【新型コロナウィルス対策】歯科医院での院内感染対策まとめ
2020.04.10 10:31
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歯科医院における、新型コロナウィルス(COVID-19)にかかる院内感染対策を、以下の厚生労働省や、日本歯科医師会等で記載されている情報を元に重要点をまとめます。(2020/4/8)
情報は日々変化する可能性もあります。ここでは重要点のみ抜粋しますので、必ず、各サイトで最新情報を確認をお願い致します。
出来ることをしっかりと行って、歯科関係の患者さんの安全、歯科医療従事者の安全、を守りましょう。
開業の方目線の内容を含めてまとめています。
参考1
厚生労働省 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について(その3) (2020/4/7)
参考2
歯科医療機関における新型コロナウイルスの感染拡大防止のための 院内感染対策について(令 和 2 年 4 月 6 日) (厚生労働省⇨日本歯科医師会宛の文書)
参考3
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対応における健康観察等の適切な実施について(依頼)
https://www.mhlw.go.jp/content/000619570.pdf
参考4
日本歯科医学会連合 新型コロナウイルス感染症について 歯科医師のみなさまへ
http://www.nsigr.or.jp/coronavirus_dentists.html
参考5
厚生労働省 一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000510349.pdf
参考6
国立感染症研究所国立国際医療研究センター国際感染症センター 新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 (改訂2020 年4月7日)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200407.pdf
参考 7
日本環境感染学会:医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.1.pdf
歯科関係者の方はこちらの記事もご確認下さい。
【歯科医院】要確認リンクまとめ COVID-19 新型コロナウィルス関連
歯科医院の新型コロナウィルス対策 To Doリスト まとめ
まず基本的な感染経路について、令和2年4月7日、国立感染症研究所及び国立国際医療研究センター国際感染症センターが作成した「新型コロナウイルス感染症に対する感染管理」*6 によると医療関係者が新型コロナウイルス感染症に感染する類型は3パターンあります。
①COVID-19と診断または疑われている患者を診察して感染
②COVID-19と診断または疑われていない患者から感染
③市中や医療従事者間での感染
歯科の場合は、①は可能性として低いと思われますが、②③は可能性としてありえますね。
“医療機関内での集団感染は地域医療提供体制に大きな影響を与えるものであり、新型コロナウイルス感染症を疑うか否かに関わらず、標準予防策の徹底が必要です。”*1 とされています。
診療を継続する場合にはしっかりと標準予防策を徹底しましょう。
歯科医院の新型コロナウィルス対策 To Doリストは、参考リンクから大まかにまとめると以下になります。(必ず最新情報と原文をご確認ください。)
次の見出しから、それぞれの項目について説明します。
①標準予防策の徹底・接触、飛沫予防策
②診療室の定期的な換気
③患者さんへの渡航歴・発熱、咳などの呼吸器症状の確認
④医療従事者の健康管理
⑤予約の調整 ー 緊急性のない処置の延期
⑥診療の調整 ー 緊急処置のみに留める
参考 1〜3より
①標準予防策の徹底・接触、飛沫予防策
適切なPPE(PPE;PersonalProtectiveEquipment)を着用
“状況に応じて必要な個人防護具(PPE;PersonalProtectiveEquipment)を選択して適切に着用してください。”*4
マスク・グローブ・ゴーグル・ガウン等を着用しましょう。
*7 のリンクより、以下のような着用例・脱衣方法などが参照できます。
画像:引用 参考7 日本環境感染学会:医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版より
・また、医療従事者の暴露リスク評価は以下のようになっています。
歯科の場合は、患者がマスクをしない、長時間(この表では数分以上。短時間:1~2分)という特徴から、下表の下段が該当すると思われます。
低リスクにするには、推奨されているPPEをすべて着用することが望ましいようです。
ちなみに、医療機関におけるCOVID-19の疑いがある人やCOVID-19患者の診療時の感染予防策 *1 では、エアロゾルが発生する可能性のある手技でのPPEは、
N95 マスク(またはDS2など、それに準ずるマスク)、眼の防護具(ゴーグルまたはフェイスシールド)、長袖ガウン、手袋を装着する
とされています。
表: *1より引用
手洗い・手指消毒
ポイント⇨ 診療前 ・後に、消毒薬入り洗剤と擦式アルコール手指消毒薬で洗浄・タオルはディスポで!
