#28 不妊治療と歯科医師の両立。治療の専念のために決断したライターという道。
2020.04.13 09:00
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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。
28回目の今回インタビューするのは、現在はライターとしてお仕事をしている、予防歯科を専門とした歯科医師のaya..h先生です。
キャリアについてのお考え、医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
aya..h
歯科医師。国公立大学歯学部卒業後、同大学付属病院にて卒後臨床研修修了。同大学大学院にて歯学博士取得(大学院では予防歯科を専攻)。結婚。一般歯科医院にて常勤勤務を経て、現在は妊活のため休職中。
ーまずはaya..h先生が歯科医師を目指したきっかけをお教えください。
手に職をつけるため、資格が取得できる進路に進みたいと思っていました。将来、結婚や出産などのライフイベントで仕事を離れても資格があれば仕事復帰にも有利なのではないか、歯科医師は一生活躍できる職業ではないかと考え歯科医師を目指しました。また、私の両親も医療関係の仕事をしており親の勧めもきっかけの1つでした。
ーaya..h先生は、研修終了後に大学院へ進学したとのことですが、大学院進学と、予防歯科の道、を選んだ理由をそれぞれお教え下さい。
学生時代に受けた講義や出会った先生の影響で、私は出来てしまった虫歯や歯周病を治療するのではなく、虫歯や歯周病にならないよう手助けする歯科医師になりたい、そのような社会になるために歯科医師として携わりたいと思うようになりました。そのため大学院に進学し、より深く学ぶことは私の理想の歯科医師像に近づくための将来の選択肢を増やせるのではないかと思い大学院に進学しました。
ーaya..h先生は、現在は、どのようにお仕事をされていらっしゃいますか?
歯科医師として勤務する中で不妊治療との両立が難しく、昨年退職しました。今は治療に専念したいので、在宅でできるライターなどの仕事で歯科医療に携わっていきたいと思っています。
ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
キャリアの選択は、結婚と退職のタイミングで悩みました。
大学院修了後、そのまま大学に残りたいという思いもありましたが、結婚相手が遠方で就職していたため、そちらで就職先を探しました。100%自分が納得できるような道に進むことは難しかったです。
常勤で勤務していましたが、最初は不妊治療を行いながら非常勤で勤務日数を減らし仕事を続けることも考えました。
ただ、以前勤務していた歯科医院は担当医制をとっており、私の出勤日数が減ってしまうと担当患者さんの予約が取りづらくなってしまったり、同僚の歯科医師へも負担をかけることになります。職場の歯科医師は常勤しかおらず、男性ばかりで悩みを相談できる環境もありませんでした。迷いましたが今回は不妊治療に専念できるように、一旦臨床の場から離れることにしました。
ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?
不妊治療の結果によっても変わってくると思っていますが、子供ができれば子育てと両立できる形で働けたらと思っています。そのような働き方が可能な職場があれば引き続き歯科医療に携わっていきたいです。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
歯科医師 aya..h先生 の勤務時代のタイムスケジュール
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AM 7:00
起床・朝食
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AM 8:00
通勤
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AM8:30
診療準備
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AM9:00
午前診療
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PM13:00
昼食、昼休憩
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PM14:30
ミーティング
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PM15:00
午後診療
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PM20:00
帰宅・晩御飯準備
-
PM20:30
晩御飯
-
PM21:30
入浴、自由時間
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PM24:00
就寝
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ー大学院時代は大変でしたか?現在は、キャリアを継続する上で、大変なことはありますか?
大学院時代は、研究、大学病院での診療、アルバイトなどたくさんやらなければいけない事があったのでとても大変でした。特に私は研究が思うように結果が出なかったので、アルバイトが終わった後大学に戻り実験や論文を書いたりしていた時期は日付が変わるまで大学に残っていました。勤務医では経験できない多くのことが経験できた一方、どれも中途半端になってしまったという思いもあります。
現在は、臨床の現場から離れているので自分で勉強をし続けて知識をアップデートしていく努力をしないといけないというところは難しいです。
ー現在の働き方ならではのエピソードや感じていることをお教えください。
勤務しているときは日々の診療でも学ぶことがたくさんあり、病院でも診療後や休日に定期的にセミナーが開催されていたので学べる環境があったのですが、今は自分から学ぶ姿勢がないと取り残されてしまうなと感じています。
ー現在の歯科業界・医療業界で課題に感じていることはありますか?また、今後の歯科業界・医療業界に必要なものは何だと思いますか?
男性もですが女性は特に結婚や出産などのタイミングで考え方も変わり、学生時代や独身時代に思い描いていたような働き方が難しくなることが多いと思います。歯科も他の仕事と同じで仕事を続けていくには周りの人や家族の理解が必要です。
小さな歯科医院だと女性歯科医師も少なく、同じ悩みを相談したり共有できる仲間や場所もないと感じている先生も多いのではないかと思います。今後、まだないような新しい歯科医師の働き方や様々な形の働き方ができるような環境になっていったらいいなと思います。
ー最後に一言をお願い致します。
治療が必要な状態でなくても予防のために子供の時から歯科医院に定期的に通院し健診を受けることの重要性を皆さんに伝えられるように、また予防は日常生活の中での歯磨きや食生活などの生活習慣の改善で取り組めることなどの情報を歯科医師として皆さんに伝えていけたらと思います。
ーaya..h先生、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
治療などなかなか人には相談しにくいことでキャリアの継続に悩む方も多いと思います。同じような状況の方に先生の経験談が届けばと思います。
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