#46 シングルマザーから介護の道へ。夜勤介護福祉士のキャリア。
2020.06.08 09:00
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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。
46回目は、介護福祉士としてお仕事をしている晶さんです。晶さんは、グループホームで週1回の夜勤勤務をしています。
キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
晶
介護福祉士。中学卒業後に就職、10代で結婚・出産。のちにシングルマザーとなり、介護の仕事を始める。病院や有料老人ホームで勤務しながら、介護福祉士と介護支援専門員の資格を取得。2017年に再婚し、現在は、グループホームで週一回夜勤勤務。
お酒を飲んで美味しいものを食べること、元保護犬だった愛犬と過ごす時間が日々の楽しみ。
ーまずは晶さんが介護福祉士を目指したきっかけをお教えください。
息子が生まれつきの重い心臓病で乳児の頃から入退院を繰り返していて、そのときに医師や看護師の皆さんにとてもお世話になりました。その経験から、職種は問わずに「病院で働きたい」という気持ちで求人に応募し、たまたま採用された仕事が病院の看護助手でした。
そこで働いているうちに、ずっとこの仕事を続けていきたいと思うようになり、そのためには資格を取った方がいいと考え、介護福祉士を目指しました。
ー晶さんは、現在は、どのようにお仕事されていますか?
再婚して県外から引っ越したのをきっかけに、フルタイム勤務を辞め、グループホームの夜勤専従のパートを始めました。夫は専業主婦を希望していますが、自由につかえるお小遣いぐらいは自分で稼ぎたいな、と。
夫の希望を考慮して週一回程度しか働いていないので、プライベートの時間は十分に取れています。ですが、週一回とは言え、私は睡眠時間をキチンと取らないと頑張れないタイプなので、夜勤へ行く前も帰ってからも家では仮眠していて、入りと明けの二日間はほとんど寝て過ごしてしまいます。我ながら、時間の使い方が下手だなぁと思っています笑。
ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
介護の仕事は好きでずっと続けていきたいと思ってはいましたが、やはり体力や給与の面で、一生続けていけるのかな?という不安はありました。それで、何度か待遇のいい他の事業所に転職したり、介護支援専門員の資格を取得したりしました。前職は病院のケアマネで、入退院の相談や市の委託業務なども経験させていただき、とても勉強になりました。
再婚後も当初は職場を変えてフルタイムで働くつもりでしたが、夫の希望以外にも、なかなか私の望む条件と合致する就職先が見つからなかったこともあり、現在の勤務形態になりました。これまではずっと必死に頑張ってきたので、ちょっと一息入れている感じで、結果的に今の生活は気に入っています。
ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?
現在のように、主婦業をメインに夜勤の仕事は続けていくと思います。それと、夜勤がある日以外の日中はそれなりに時間を持て余しているので、その時間を利用して、今までの経験と知識を活かしたライターの仕事ができればいいなと考えています。
ー現在の働き方ならではのエピソードや感じていることがあれば、それもお教えください。
出勤する間隔が空いてしまうので、入居者の状態の変化などは必ず申し送りや連絡ノートで確認するようにしています。一週間前には手引きで普通に歩けていた方が突然歩行不安定になっているなんてこともよくあり、そこから転倒の事故につながったりもするので。毎回、「前回来たの〇日前なんですけど、なんか変わったことないですか?」としつこく聞いているので、面倒くさがられているかもしれません(笑)。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
介護福祉士 晶さんのタイムスケジュール
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AM 7:00
起床
-
AM8:00
夫出勤
洗濯、朝食の後片付けなど
-
AM10:00
仮眠
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PM13:00
入浴(シャワー)
掃除などの残っている家事を片付ける
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PM17:00
出勤
-
翌 AM10:00
退勤
-
ー現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫・模索している点は?
現在は第一線からは離れているので、仕事をする上での新しい知識や常識をちゃんと更新していけるよう、情報のアンテナをはっていないといけないなと思っています。
ープライベートと仕事の両立を実現するため今の介護業界・医療業界に必要なものは何でしょうか?
私の今までの経験上では、介護現場の正社員で働いているとなかなか希望する休みが取れませんでした。急用や体調不良での当日欠勤はもちろん、前もっての有給取得や連休の希望も難しかったりします。
原因は圧倒的な人員不足だと思うので、そこを改善していく必要はあると思います。
ー今後の介護業界・医療業界に期待することをお教えください。
介護職員の地位向上や待遇改善を望んでいます。
介護は誰でもできる仕事から専門職へと変わっていく過渡期だと思いますが、介護職は医療職よりも下、というような意識が介護側自身にもまだ多く見られるように感じます。
「施設から在宅へ」の時代になり、これまで以上に医療職と介護職の連携が求められる中、上下関係ではなくチームとして連携していけるようになってほしいです。
それには介護職の人材の質の底上げは必須だと思うので、現職の人もこれから介護職を目指す人にも、余裕を持って教育や経験を積める環境ができるよう期待したいです。もちろん、私を含め介護職自身にも、もっと自己を研鑽していこうという意識と努力が必要です。
ー最後に、これを読んでいる医療職の方に一言お願いいたします。
現在の新型コロナ感染症の騒動の中、医療と介護はどんなときでも止まることなく必要とされている職業なんだと改めて感じています。
まずは、この大変な時期に最前線で働いている皆様への敬意と、そして今後、この業界を担っていこうと考えている方々へ、医療介護の仕事はつらいときもあるけれど、社会に必要な素晴らしい仕事であるということを伝えたいと思います。
ー晶さん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
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