“コロナウイルスはエンベロープを有するため、擦式アルコール手指消毒薬は新型コロナウイルスの消毒にも有効です。手指衛生は適切なタイミングで実施してください。”*7
また、厚生労働省 「一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第2版)」*5 では、”院内感染防止の観点からは、診療前や唾液・血液が付着している可能性がある場合には消毒薬を含む洗剤と流水で手洗いを行うことが強く勧められます。”
とされ、消毒薬を含む洗剤での手洗いを勧めています。
診療前の手洗いについては以下のように記載されています。
“院内感染防止の観点から、日常歯科診療においては、診療前に消毒薬を含む洗剤で手洗いを行い、その後ペーパータオルで拭きとり、擦り込み式アルコール製剤で消毒すべきである。備え付けのタオルで手を拭くことは、逆に手指汚染を招くことになるので避けるべきである。”*5
飛沫感染・接触感染の予防
”ユニット周りだけでなく、レセプトコンピューターなどの周辺機器も清拭しましょう。
ドアノブなど患者さんの触れる場所の清拭をしましょう。
待合室の遊具などを撤去しましょう。
患者さん来院時の手洗い、手指消毒も大切です。
吸引装置(歯科用および⼝腔外バキューム)を積極的に使用しましょう。
ラバーダムを活用しましょう。”*4
“医療機関においては、患者周囲の高頻度接触部位などはアルコールあるいは0.05%の次亜塩素酸ナトリウムによる清拭で高頻度接触面や物品等の消毒の励行が望ましい。詳細については、「医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド」等を参考にする。”*6
②診療室の定期的な換気
写真:Oles kanebckuu
“定期的な窓開けなどによる換気を徹底しましょう。(「密閉」の回避)” *4
③患者さんへの渡航歴・発熱、咳などの呼吸器症状の確認
事前の問診・電話で確認
“本疾患によく見られる発熱・感冒様症状や14日以内の海外渡航歴を確認しましょう。
最新の情報では鼻水・鼻づまりなどの鼻症状のない突然の味覚や嗅覚の異常も注意すべき症状です。”*4
電話相談では
・新型コロナウイルス感染症の疑いのある患者さん
(発熱や風邪様症状を有する患者さん)
・本人または同居人に14日以内の海外渡航履歴のある患者さん
・鼻症状を伴わず突然、味覚・嗅覚に異常が出た患者さん
に対しては、自院での診療が困難である理由を説明し、理解を得ることが必要ですが、まずは主訴(患者さんの訴え)をお聞きし、緊急性を要するか否かを判断します。
歯科治療については緊急性が無いと判断した場合は、帰国者・接触者相談センター*に連絡をしていただきます。医療提供者側は診療拒否ではなく現時点の状況対応であることを十分に説明することが求められると同時に、対象となる患者さんにおいてもオーバーシュート(爆発的患者急増)を防止するための理解と協力が必要です。
*4より引用
* 新型コロナウイルスに関する帰国者・接触者相談センター
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/covid19-kikokusyasessyokusya.html
診療所窓口での対応
“院内感染を防止するためには、対象者に説明を尽くした上で、新型コロナウイルス感染者または疑いのある患者さんの受診を制限することです。まず医院入口や院内等に院内感染防止の掲示を行います。現在、「発熱や風邪様症状のある方」や「14日以内の海外渡航歴のある本人または同居者がいる方」、「鼻症状を伴わず突然、味覚・嗅覚に異常が出た方」も対象となります。” *4
医院の入り口に掲示を出す
日本歯科医師会ホームページで下記の「院内入口掲示用ポスター」・及び「院内掲示用ポスター」がダウンロードできます。
院内入口掲示用ポスター(PDF)
院内掲示用ポスター(PDF)
④医療従事者の健康管理
「③市中や医療従事者間での感染」することを防ぐために必要なことは以下のように記載されています。*1
・医療者が日常生活において高リスクな環境(3密)を徹底的に避けて感染しないことが最も重要である。
・院内では院内感染対策を徹底し、事務室や医療者控室では、密集を避けて換気をすること、共用物を減らすこと、集団で食事をする際にはリスクがあることを認識することが重要である。
・医療機器等実用機器はこまめに消毒することが必要である。
・医療従事者は、健康管理に注意し、発熱や呼吸器症状を呈した場合には職場には行かず、電話等で職場管理者と相談する
“毎日欠かさず体温を計り、倦怠感などの症状があれば自宅待機を徹底しましょう”*4
とされています。
雇用者の方は、従業員が相談等名乗り出やすいような環境を整えることが重要でしょう。
⑤予約の調整 ー 緊急性のない処置の延期
待合の人数をへらす・患者さんに予約時間遵守をお願いする
患者さんに予約時間遵守をお願いし、待合室の⼈数をできる限り少なくして「密集、密接」を回避します。 *4
緊急性のない治療の延期
“歯科医師の判断により、応急処置に留めることや、緊急性がないと考えられる治療については延期することなども考慮すること。”*2
