#19 糖尿病療養指導士へキャリアアップ。育児・在宅ワークを両立する管理栄養士のインタビュー

#19 糖尿病療養指導士へキャリアアップ。育児・在宅ワークを両立する管理栄養士のインタビュー

2020.04.04 09:07




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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。

 

19回目の今回インタビューするのは、管理栄養士としてのキャリアを経て、糖尿病療養士の資格も取得し、現在は主婦を経て在宅ワーカーとなっているカロテンさんです。

カロテンさんの管理栄養士としてのキャリアについてのお考え、医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。

 

 

カロテン

管理栄養士。大学の栄養学部卒業後、2年間、病院の管理栄養士として厨房業務、患者様の栄養管理業務に携わり、学会の症例研究発表をしたり、「糖尿病療養指導士」、「サプリメントアドバイザー」の資格を取得。育児中。

その後、結婚を機に退職。趣味は、お菓子作りやヨガ、裁縫。

 

 

 

ーまずはカロテンさんが管理栄養士を目指したきっかけをお教えください。

 

祖母が脳血管疾患のため50代後半で寝たきり状態となり、4年後に他界しました。当時はまだとろみ剤や嚥下食、経腸栄養法はあまり普及しておらず、ほとんどが静脈栄養法でした。口から食事を摂ることができずに亡くなった祖母のことを思うと、一人でも多くの患者様が経口摂取できる様になるために力になりたいと思ったことがきっかけです。

 

 

ーカロテンさんは、糖尿病療養指導士の資格も取得されているとのことですが、現在は、どのようにお仕事されていますか?

 

入職した病院が糖尿病専門病院でした。そこで主に糖尿病の患者様の栄養指導に携わることが多かったので、糖尿病に関する資格を取得してさらに理解を深めようと思いました。

現在は結婚、出産、子育てを経て主婦となり、家族の栄養管理をしながら、日々の食事作りに活かしています。

 

 

ーカロテンさんは、キャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?

 

就職を決める際は、管理栄養士としてではなく、調理員として厨房で働くことも考えました。しかし、管理栄養士を目指したきっかけとなった祖母のことを考えると、患者様と接して、栄養管理に携わることを決断しました。管理栄養士として入職し、患者様の栄養管理をしながら給食管理業務も平行して行うことで、どのような患者様がどんな食事を食べているかを見ながら、本当にその食事がその患者様に適したものであるのかを考えることができたので、結果的には良かったと思います。

 

 

ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?

 

病院の勤務に戻るということも選択肢の一つと考えています。

しかし、育児をしながらフルタイム勤務をする場合、子供の体調不良などで職場に迷惑をかけてしまう可能性もあると感じています。当面は、フリーランスとして在宅で、私の経験を通して社会のお役に立てたらと考えております。

とろみ食やムース食などの嚥下食についても学んできました。近年、高齢化社会を迎え、疾患がある方も病院ではなく、可能な限り在宅で過ごしたいという方が多くなっています。そのため、栄養管理が必要な方のために負担が少なく、手軽に作れる方法なども発信できたらと思います。

 

 

ー現在の働き方ならではのエピソードや感じていることがあれば、それもお教えください。

 

現在は、家事、育児の空いた時間で仕事をこなしています。在宅勤務は通勤時間を省くことができる、子供を預けられる環境がないという方でも育児と平行して自分の時間を有効活用できるというメリットがあると感じています。

 



 

ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?

 

管理栄養士カロテンさんのタイムスケジュール

 

    • AM 5:30

      起床・支度

       

    • AM9:00

      在宅ワーク

       

  • PM12:00

    昼食

     子供のお世話・家事など

  • PM18:00

    夕食・子供就寝 

    片付け、在宅ワークなど

  • PM23:00

    就寝

     

 

 

ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は?

 

大変なことは資格を更新するための学会の単位取得や年々改正される医療に関わる法律等の改正についていくのが大変と感じています。工夫している点は日々、インターネット等で情報を取り入れ、日々の業務に役立てています。

 

 

ープライベートと仕事の両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何でしょうか?

 

土・日曜日に学会や研修会を行うことが多いのが現状です。インターネットなどの通信機能が普及しているため、在宅でパソコンを通じて学会や研修会等の講義を見て、資格の更新や単位取得を行うことができるというしくみが必要と考えます。そうすることにより、医療従事者が各自の業務形態や生活スタイルに合わせて、時間を使うことが可能となり、プライベートと仕事の両立が実現できるのではないかと考えます。

 

 

ー今後の医療業界の動きに期待することをお教えください。

 

 病院から老人保健施設、在宅へとスムーズに戻れる様、また病院に短期間で戻ることが少なくなる様、各施設、医療従事者が密接に連携できるような仕組みに改善していくことです。

 

 

ー最後に、これを読んでいる医療職の方に一言お願いいたします。

 

 「AI」などのロボットが普及しており、医療現場でも人手が不要となることも予想されます。それをうまく活用していくことは重要ですが、一方で、身体的にも心理的にも「人が人をケアすることの大切さ」を一人でも多くの医療職の方が心掛けて実践してくれることを期待しています。

 

 

ーカロテンさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。

 



 

 

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