外大から医学部再受験、病理医から美容皮膚科医へ
2020.03.29 15:40
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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。
14回目の今回インタビューするのは、医師のnao先生です。nao先生は、外大⇨医学部再受験⇨病理医⇨美容皮膚科医と多様なキャリアチェンジを経験しています。
nao先生のキャリアについてのお考え、医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
画像はイメージ写真です。
nao
医師。地方私立医学部卒業。一度は外国語大学に入学するも中退。医学部を再受験し医師免許取得。現在は美容皮膚科医としてクリニック勤務。趣味は、バックパックで海外旅行。
ーまずは、nao先生が、医師を目指したきっかけをお教えください。
幼いころから海外旅行が好きだったので、外国語を学んでたくさんの文化を体験したいと思っていました。そして、外国語学部へ入学しましたが、言語を習得するのは独学でできると感じ、他の領域を学びたいと考えるようになりました。その際、真逆の分野である理系の医学を学ぼうと決意しました。
ー外大からの医学部受験と、文系から理系へ、さらに学生生活の中の、再受験は大変勇気がいる決断だったことと思いますが、医学部受験に踏み切る決め手となったことは何ですか?
決め手は、「全く違う分野を経験してみたい」という好奇心が一番大きかったです。周囲からは再受験は勇気がいることと捉えられることが多かったですが、個人的には新しいことにチャレンジできるというわくわく感しかありませんでした。また、小さいころから両親は私が医師になることを望んでいたので親孝行という意味も含めて医学部受験を決意しました。
ー医師として最初は病理学講座に進んだとのことですが、先生が病理への道に進んだきっかけをお教えください。
医学生時代は、比較的勉強には困りませんでした。ですが、唯一病理学だけは理解できませんでした。ここでも「分からないことを知りたい!」という好奇心が働いて病理学に興味を持ちました。病理医は顕微鏡を通して患者様の細胞を観察し、病気を診断します。患者様と直接接することはありませんが、縁の下の力持ちとして活躍されている先生方を見てかっこいいと思ったことも病理を選んだ理由です。
ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在の美容皮膚科に転科するに当たって、どのように決断しましたか?
病理学はとても奥が深く、知的好奇心が強い私にとっては本当に楽しい学問でした。病理医は顕微鏡での仕事だけではなく死体解剖も担当します。ご高齢者のご遺体だけではなく、乳幼児のご遺体も担当しました。その経験を通して、「いかに長生きするかということよりも、いかに質高く幸せに生きるかが重要だ」と感じるようになりました。医師として、患者様の人生をより豊かに幸せにすることができる領域は何かと考えた時に美容皮膚科に出会い転科を決めました。
ー現在の働き方に変わってから感じていることはありますか?
病理医時代は主に細胞相手の仕事だったので、自分のペースで仕事ができました。
ですが、美容皮膚科では接客術が求められ、お客様の満足度を考えることが最重要という点が最も違う点です。例えば、カウンセリングをお待たせしないようにお仕事全体の時間配分を考えたり、言葉遣いにも気を配ります。時には疲れることもありますが、施術に満足いただけると、「ありがとう。また先生に施術してもらいたい!」とお褒めの言葉がいただけることも美容皮膚科ならではだと思います。
ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?
現在の勤務を続けたいです。美容の分野は日々新しい治療法が生まれています。自分を実験台にしてより治療の理解を深めて、より多くの皆さんのお肌のお悩みを解決したいです。また、人生100年時代ですので、今より更に美容に関心のあるご高齢の方が増えると思います。各年代特有の美容のお悩みがあるので、こちらも勉強したいです。
ーnao先生は、現在どのようなスケジュールで生活していますか?
nao先生のタイムスケジュール
-
AM8:00
起床、朝食
-
AM9:00
出勤
-
AM10:00
勤務開始
-
PM19:00
勤務終了
-
PM20:00
帰宅・夕食
-
PM21:00
お風呂、TV、SNS
-
PM24:00
就寝
ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点はありますか?
施術の技術向上はもちろんですが、短いカウンセリング時間で、いかにお客様のニーズを的確に把握して、信頼関係を築くかということにも集中してます。例えば、「鼻を高くしたい」というご希望のあるお客様。お一人ずつ理想像は違うので、どの部分をどの程度変化させるとお客様の理想に近づくのかをお話しをしながら計画します。お客様に満足していただいて初めて、自分のキャリアアップに繋がるので今後も頑張りたいです。
ー仕事とプライベートの両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何でしょうか?
病理も美容皮膚科も残業は少ない分野ですが、知人の臨床医をみていると時間外勤務は当たり前、当直もしながら無給医として働いています。仕事に追われて趣味の時間が持てないと聞きます。心と体を休めるための時間を確保するためにも、人手と仕事の効率化が必要だと思います。産休中のママさんドクターが復帰しやすいような環境つくりも大切だと思います。
ーキャリアチェンジする前の自分にアドバイスをするなら、どのようなアドバイスをしたいですか?
一つの分野に縛られることなく、いろいろチャレンジすることが大切だと思います。外大生と病理医は関係ないように思われますが、病理医は文献をたくさん読みます。英語ができると海外の文献もストレスなく読むことができます。どんな経験でも必ず後に役立つので、環境に縛られることなく興味が赴くままに行動することが自身の幸せにもつながります。
ーこれを読んでいる医療職の皆さまにひとことをお願いします!
医療者は日々の仕事に多忙を極めてらっしゃる方が多いかと思います。ですが医療者も一人の人間なので、患者様の幸せはもちろん、
時にはご自身の幸せも考えてあげてください。私はいろいろ寄り道をして失敗もしながら今に至ります。過去に周りの方々にご迷惑をかけたこともありますが、後に私が成功して幸せになることが恩返しだと思って日々取り組んでいます。何か思うことがあれば、思いっきり行動すると意外と上手くいくものです。医療者みなさんの幸せを願っています!
ーnao先生、今回は貴重なご経験をご共有いただき誠にありがとうございました。
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