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【医療の職業図鑑】歯科衛生士

2020.06.16 12:52





 

 

 

皆さんは『歯科衛生士』がどのようなお仕事かご存知ですか?

最近ではドラマや映画でも歯科衛生士が登場することもあり、以前に比べ一般の方の認知度も高くなってきています。

歯科医療従事者の中では歯科衛生士の役割は知られていますが、一般的には未だに歯科衛生士と歯科助手の違いなど、知らない方も多いのではないでしょうか。

 

今回は歯科衛生士の資格、仕事内容、給料、活躍できる職場まで解説します。

 

 

歯科衛生士とは?

 

歯科衛生士とは厚生労働大臣の免許を受け歯科衛生士法に基づく資格を定め歯科疾患の予防および、口腔衛生の向上を図ることを目的としています。

 

主に歯科医師の指導のもと歯周病に関連する治療(歯牙露出面や正常な歯茎の遊離縁下の付着物及び沈着物を機械的操作によって除去すること)や虫歯予防(歯牙及び口腔に対して薬物を塗布すること)を行います。

 

また、歯科診療時のアシスタント業務(歯科診療の補助)や歯科衛生士の名前を用いて口腔衛生指導など(歯科保健指導)を行います。

 

全国でおよそ132,635人の歯科衛生士が活躍しています。(H30年  平成30年衛生行政報告例〔就業医療関係者〕の概況  /2 就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所 より)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/kekka2.pdf

 

 

歯科衛生士を英語でいうと?略称は?

歯科衛生士(DH)Dental Hygienist DHと略称されます。

 

 

 

歯科衛生士の仕事内容

 

歯科衛生士の約90.5%は診療所に勤務しています。そして、その他9.5%の中でも病院勤務など診療に関わる歯科衛生士がほとんどです。*1

 

仕事内容は主に3つあり、①歯科予防処置 ②歯科診療の補助 ③歯科保健指導です。

 

①歯科予防処置とは、虫歯や歯周病などを予防するためのものです。口腔内クリーニングやスケーリング(歯石除去)、フッ素塗布などを行います。

 

②歯科診療の補助とは、歯科医師の診療補助を行います。

治療時の口腔内に溜まる水や唾液の吸引や、治療で使用する器具の準備や片付け、消毒・滅菌なども行います。

患者さんとのコミュニケーションをはかり、治療を円滑に進めるためのアシストを行います。

 

診療補助業務は『歯科助手(歯科アシスタント)』が主に活躍している歯科医院も多くあります。

しかし、歯科助手には国が定める資格はないため、患者さんの口腔内に直接触れることは許されておらず、治療のアシスタントにも制限があるのが現状です。

そのため、歯科衛生士に比べ業務の範囲が狭く受付業務や雑務が多くなる傾向にあります。

 

歯科保健指導とは、それぞれのライフステージに合わせて、歯や口腔の健康を保持・増進するための歯の磨き方のアドバイスを行います。また、虫歯予防には食事も大きく関係するため、食事指導(特に糖分の摂取の仕方)などを行う場合もあります。

 

歯科医師と歯科衛生士の業務範囲は、以下などに記載されています。

歯科衛生士業務ガイドライン – 日本ヘルスケア歯科学会

http://healthcare.gr.jp/resource/journal/2014/aj14_DHrev.pdf

 

 

 

歯科衛生士の平均年収・給与

 

歯科衛生士の平均年収は、地域や、勤務先や経験・求められるスキルによって大きく変動します。

 

歯科衛生士の平均年収は約3,3870,700円であり、月給に換算すると244,900円ボーナスが441,900円です。

短時間労働者(時短社員)年収2,529,700万円月給に換算すると185,700円ボーナスが301,300円です。アルバイトやパートや派遣社員平均時給は1,644円です。*2

 

「賃金構造基本統計調査」民間の歯科医院で働いている歯科衛生士のみが対象となっており、民間以外の国立や市町村立の病院内や救急センター、保健所、企業等で働いている歯科衛生士は対象外となっているため、一概にこの数字が正しいとは限りませんが、歯科衛生士として働く場合、大半の人が民間の歯科医院で勤務経験を積むことになるため参考になる数字です。

 

しかし、勤務先の条件によりこの数字はかなり変動し、実際の求人票の記載も20〜30万円など記載の幅が大きいところが多いです。また、キャリア職ということもあり自身のスキルが活かせる環境であれば、比較的給料が上がりやすい傾向にありますが、長年勤めている限り給料が上がり続けるかというと、途中で頭打ちがくることがほとんどです。

 

一般的な歯科医院に比べ、病院勤務や役場などの行政関係は給料での差はさほどありませんが、福利厚生面で違いが大きく、安定を求める歯科衛生士には希望者が多いのが現状です。しかし、求人数が少ないため一般歯科医院に務める歯科衛生士が大多数を占めることに代わりはありません。

 

一般歯科医院の中でも、矯正歯科クリニックやホワイトニングやインプラント、自費補綴物などの自費診療をメインで行なっている医院は、給与面でも反映されていることが多いです。しかし、場合によっては歩合制(成約の何%が支給される)で給料が決まる場合もあるので、よく確認する必要があります。

 

 

 

歯科衛生士になるための要件

 

歯科衛生士とは、歯科衛生士法に基づいて与えられる国家資格です。

歯科衛生士になるには、専門学校や大学に入学し、規定のカリキュラムを受講し卒業した上で国家試験に合格する必要があります。

過去5年間の国家試験の合格率の平均は95.1%であり、高い合格率を推移しています。*3

 

 

受験者数

合格者数

合格率

令和2年(第29回)

7,216

6,808

94.3%

平成31年(第28回)

7,207

6,934

96.2%

平成30年(第27回)

