大変って本当?助産師の仕事内容と資格取得方法と要件・給与・働き方
2019.07.19 15:15
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少子高齢化の現在は、出生率は2018年の時点で7.4%、年々減少傾向となっています。
しかしながら、助産師という仕事はかなりの需要があり、助産師を求めている医療機関や助産院が多い現状です。特に近年では妊娠中のケアや分娩以外にも助産師の活躍の場が広がっており、ますます助産師の需要が高くなっています。
助産師はどんな仕事をしているのか、資格取得するにはどうすればいいのか、ここでは助産師になるためのノウハウについてご紹介します。
助産師とは?
助産師とは厚生労働大臣の免許を受けて、助産又は妊婦、じょく婦若しくは新生児の保健指導を行うことを業とする女子のことをいいます。
正常な分娩であれば医師の診断を必要としないという特徴もあり、自身の判断で分娩の介助に入ることも可能です。助産師と聞くと赤ちゃんとお母さんだけが対象と考える方も多いかもしれませんが、その対象は多岐にわたり、新生児だけでなく0~3歳までの乳幼児、性への興味が出てくる中高生、閉経などによってがんなど女性器へのトラブルが起こる可能性の高くなる中高年に至るまで多岐にわたります。
助産師の仕事内容・平均給与
助産師の仕事内容
2005年に採択された定義によると助産師の仕事内容は以下のようになります。
助産師の仕事内容・女性の妊娠、出産、産褥の各期を通じて、サポート、ケア及び助言を行い、助産師の責任において出産を円滑に進める
・新生児及び乳児のケアを提供するために、女性とパートナーシップを持って活動する
・予防的対応、正常出産をより生理的な状態として推進すること、促すこと
・母子の合併症の発見、医療あるいはその他の適切な支援を利用すること
・救急処置の実施
上記のような仕事内容を助産師の仕事として知っているという方が多いかと思います。
しかし、助産師は、女性のためだけではなく、家族及び地域に対しても健康に関する相談と教育に重要な役割をもっています。この業務は、産前教育、親になる準備、さらに、女性の健康、性と生殖に関する健康、育児におよぶとしています。
具体的には、乳幼児の成長発達のケア、小中高生などへの性教育、中高年の性機能低下に関する問題、女性に対する暴力などへのケア、不妊の問題などの解決も助産師の仕事となります。
助産師の平均給与
助産師の平均給料は、働く場によって異なります。
夜勤をしていれば病院でおおよそ25万円前後、年齢と経験が上がるにつれて加算されていき、30歳前後で30万円に届くかどうかといったところでしょう。これに分娩の加算が入るところもあります。また、母子保健センターや区役所などでは公務員の扱いとなるためその市町村に準じた給与となり、資格手当が付与されます。
もし自身で助産院を開設した場合においては年収が1000万円前後となる可能性もあります。
助産師になるための要件
助産師になるためには国家試験に合格し、助産師資格を取得しなければなりません。
助産師の国家試験を受ける条件は看護師国家試験に合格した者、保健師助産師看護師法第21条各号のいずれかに該当する者または同法第53条第1項に規定する者であって、かつ、次のいずれかに該当するものとしています。
(1) | 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣の指定した学校(以下「指定学校」という。)において6か月以上助産に関する学科を修めた者 |
(2) | 文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、厚生労働大臣の指定した助産師養成所(以下「指定養成所」という。)を卒業した者。 |
(3) | 外国の看護師学校を卒業し、又は外国において看護師免許を得た者であって、厚生労働大臣が(1)又は(2)に揚げる者と同等以上の知識及び技能を有すると認めた者
つまりは、看護師の国家試験に合格して看護師の資格を持っている方、看護師の国家試験を受けるための受験資格がある方で、かつ女性が助産師の国家試験を受けることができます。 |
助産師になる方法・期間・費用
看護師国家資格の受験資格が必須
助産師になるためには前述したようにまず看護師国家試験の受験資格を取得することから始まります。
看護師国家試験の受験資格がない方においては大学もしくは3年生の短大・専門学校において必要な単位を取得し、看護師国家試験の受験資格を得ます。
大学の看護学科に在学中か、もしくは看護師免許を既に持っている場合の大きく分けて以下の2パターンの方法があります。
①助産課程のある大学看護学科卒業時に看護師・助産師両方の資格を取得する方法
