#32 歯科衛生士と育児の両立。余裕をもたせる工夫と理解のある職場。
2020.04.23 09:00
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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。
32回目の今回インタビューするのは、歯科衛生士としてパート勤務と育児をしているH.mamaさんです。キャリアについてのお考え、歯科業界、医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
H.mama
歯科衛生士。
専門学校歯科衛生士科を卒業後一般歯にて勤務。衛生士9年目で結婚、結婚後も正社員として勤務していたが衛生士13年目で妊娠をし退職。2歳になる子供の育児をしながら現在はパート勤務をしている。趣味は旅行、食べること。
ーまずはH.mamaさんが歯科衛生士を目指したきっかけをお教えください。
学生の頃に歯科医院に通っていて、そこの歯科医院が田舎だからというのもあり、今の時代の様に写真などを見せながらきちんと説明して…という感じではなく「今日は右下の虫歯の治療しますね」といった感じでどんどん治療を進めていかれて…
そんな中で治療が進んでいるうちに「なんで今日は麻酔したのだろう」「あの台に置いてある薬はなんだろう」などいろんな事が気になりだしました。でも、先生や衛生士の人にも聞けず、考えているうちに「私が歯医者で働けば分かるのかなぁ」と思うようになり、『歯科衛生士』という職業に興味を持ち始めたのがきっかけです。
ー説明不足の歯科治療が歯科に興味をもつきっかけだったのですね。
H.mamaさんは、現在どのようにお仕事されていますか?
歯科医院では小児・一般歯科で歯科衛生士業務を行っています。ほとんどメインテナンスに来られる患者様を診ている感じです。
再就職する際に子供がまだ小さい為、熱や病気をしがちなのもあり、出来るだけ無理なく休みが取れる歯科医院を探していました。今の歯科医院は見学に伺った際に院長先生より「子供さん優先で働いてください」との言葉をもらい、ここにしようとすぐに決めました。
ーH.mamaさんは、キャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
歯科衛生士という仕事を長く休めば休むほど段々とスキルに自信をなくしていきそうで不安でした。それもあって子供が6ヵ月の時に衛生士復帰をしました。家族も復帰に関しては私の意向を尊重してくれたのでありがたかったです。
医院では新卒の衛生士の教育などもしていますが、与えられた仕事を相手の予想を上回る結果にしたいなと思いながら働いています。
ー現在は、育児中とのことですが、どのようにお仕事を両立されていらっしゃいますか?
私自身が独身時代に、残業したり家で仕事したりと、仕事とプライベートごちゃごちゃになる事が多かったため、育児しながら働く事に対してはしっかりやっていこうという想いがありました。
なので今は、妻や母親である自分と、衛生士である自分とをしっかり区別しています。
医院の仕事は家には持ち帰らないし残業もしません。
優先順位が高いのは、家族や子供なのでそれに合わせて仕事のスケジュールを入れて無理のないシフトを作っていますし、出勤をお願いされても無理な場合は無理ときちんとお断りしています。
それでもなかなか家事は完璧には出来ません。完璧にしようとするとストレスがかかるので料理や掃除なども休みの日にしっかりやればいいかくらいの気持ちでこなしてます。
ー育児との両立に関して、現在の働き方ならではのエピソードや感じていることをお教えください。
医院自体が育児優先でいいですよという考えなのでそれは凄く助かっています。
後は、夕方のお迎えにバタバタで行きたくないので、少し余裕を持って早めに上がる勤務時間にしています。
時間に余裕がないと心にも余裕がなく子供にもイライラしがちになってしまうので、その予防というのもあります。
また、毎日ではなく週に3日程の勤務ということもあり、時間に余裕があると両立もしやすいかなと感じています。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
パート歯科衛生士 H.mamaさんのタイムスケジュール
-
-
AM 7:00
起床、朝食
子供の準備をする
-
AM8:20
送迎、通勤
-
AM9:00
勤務開始
-
AM16:00
退勤、お迎え
夕食の買い物
-
PM18:30
子供の晩ご飯
お風呂 子供と遊ぶ
-
PM20:30
子供の寝かしつけ
-
PM21:30
夫の晩ご飯の準備、洗濯
お弁当作りなど
-
PM23:30~24:00
就寝
-
ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は?
歯科業界は常に進化していっています。それに合わせて知識のアップデートは必要になってくるかなと思います。
勉強会などの参加があまり出来ないので、その分周りの衛生士の友人に会った際に色々聞いたり、SNSなどを使って新しい情報を聞く機会を作っています。
パートではありながら新人の衛生士さんの教育も任せていただいていますが、週3程度で夕方までの勤務なのでしっかり見てあげることがなかなか難しいのです。(空いた時間で出来るだけ指導していくようにはしていますが…)
ー今後はどのようにお仕事をしていこうと思っていますか?
新人教育を任されていても、私自身のスキルや知識もまだまだ増やしていきたいと考えています。
また、出産をして、自分や子供の口の中の事について新たに考えたり感じたりする事もあったので、そのような経験から、妊娠中の方や子供さんがいる親御さんの気持ちに寄り添って、衛生士の視点から様々なアドバイスができていけたらいいなと思います。
ープライベートと仕事の両立を実現するため今の歯科業界・医療業界に必要なものは何でしょうか?
歯科医院にもよりますが、私自身これまで勤務していた歯科医院は「有給はあってないもの」のような医院が多いような気がします。医院側は1人が休むと病院が回らないから困るというのもありますし、スタッフ側もそれを察してなかなか休めない…やがてそれが不満の1つになるという悪循環が起こってしまいがちになっている気がします。
もっと自由に、とまではいかないかもしれませんが、きちんとプライベートな時間が取れるというのは就職先を選ぶ上でとても重視されるところだとは思います。
また、出産をされた衛生士さんの再就職でもそうです。子供の体調で急に休みを取らなければいけない現場は沢山あるのですが、それで周りに迷惑をかけてしまうのではないかと遠慮して働けない人も少なくないと思います。せっかくスキルや知識が多くある人だったとしてもその想いだけで再就職を躊躇してしまうのは歯科業界的にももったいないなと感じます。
お互いに気持ちよく働いていく為に理解していただいている歯科医院が増えていくといいなと思います。
ー読者の医療職の皆様に一言をお願い致します。
育児と仕事の両立は大変な部分が沢山あると思います。これから歯科業界での働き方が変わってくる事を期待して頑張りましょう!
ーH.mamaさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
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