⑥診療の調整 ー 緊急処置のみに留める
“歯科医師の判断により、応急処置に留めることや、緊急性がないと考えられる治療については延期することなども考慮すること。”*2
医療従事者から感染者が出た場合の手順
“「3環境整備」に準じて消毒等対応を行い、「新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領」に従って、濃厚接触者の特定を行う。一律に部分的、全体的施設閉鎖等を考慮すべきではない。患者発生状況や、疫学調査の結果を踏まえ、必要な場合には保健所と相談の上、対応を決定する。”*6
関連リンク 国立感染症研究所
新型コロナウイルス感染症患者に対する積極的疫学調査実施要領(2020年3月12日暫定版)
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/2484-idsc/9357-2019-ncov-02.html
参考・引用サイト
参考1
厚生労働省 医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応について(その3) (2020/4/7)
・医療従事者は、健康管理に注意し、発熱や呼吸器症状を呈した場合には職場には行かず、電話等で職場管理者と相談する。
参考2
歯科医療機関における新型コロナウイルスの感染拡大防止のための 院内感染対策について(令 和 2 年 4 月 6 日) (厚生労働省⇨日本歯科医師会宛の文書)
以下一部抜粋
1 標準予防策の徹底について
2 歯科診療実施上の留意点について
新型コロナウイルスについては、飛沫感染が主体と考えられており、標準予防 策に加え、接触感染予防策、飛沫感染予防策が必要である。歯科診療においては、 唾液等の体液に触れる機会が多いことや歯の切削等によりそれらが飛散することがあるなどの特性に鑑み、感染拡大防止のため、以下の点に特に留意すること。
(1)歯科診療の実施前に、患者の状態について、発熱や咳などの呼吸器症状の有無や海外渡航歴等について確認すること。新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合については、速やかに「帰国者・接触者相談センター」にご相談いただくよう、患者に伝えること。
(2)診療室の定期的な換気を実施するとともに、診療の内容に応じて、感染リスクを減らすための対策を適切に行うこと。なお、歯科医師の判断により、 応急処置に留めることや、緊急性がないと考えられる治療については延期することなども考慮すること。
(3)歯科診療を行う上での留意点については、関連学会から考え方が示されているので参考にすること。
(参考)
〇厚生労働省 HP 新型コロナウイルス感染症について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
○「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和2年3月 28 日)
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000614803.pdf
○一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000510349.pdf
○日本歯科医学会連合 新型コロナウイルス感染症について 歯科医師のみなさまへ
http://www.nsigr.or.jp/coronavirus_dentists.html
参考3
厚生労働省 新型コロナウイルス感染症対応における健康観察等の適切な実施について(依頼)
https://www.mhlw.go.jp/content/000619570.pdf
参考4
日本歯科医学会連合 新型コロナウイルス感染症について 歯科医師のみなさまへ
http://www.nsigr.or.jp/coronavirus_dentists.html
参考5
厚生労働省 一般歯科診療時の院内感染対策に係る指針(第2版)
https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000510349.pdf
参考6
国立感染症研究所国立国際医療研究センター国際感染症センター 新型コロナウイルス感染症に対する感染管理 (改訂2020 年4月7日)
https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200407.pdf
参考7
日本環境感染学会:医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド第2版
http://www.kankyokansen.org/uploads/uploads/files/jsipc/COVID-19_taioguide2.1.pdf
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