7,374

7,087

96.1%

平成29年(第26回)

7,218

6,737

93.3%

平成28年(第25回)

7,233

6,944

96.0%

 

表 *3より作成

 

歯科衛生士になるには?方法・期間・費用

 

国家資格である歯科衛生士の受験資格は、歯科衛生士養成学校で3年以上の修業期間を満了することが必須とされています。*4

その選択肢として、大学・短期大学、専門学校・夜間専門学校があり、その違いと特徴を紹介します。

 

学費に関しては大学・専門学校での違いではなく、学校の運営母体の影響を大きく受けます。

例えば国立大学や短期大学付属の衛生士専門学校、県立の歯科衛生士専門学校、看護師や理学療法士などの医療系資格を取得するための私立の医療専門学校などがあります。

 

費用は国立や県立では年額100〜150万円程度の学校もありますが、私立であると300〜350万円が相場となっています。

 

学校の立地や、カリキュラムの違い、校内イベント、就職支援や国家試験対策サポートなど違いがありますので、自身にあった学校を見つけるために色々な学校のホームページの比較やパンフレットの請求を行なってみることをおすすめします。

 

専門学校、大学ともに入学条件として高校卒業が必要です。そのため、最短で21歳(大学卒であれば22歳)から歯科衛生士として勤務することが可能になります。

 

また、一度社会人経験のある方や一般大学卒業後に歯科衛生士の資格取得を検討する方も多くいます。歯科助手をしながら学校に通うなど、夜間の専門学校の多くは社会人経験のある方が在籍する傾向にあります。

 

専門学校卒と大学卒では就業の差は大きくないとされていますが、実際に企業求人の中には大学卒を優遇する場合もあります。歯科関連の基礎知識や専門知識だけでなく、ビジネスパーソンとしての能力が求められる傾向にあるため、クリニックでの勤務よりも少しハードルが高くなるようです。

 

 

 

歯科衛生士が活躍できる働き方・職場

 

歯科衛生士の働き方

歯科衛生士の活躍の場の多くは、歯科クリニックに在籍し診療を行うケースです。

 

しかし、歯周病治療やホワイトニング、経営や予防治療など何かに特化した歯科衛生士が講師業を担うフリーランスとして活躍の場を広げています。その場合、一つのクリニックに在籍し雇用契約を行うのではなく、業務委託契約を結ぶことが一般的です。

 

歯科衛生士は臨床に出てから技術・知識・コミュニケーション能力などを実践で学ぶことが多いです。その実践をより有意義かつ円滑に進めていく教育者としてフリーランス衛生士が活躍しています。また、学会や企業の運営するセミナーでの講師活動や、執筆も行なっているようです。

 

 

 

また企業で働く歯科衛生士は全体の0.2% *1 と言われていますが、営業や商品開発、企業のセミナーでの講師業などを行なっています。

 

患者さんに直接関わることはできませんが、歯科関係の医療従事者に商品を通して影響を与えることができるため、より広い範囲の患者さんに間接的に影響を与えることができます。

 

メディカルライターとして歯科衛生士もウェブライターの一員として活躍している人もいます。主に歯科関連のホームページを運営する企業からの依頼を請け負う、個人の医院のホームページの記事の作成、歯科関連の商品モニターや商品レビュー記事の作成などを行います。

ウェブライターには特別な資格は不要なため、歯科に関する知識を活かし活躍する場として今後需要が増えていくのではないでしょうか。

 

 

歯科衛生士が活躍する職場

 

職場は主に歯科クリニックですが、その他病院や大学病院、行政や歯科関連の企業などでも活躍する歯科衛生士がいます。診療に携わることが多いですが、行政関係では歯科検診や母親指導などの保健活動を行う場合や、企業では商品の企画や研究、営業活動なども行う場合があります。

 

 

歯科衛生士のやりがい

 

歯科衛生士は生涯活躍することができる、国家資格を有する職業です。

歯周病やう蝕をはじめ、口腔環境は全身の健康にも大きく影響を与えるため今後も需要の高い職業と言えます。

 

現在コンビニより多いと言われている歯科医院の中で、自身のキャリアを活かし活躍の場を増やしていくことも可能ですし、今後予防の概念が定着していく中で歯科衛生士として活躍することは社会貢献に繋がり、自分自身もやりがいを感じることができます。

 

専門性の高い仕事のため、一度現場を離れても再復帰することが可能ですし、自身の家族や子育てを経験する中でも役に立つ知識も多くあります。

 

健康は人の一生の中でも大きなテーマとなるものの一つです。人の全ての始まりは口を介して呼吸をし、咀嚼して食事をし、会話をしてコミュニケーションを図ります。生きていく上で全ての始まりといっても良い『口』に携わることができる仕事は歯科医療に他ありません。

健康になってもなお、その方の生活の一部として長くお付き合いできるということは歯科衛生士の一番のやりがいではないでしょうか。

 

 

【参考】

 

*1(H30年  平成30年衛生行政報告例〔就業医療関係者〕の概況  /2 就業歯科衛生士・歯科技工士及び歯科技工所)

https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei/18/dl/kekka2.pdf

 

*2  賃金構造基本統計調査の職種別賃金額

https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10701000-Daijinkanboutoukeijouhoubu-Kikakuka/shiryo2-9.pdf

 

*3厚生労働省 第32回社会福祉士国家試験合格発表

https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10128.html

 

第29回 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2020/siken19/about.html

第28回 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2019/siken19/about.html

第27回 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist//siken19/about.html

第26回 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2017/siken19/about.html

第25回 https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2016/siken19/about.html

 

*4 公益社団法人歯科衛生士会『歯科衛生士になるには』

https://www.jdha.or.jp/training/

 

ライター  すえさん 歯科衛生士

 

 

 

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