②看護師免許取得後に、大学(助産学専攻科・助産課程・大学別科)・助産課程のある大学院・3年制短期大学・助産専門学校の看護師養成課程で修了後取得する方法
助産師養成機関の修了と卒業で助産師受験資格を得る
②の場合は、看護師免許取得の後、1~2年間助産師養成機関で学び、修了、卒業することで助産師国家試験の受験資格を得ます。
ちなみにこの1年と2年の養成機関に通う年数の違いですが、1年のところは一般的な専門学校同様に平日週5日間毎日通い、助産師としての勉強をしていきます。一方、2年のところは週当たりの通学する日数が少なく週2~3日程度のところが多いようです。ですが、臨地実習期間中は1年のところと同様に毎日通わなければなりません。学校にもよりますが実習期間はおよそ17週間。ですが、この期間に10例の分娩介助をすることが条件となるため10例に満たない場合は実習期間延長ということもあります。
これらのことから助産師になるための期間は看護師資格を所持しているあるいは看護師国家試験の受験資格がある方で1~2年、看護師国家試験の受験資格がない方で4~6年ほどかかります。土の養成校に通うかはご自身の生活スタイルや資格取得までの期間などを考慮して選ぶとよいでしょう、例えば、学校に通う時間などが確保されている方においては1年生でしっかりと学ぶとよいでしょうし、仕事など並行してやることがある方は2年生を選ぶとよいでしょう。
助産師養成機関の種類
助産師養成機関には大きく分けて以下の4種類があります。
助産師養成機関の種類
①助産専門学校
②大学院(助産課程・助産専門職大学院)
③大学(助産学専攻科・助産課程(選抜試験の合格と単位取得)・大学別科)
④短期大学(助産学専攻科)
助産師になるまでにかかる費用
助産師になるまでにかかる費用ですがこれは学校によってさまざまです。それぞれの学校の相場を授業料、教材費を含めて見てみますとまず、1年生の国公立の大学で130万円前後、1年生の国公立の専門学校で80万円前後となります。国公立は基本的に1年制の助産師養成校が多いです。私立ですと、費用の差が幅広いのですがおおよそ100~150万円前後かかります。
予算を抑えたいという方は断然国公立の専門学校がおすすめですが、費用が安いという点からも競争率が非常に激しいというところも特徴です。
助産師が活躍できる職場・働き方
助産師の就業場所を見ると約7割が病院、約2割が診療所となっています。ちなみに分娩件数は病院と診療所では大差がないためどちらで働いても同じくらいの分娩の業務を行うことができます。
そのほかにも市町村保健センター、自宅、教育、研究機関、行政機関、母子福祉施設、その他の助産業務を必要とするサービスの場で業務を行うことができます。
例えば、区役所で働いて産後の赤ちゃん訪問を行う、1か月検診など検診を担当して赤ちゃんの成長発達を調べる、助産師として近隣の学校などに教育をしに行く、助産師学校の教員になる、地域の支援センターで母子相談業務に携わるなどです。近年は特に不妊治療や産後ケアの分野での需要が高いので、この分野にかかわるところでの需要は高いでしょう。
また、ある程度経験を積んで自分自身で助産院を開業するという選択肢もあります。
助産院の開業の要件
公益社団法人日本助産師会 の「分娩を取り扱う助産所の開業基準」(PDF)によって規定されています。大まかな内容は以下の通りで、そのほかにも必要な資質などが規定されています。
経験年数5年以上分娩件数200件
妊婦健康診査200例
新生児健診200例
家庭訪問30例
母乳相談200例
産後4週までの健康診査200例
“さらに、助産所での研修及び助産所勤務または、院内助産での勤務経験も推奨する。”との内容になっています。
助産師のやりがい
助産師のやりがいは、やはり生命の誕生に携われるところではないでしょうか。
お母さんよりも先に赤ちゃんに触れるということはなかなかできない経験です。
医療機関の中で唯一おめでとうといえるのも助産師の仕事ならではの魅力です。他にも、母子の成長を間近で見られるのもやりがいの1つ。病院などで分娩にかかわっていなくても自宅訪問をした赤ちゃんが1か月後6か月後、1年後と健診のたびに成長を確認できるのもやりがいがあるでしょう。
最後に
資格取得までに時間も費用も掛かりますが、その分やりがいも感じられる助産師というお仕事。働く場も多数ある事もポイントです。養成校もライフスタイルに合わせて選択できますので今の生活を維持しながら学校に通うこともできます。赤ちゃんが好き、生命の誕生にかかわってみたいという方は、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
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