみて、サラリーマンとしてスーツを着て働く自分が想像できずに、医師になる方が、より楽しく自由に生きることができると子供の頃に感じたからです。

 

 

 

ー現在のご専門である心臓血管外科の道に進んだきっかけをお教えください。

 

 自由にキャリアを積むことを望んでいたので、自分の腕である程度食べていける科を考えていました。素敵な眼科医の先輩方に囲まれていましたので、眼科とは強く迷ったのですが、心臓外科のほうが、キャリア形成の仕方次第で面白いキャリアを積めるのではないかなと思って、心臓外科にしました。

 

また心臓外科は外科医の腕と結果が大きく関連しますので、自分の腕で食べていくイメージと合っていたのだと思います。自分のキャリアの自由度と自分の実力が深くつながっていますし、自己研鑽のモチベーションになりますので、結果として、患者さんの利益にもなるのだと思っています。

 

現在でも眼科と心臓外科のどちらがよかったのかはわかりませんが、今のところ、自分のキャリアに満足していますし、選択は良かったのかと思っています。

 

 

 

ー手術大好き忠犬外科医先生は、現在アメリカでお仕事をされているとのことですが、アメリカでの就業のきっかけと、渡航するに当たって日本でのキャリア継続と、どのように決断したか教えて下さい。

 

アメリカに来た理由は大きく二つあります。一つはよりよいトレーニング環境です。忙しさは日本の時と比ではなかったですが、より濃密で充実した研修を送れることを先達の記録から知っていました。自分の実力をつける上で最短ルートとなると考えていたため、アメリカでのトレーニングを希望していました。

 

実際、研究留学にいった理由も臨床留学につなげるためで、その熱意を先方にも伝え、ある程度結果が出た時点でサポートしてもらうことを条件に自分でみつけ、研究留学の契約をしました。結果、トラブルがあり、プロジェクトを終了するまでいれずに、サポートは得られませんでしたが。それでもあきらめず、臨床留学の先をみつけ、非正規のポジションですが、確保しました。その後、非正規ポジションで働きつづけ、スタッフのポジションを得ることができましたが、それは幸運だったと思います。

 

二つ目は職場環境です。アメリカではより高収入で、より仕事のサポートが得られることは知っていたので、プライベートも充実できると考えていました。なので、スタッフとして残りたいとは思っていました。ただ、そこには大きなこだわりはありませんでした。できるだけ、実力をつけることが、まずは大きな理由だったと思います。

 

渡米のモチベーションはそんなところで、きっかけは学会にきた医師と話し、そこの施設を見学する約束を取り付けたことです。施設見学にいったときに自分の希望を伝えたところ、研究留学をしてから、正規コースに入ることを言われたので、研究留学をしました。残念ながらかないませんでしたが。

 

次のポジションは手術見学を夏休みに取り付けて、その際にポジションをアプライしたい旨を伝えたところ、その場で面接をしていただけました。2年後のポジションにつながったので、やって良かったと思っています。

 

留学後の日本でのキャリア継続も希望していましたが、教授が変わり、体制が変わったため、医局を出ざるを得なくなってしました。

 

結果、日本とのつながりが薄くなってしまいましたが、学会でもできるだけ多くの先生とお話しして、日本に帰ることになってもポジションが得られるようには努力しています。そのために自分のしていることを学会で発表し、自分を売り込むという努力をしています。

 

 

 

 

 

ーアメリカでポジションを得るには、自分でつかみとらなくてはならないのですね。

大変な一方、アメリカで医師をすることに憧れている若手医師も多いと思います。そのような方のために、先生がアメリカでの就業に当たって、取得した資格等や、準備をお教えください。

 

英語のテストは良い成績でしたが、田舎育ちで、全く外国の人と会ったことはありませんでした。そのため、学会などで積極的に話すようにしていました。もちろん英会話教室には1年くらい通いました。授業形式でなく、できるだけフリートークを強制されるような教室に通うことで、会話に慣れていったと思います。

 

それでも最初働いたときには、全く英語が聞こえずに苦労しました。テレビなどで練習しておけば良かったと思いますが、あとの祭りですね。

 

今ならば、動画で英語が勉強できると思います。ただ流し聞くだけはあまり意味がありません。とにかく口に出して話すことだと思います。シャドウイングといって、ネイティブと同じスピードで話す練習方法があるのですが、それをしました。

 

今でも英語は完璧にはなりませんが、コミュニケーションに困らない程度にはなっていると思います。

 

話せるようになれば、聞こえます。聞けても話すことはできません。

 

医師資格はUSMLEというテストをパスする必要がありました。Step1から3まであり、筆記試験が3つと患者面接方式のテストが1つありました。膨大な時間とお金がかかりましたが、最後までやり抜けたのはやはり、自分の目標がクリアにあったことがあると思います。

 

アメリカは州ごとに免許の要件が違います。USMLEをパスしていることは最低条件で、それに加えて、他にも要件があることがありますが、例外などもあり、一様ではありません。トレーニングの免許はどちらにしても比較的簡単にとれるはずです。

 

ビザは就労ビザを目指しました。ビザは就職の際に大きな問題となり、Jビザという国際交流を目的としたビザでは長期の滞在が難しくなることを事前に調べていました。その後、2年半たった時点で、グリーンカードを取りにいきました。時間とお金がかかりましたが、問題なく取ることができました。弁護士さんの助けが大きかったと思います。

 

今考えると、日本にいる間でももしかしてグリーンカードをとれたのではないかとも思うのですが、よくわかりません。少なくとも弁護士さんに相談すべきだったなと思います。

 

日本人にとってアメリカは住みづらい国ですから、希望者が少ないせいか、グリーンカード取得はそこまで難しくないかもしれません。

 

 

 

ー先生は、現在は、アメリカでどういった職場で、どのようにお仕事されていますか?

