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【医療の職業図鑑】医師事務作業補助者とは?仕事内容と資格試験、32時間研修

2020.06.15 14:29





 

 

皆さんは、『医師事務作業補助者』という職業をご存知ですか?

医療現場で働く皆さんは『クラーク』といえば馴染みが有ると思います。

 

Dspace Plus の医療の職業図鑑では、同じ医療業界にいるけれども、意外と知らない他の職業について理解を深め、視野を広げるために様々な医療職の紹介をします。

 

今回は、『医師事務作業補助者』について解説します。ぜひご一読ください。

 

 

 

医師事務作業補助者とは?

 

  NPO法人 日本医師事務作業補助研究会 によると、 医師事務作業補助者とは、医師が行う業務のうち事務的な業務をサポートする職種とされています。*1

 その呼称は病院によって様々であり、医療秘書、ドクターズクラーク、医療クラーク、病棟クラーク、メディカルアシスタント(MA)、メディカルクラークなどと呼ばれています。

 

 2008(平成20)年度、診療報酬改定で医師事務作業補助体制加算が創設されました。この医師事務作業補助体制加算で規定している業務を行うのが、医師事務作業補助者です。医師事務作業補助者を導入することの効果は病院においても認識されており、診療報酬改定のたびに同加算が拡充しています。

 

 

医師事務作業補助者の仕事内容

 

全国医療福祉教育協会によると、 “医師事務作業補助者の使命は、医師が行う業務のうち事務的業務を支援することにより、医師が診療業務に専念できる業務環境を確保し、もって医療の質向上と病院運営の全体最適に資することである”*2 とされています。

 

 日本では、人口あたり及び病床あたりの医師数が少なく、その中で質の高い診療を維持するためには、医師が診療業務に専念できる環境づくりが必要です。医師が、対患者業務の時間を確保できるように、それ以外の間接的業務を代替するとともに、診療そのものを効率化できるように支援します。

 

 業務内容については、診療報酬の施設基準によって定められています。もっとも基本的な業務には診断書や診療情報提供書など「診断書などの文書作成補助」があります。次に、電子カルテなど「診療記録への代行入力」があり、これは医師の外来診察などに同席して行います。

 

「医療の質の向上に資する事務作業」としては、診療に関するデータ整理、医師等の教育や研修・カンファレンスの準備、院内がん登録等の統計・調査、外科手術の症例登録など手広く行います。

 

「行政上の業務」も業務のひとつであり、これには厚生労働省などに報告する診療データの整理、救急医療情報システムへの入力、感染症サーベイランス事業に係る入力などが含まれます。

 

 このように医師事務作業補助者の業務は多岐にわたるため、実際の業務は病院ごとの実情によって特色あるものとなっています。

 

 

医師事務作業補助者の平均年収・給料

 

 平成20年度の厚生労働省による病院勤務医の負担軽減の実態調査報告書によると、施設数148件において、1施設あたりの平均医師事務作業補助者数(非常勤)が2.6人、なお、1人あたりの給与額は14.5万円です。常勤(正社員)であれば、平均月収は15~18万円が相場となります。

 

 給与に加えて、病院によっては各種手当を支給していたり、経験年数によって給与を優遇したりしている場合もあります。医師事務作業補助者の給与は、雇用形態や経験年数によって変わってきます。

 

 

医師事務作業補助者になるための要件

 

医師事務作業補助者になるために、必要な免許や経験などは特にありません

しかし、医師事務作業補助者として働くための条件のひとつとして、入職前後を問わず、厚生労働省が定める32時間以上の研修を受講することが必要です。

 

 医師事務作業補助者には、さまざまな種類の資格がありますが、すべて国家資格ではなく、民間資格です。

 

資格を持たず働いている人もいますし、働き出して資格を取得する人もいます。資格があると、採用につながったり給与の優遇を受けたりするケースもあるため、採用前に独学や通信講座などで勉強して資格を取得する人もいます。試験によってはノート、参考書、電卓の持ち込みが可能なものもあります。

以下に民間の資格をご紹介します。

 

 

「医師事務作業補助者実務能力認定試験」

 NPO法人全国医療福祉教育協会主催の試験で “医師事務作業補助者に必要な、関連法規、医学知識、個人情報保護法、医療用語、文書作成、電子カルテ等に関する知識、および文書作成能力を客観的に判断するもの”*2であり、合格率は60~80%です。2011年に開始された新しい資格で受験者は年々増加しています。

 

「医師事務作業補助者検定試験(ドクターズオフィスワークアシスト)」

JSMA(技能認定振興協会)主催の “医師事務作業補助者としての知識とスキルを評価・証明する検定試験”*3で合格率は60%程度です。

 

 

