#40 デイサービスと訪問リハビリテーションのダブルワークと育児をこなす作業療法士のキャリア。
2020.05.14 09:00
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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。
40回目は、作業療法士としてお仕事をしているちゃいのママさんです。
キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
ちゃいのママ
作業療法士。4年制専門学校を卒業し作業療法士取得。卒業後は、回復期リハビリテーション病院、急性期病院に勤務。卒後4年目で結婚。結婚を期に地域医療に携わるためデイサービスと訪問リハビリテーションをダブルワークにてパートで勤務。子供出産を期にデイサービスのみパートで勤務し、現在は8年目。趣味は山登り、旅行。
ーまずはちゃいのママさんが作業療法士を目指したきっかけをお教えください。
幼少期より、体が弱かったこともあり病院によくお世話になっていたことから、漠然と病院で働きたいという気持ちがありました。高校生のときに職業を選ぶ時期には、家庭を持ったときに家族の時間を大事にしたいという気持ちが大きく、夜勤がなく定時で帰れる医療系の職業ということでリハビリ職を考えました。理学療法、作業療法、言語療法とある中、私は手先が不器用だったので不器用な人の気持がわかるかもしれないと思い、作業療法士という職業に興味を持ちました。体を鍛えるのみでなく、患者さんの生活に密着したリハビリをしてみたいという気持ちもありました。
ーちゃいのママさんは、現在は、どのようにお仕事されていますか?
現在は、幼稚園に通う子供がいるため、その時間内のパート時間で勤務させて頂いております。子供が出来るまでは、デイサービスと訪問リハビリテーションをダブルワークしていましたが、今は時間的に掛け持ちは難しく、時間に融通がききやすいデイサービスでのみ勤務しております。
ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
専門学校在学時、どの分野に進むかを考えたときに、一番興味があった分野は地域リハビリテーションでした。「人が病院ではなく在宅で健やかに暮らし続けることができる」そのサポートをしたいと思っていました。ただ、すぐに地域の分野で働いても何もわからない新人作業療法士は即戦力にならないのではないかとも思いました。そのため、最初は回復期や急性期で修行(勉強)させて頂き、学んだことを将来の地域リハビリテーションに活かしたいと考えていました。実際には、回復期と急性期で4年程働かせて頂き、現在はその知識と経験を活かして地域リハのデイサービスで働いています。訪問リハビリは一人ひとりとじっくり関わることができ、とてもやりがいがありますが、子育てとの両立が難しく現在は退職させていただきました。
ー現在は、育児中とのことですが、どのようにお仕事を両立されていらっしゃいますか?
平日は子供が幼稚園に通っている間の3時間程度、休日は夫が休みの日に4時間程度働いております。どちらかといえば、現在は、家族と過ごす時間を持ちたいと思い、仕事よりは家庭の方に重きを置いて働いています。
ー育児との両立に関して、現在の働き方ならではのエピソードや感じていることがあれば、お教えください。
子供が幼稚園に行っている間に勤務していますが、子供が体調を崩したりすると、仕事に行けなかったり、早退したりと同僚に迷惑をかけてしまうことが多々あります。春休み、夏休み、冬休みは、預かり保育もありますが、平日勤務をどうしても減らさざるを得なくってしまいます。ただ、職場は子持ちの方が多いため、休みの都合はつきやすいことが助かっています。同僚の協力がなければ、勤務は難しいと思います。幼稚園は基本2時半帰りなので、仕事が終わって昼食をとるとすぐに迎えの時間がくるため、ほぼ自分の時間が持てません。自分の時間も欲しいので、寝かしつけは夫にお願いしています。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
作業療法士 ちゃいのママさんのタイムスケジュール
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-
AM 7:30
起床・朝食
身支度
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AM8:45
通勤・通学
-
AM9:30
勤務
基本は3時間。まれに会議があり午後勤務あり。
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PM12:30
退勤
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PM14:30
幼稚園お迎え
園庭で遊ぶ、おやつ
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PM18:30
夕飯
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PM20:30
入浴
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PM21:30
子供就寝
以降自由時間
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PM23:00
就寝
-
ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は?
子供がまだ幼く、子供中心の生活となるため、職場には勤務時間や内容等ご迷惑をかけていると思います。この勤務体制を継続していくためには、同僚の理解と協力が不可欠です。現在の職場はシフト制のため、他の同僚が突然勤務できなくなった等の非常時は、出来るだけ、代わりに働く等お互いに協力体制を築くことが出来るよう、心がけています。また、正社員の同僚に大きな負担がかかりすぎないよう、雑務等もなるべくこなすようにしています。
信頼関係を築くことで働きやすい職場となり、働くことに関してのストレスが減ります。
職場でのストレスは家庭にも影響を与えてしまうので、楽しく働けるように心がけています。
ーちゃいのママさんは、ケアマネージャーや福祉樹環境コーディネーター、登録販売者の資格も取得しているとのことですが、資格取得しようと思ったきっかけと道のりをお教え下さい。
地域リハビリテーションに関わっていくにあたって、急性期や回復期を経由したことと同じ理由になります。しっかりとした多面的な知識と経験を身につけることで、患者様に専門的なアプローチを行うことができ、健康寿命を伸ばすこと、在宅生活を送り続けることに繋がると思ったからです。
福祉住環境コーディネーターは学生のときに取得しましたが、ケアマネは結婚後、登録販売者は出産後に取得しました。福祉住環境コーディネーターは在宅生活を評価する上で欠かせない資格です。
ケアマネは、デイサービスや訪問リハで関わることが多く、ケアマネの仕事を勉強し、知ることで考え方が分かり、ケアマネとコミュニケーションとりやすくなるのではないかと考え、取得しました。
登録販売者に関しては、高齢者はほぼ薬を飲んでいらっしゃり、体調不良を訴えられることも多く、薬学面でアドバイスが少しでも出来ればと思い、取得しました。出産後に取得した登録販売者は、やはり時間確保が一番難しく、夫の協力も不可欠でした。
私は、上記以外にも心理学検定1級もとっていますが、言えることは勉強したことは決して無駄にはならないです。知識を持っていることは、同僚、患者様、ケアマネ、ご家族様等と関わっていく上で関係性作りにとても役に立ちます。
リハビリ職といっても、聞かれることはリハビリ関係のみではありません。便秘の相談もされますし、介護保険のことも聞かれます。リハビリ拒否をする人をどのように声掛けして思うように動いて頂くかの心理作戦も必要です。リハビリに携わる者として、何か相談を受けたときに答えれるかどうかはとても大切です。そういったことの積み重ねで関係性が成り立っていきます。
ー今の医療業界の課題は感じていますか?今後の医療業界の動きに期待することをお教えください。
日本は高齢社会になりつつあります。病院や施設はすぐにいっぱいになってしまうでしょう。将来は、在宅生活したいと希望している人が在宅で生活し続けることが出来るよう、在宅サービスの充実を図ってほしいと思います。そのためには、多くの人(看護、介護、リハビリ)の力が必要です。介護士の給料アップはもちろん、結婚・出産・育児で長時間働くことが出来ない人が、働きやすくかつ、仕事を続けやすい職場が増える社会になって欲しいと願っています。
ー最後に、読者の医療職の方に一言お願いいたします。
私の周囲に、結婚・出産・育児で本職を10年以上離れてしまって働く自信がなくなったという方がいます。そういった方がいらっしゃったら、大丈夫!と伝えたいです。専門職は勉強してきた土台があります。10年経っても絶対に本職に戻ることができます!上記のように言っていた人も、いざ戻るとすぐに職場に慣れています。自信を持ってください!
ーちゃいのママさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
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