 

私は大学病院で勤めています。上司と二人体制で、手術を共有するかたちで行っています。選んだ理由としては周囲に強い外科医がおらず、比較的競争が厳しくなさそうだったことと、自分のニッチがその地域のニーズにあっているのではないかと思ったからです。ここに来てまだ日が浅いので、何とも言えませんが、とりあえず大きな間違いではなかったのではないかなと思います。

 

 

 

ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?

 

アメリカの外科医、手術大好き忠犬外科医先生 のタイムスケジュール

 

    • AM6:30

      起床

       

    • AM6:50

      出勤

       

    • AM7:10

      カルテチェック

       

    • AM7:30

      回診

       

    • AM8:00

      8:00から終日手術

       

    • PM17:00~19:00

      帰宅(帰宅時間は手術によりけり)

       

    • PM19:00

      夕食

       

    • PM20:00

      こどもとお風呂、寝かしつけ

       

    • PM21:00〜23:00

      リラックスタイム

       

    • PM23:00

      就寝

       

 

 

育メンではありませんが、できるだけこどもとの時間をとろうとしています。

 

 

 

ー留学・海外で就業してみて、医療の現場で、日本と比べて新鮮だったことや、留学先の医療や研究等で良いと思った点、逆に日本の良さを感じた点を教えてください。

 

日本の医療現場は

金銭面の無駄が多い

人手不足

でも安定した仕事、収入

 

留学先は

高収入

サポート多い

不安定な仕事。

といったことを感じます。

 

 

 

ー前の質問と関連して、数年アメリカで臨床をご経験されてきて、日米間での患者さん側の違いなど何か思うことはありますか?

 

患者さんはどこにいても変わりませんが、日本で見ない患者さんがいることは確かです。ドラッグをしている人も多くみますし、極度の肥満に苦しむ人もみます。

 

しかし、医師に感謝してくれたり、仲良くなったりというのは日本もアメリカも変わらないのでないでしょうか。所詮人と人の付き合いですから。

ひとつ大きく違うのは入院費は保険がきかないとすごく高いので、患者さんは早く退院したがることです。

 

画像はイメージです。 (canva)

 

ー現在の日本の医療業界で課題に感じていることはありますか?また、今後の医療業界に必要なものは何だと思いますか?

 

日本の医療業界は問題は多くあります。ひとつは無駄が多いことです。ベッドの料金が安いために患者さんはホテルのように滞在します。いや、ホテルよりも高サービスで安いのです。なぜならば医療というサービスが食事とベッドに加えてあるからです。ベッド料金はもう少し高くあるべきだと思います。患者さんの病院滞在期間を短くすることで、より多くの患者さんが、医療を受けることができますし、病院経営上、健全です。

 

次にいい意味でも悪い意味でも競争がありません。患者さんを呼びこむ努力をしないために、医療のクオリティの向上もサービスの向上もほぼ自分の努力です。

 

そうではなくて、明確に資本主義的にすべきだと思います。お金を稼ぐことは会社を持続可能にするために必要なことです。お金を稼ぐためにはより多くの患者さんを呼びこんで、よりスピーディに、効率良くする必要があります。結果として、患者さんも早く不愉快な思いをせずに医療を享受できると思うのです。

 

また医師の給与についても疑問です。一時、アルバイトで生計をたてたことがあるのですが、わかったことは、忙しくない方が日本では儲かるということです。日本で外科医をしていると24時間365日コールで、備えていなくてはなりませんが、クリニックなどのバイトは一時間数人みるだけで一万円は入ります。8時間で8万円です。25日で200万円です。たかだか8時間働くほうが、外科医をしているよりもかなり儲かるという矛盾があるのです。これは問題だと思います。

 

外科医は訴訟リスクもあり、コールもあります。そう考えると収入が高くなるべきなのですが、そうなりません。

 

結果としてシニアで腕のいい外科医が開業するという不思議なことが起きます。なぜならば、そちらの方が、より自由な時間をもち、高収入でいられるからです。医師が頑張るモチベーションがそがれますし、このモデルはあまり長続きしないと思います。何より患者さんに何の得もありません。腕のいい外科医が開業して内科診療するのは2重の無駄があります。

 

更にいうならば、日本の医師はキャリアを他人任せにしている気がします。医局の言うなりにキャリアを歩み、文句を多く言っている人を見たことがあります。しかし、それを選んだのも自分ですから、自分に責任がある訳です。私は医師がちゃんと自分の足で立つことが必要だと思います。

 

 

 

ー確かに、日本の医療では、忙しくても報酬として報われないことも多々ありますね。先生同様、違和感を感じている方は少なくないと思います。

それでは、最後になりますが、読者の医療職の皆様に一言お願い致します。

 

日本にいると、医師は楽しい充実感だけで仕事していると思います。医局に所属し、何となく開業するということが多いのではないでしょうか。自分のキャリアに真剣に向きあったほうがいいのではないかと思う時があります。

 

充実感も大事ですが、お金や時間もとても大事なことです。このところを真剣に考えて、キャリアを考えて、患者さんにとってよい医療環境を作っていきましょう。

 

 

ー手術大好き忠犬外科医先生、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。

 

 

 

 

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