「医師事務作業補助技能認定試験(ドクターズクラーク)」

一般財団法人日本医療教育財団・公益社団法人全日本病院協会主催の試験で “医師事務作業 補助業務に従事する者の有する知識及び技能の程度を評価・認定することにより、医師事務作業補助職の職業能力の向上と社会的経済的地位の向上に資することを目的”*4としています。出願者が最も多い資格です。合格率は60%程度です。

 

「医療秘書技能検定試験」

一般社団法人医療秘書教育全国協議会が主催の “医療秘書としての専門知識と技能を認定するもの” *5 で1級、準1級、2級、3級に分かれています。準1級以上に合格すると医師事務作業補助技能認定の条件を満たすことができます。準1級の合格率は30~40%です。

 

 

 

医師事務作業補助者になる方法・厚労省32時間研修の期間・費用

 

 医師事務作業補助者になるために必要な厚生労働省が定める32時間研修は、就業前でも通学や通信講座にて受講可能です。

 

通信講座の場合は、32時間以上の基礎研修に該当するか否かについて、医療機関が届出を行う地方厚生局により異なるため、勤務する医療機関や地方厚生局への問い合わせが必要です。通学は6日間程度の学習が必要となり費用は8万円前後となります。

 

通信講座は2~3ヶ月の学習期間が必要となり費用は6万円前後です。受講の有効期限は1年間のものが多いです。 

 

採用される病院によっては、病院が費用を負担したり、院内研修などがしっかり設けられている場合もあります。

 

 

 

医師事務作業補助者が活躍できる職場・働き方

 

クリニックや病院などの医療機関で、外から通院してきた患者さんを担当する場合は、「外来クラーク」と呼ばれ、外来患者さんにおける医療文書作成の補助やカルテの代行入力、次回の通院についての案内、急な検査の案内などの業務を行います。

 

病院に入院している患者さんに関する事務業務を専門的に行う場合は、「病棟クラーク」と呼ばれ、入院患者さんの医療文書の作成や入退院の手続きや管理、転院時の紹介状送付などの業務を行います。病棟の電話対応などを任されていることも多く、医師や看護スタッフとのやり取りも多いです。

 

 病院での医師事務作業補助者の需要は高まってきており、病院やクリニックは全国のどこにでもあるため、住む場所が変わったとしても、職種の変更を考えなくてもいいのは医師事務作業補助者のつよみです。様々な雇用形態があり、自由な働き方が可能なことも魅力のひとつでしょう。

 

パートやアルバイトで医師事務作業補助者になる場合、地域差もありますが、時給の相場は900円程度です。経験年数、能力によっては1300円程度まで支給する医療機関もあるようです。

 

 

医師事務作業補助者のやりがい 

 

病院では、医師や看護スタッフの人数が足りず、事務作業に追われ、診察や治療に全力で向かうことができないこともあります。そのような現場でこそ、医師事務作業補助者の活躍が期待されています。医療現場の最前線で働きながら、縁の下の力持ちとして頼りにされ、人の役に立っていることを強く実感できます。患者さんだけでなく医療スタッフにも感謝されるやりがいのある仕事です。

 

患者さんや医師・看護スタッフの間に入って仕事をするため、コミュニケーションスキルも高まります。社会人としてのスキルアップも期待できる職業といえます。

 

 

医療事務作業補助者向け テキスト

医師事務作業補助者合格講座 テキスト&実技問題集 Kindle版

 

 

“神戸市で行われている医師事務作業補助者講座(MA研修)で使用されているテキストと問題集です。 要点がまとまっていて、試験対策や医療従事者のMA研修に最適です。” (Amazon商品説明より引用)

 

Kindle unlimitedなら¥0で読めます。(2020年6月現在)

 

 

 

 

医師事務作業補助者 文書作成の手引き(第2版)  (日本語) 単行本(ソフトカバー)伊藤 典子(著)

 

 

 

 

“医師事務作業補助者のレベルアップに最適! 文書作成のポイントがよくわかる!
医師事務作業補助者とは、医師の文書作成業務を代行する職業です。医療機関での文書作成は膨大な量にのぼり、医師事務作業補助に関わる業務において、文書作成に関する重要性がますます高まっていくものと考えられます。”(Amazon商品説明より引用)
 
2018年に2版となっている書籍です。
 

 

 

 

 

[参考・引用]

*1  NPO法人 日本医師事務作業補助研究会 

http://ishijimu.umin.jp/isijimutoha.html

*2 全国医療福祉教育協会 医師事務作業者実務能力認定試験

http://iryou-shikaku.jp/exam/clark.php

*3  JSMA技能認定振興協会 医師事務作業補助者検定試験

https://www.ginou.co.jp/qualifications/doctors-office.htm

*4 一般財団法人日本医療教育財団 医師事務作業補助技能認定試験

http://www.jme.or.jp/exam/dc/outline.html

*5 一般社団法人 医療秘書教育全国協議会 医療秘書技能検定試験

http://www.medical-secretary.jp/iryo/

 

 

ライター RIHO   看護師9年目

 

 

 

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