産後2ヶ月の復帰とキャリアの葛藤。口腔外科歯科医ママのインタビュー
2020.01.27 09:00
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Dspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げることを目的に、様々な医療職の方のインタビューを取り上げています。
今回インタビューするのは、口腔外科医として働く歯科医師の 2児のママ歯科医(ペンネーム)さん。2児の子育てをしながら口腔外科で歯科医師としてのキャリアを継続する生活と、キャリアについてのお考え、医療業界に今後期待することについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
2児のママ歯科医
プロフィール
歯科医師。地方国立大学歯学部出身。私立医科大学医学部大学院にて博士課程修了し医学博士取得。卒後3年目に結婚、卒後4年目 1人目出産、卒後6年目に2人目出産をする。
趣味は旅行、スイーツ。
まずは2児のママ歯科医さんが歯科医師を目指したきっかけをお教えください。
幼少時より、医療系の職種に興味があり、手先が比較的器用だったので、成り行きで歯学部を受験したのがきっかけです。
2児のママ歯科医さんが、現在の専門である、口腔外科に進んだきっかけをお教えください。
マッチングの際に実家から通える病院での研修を希望しました。
現在の病院を見学した際に、口腔がんや顎変形症など大きな手術に興味を持ち、口腔外科の医局に入局しました。
お二人の子育て中とのことですが、今までにキャリアの選択を悩んだことはありましたか?
ずっと悩んでいましたし、今現在もとても悩んでいます。
出産前は、月から土は大学病院で夜中まで診療と研究を行い、日曜日も研究をしていました。
また、1人目妊娠7か月まで月2-3日、当直業務も行っていました。
1人目の出産1週間前になんとか口腔外科認定医の試験を受験し、認定医取得した後、一旦退職していました。その後、復職と同時に2人目妊娠が発覚しました。2人目出産後には育休取得ができず、産後2か月から週2で勤務しています。当直免除、外来業務のみで勤務している中での専門医取得は難しいので、今後どのように仕事と育児を両立するか悩んでいます。
現在は、どのように育児と口腔外科での歯科医師のお仕事を両立されていらっしゃいますか?
車で15分ほどの実家に子供を預かってもらって、産後2か月から週2で勤務しています。仕事がある日は夕食も実家で済ませます。
夫は開業医に勤務している歯科医師ですが、帰宅が遅いです。
育児との両立に関して、口腔外科ならではのエピソードや感じていることはありますか?
口腔外科でも女医さんがいる医局はあるのかもしれませんが、私の所属する医局は、結婚妊娠出産後に勤務を継続している女医はいません。未婚の女医も、とても少ないです。
自身がこの医局の一号となって開拓するつもりでしたが、口腔外科での勤務の継続は厳しいと感じ、心が折れ始めています。
お仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
2児のママ歯科医さんのタイムスケジュール
-
AM7:00
起床、朝食、身支度
-
AM8:00
子供を実家へ預け
-
AM9:00
出勤
9:30-17:00の時短勤務
-
PM17:00
退勤
-
PM18:30
実家に帰宅
夕食
-
PM20:00
自宅に帰宅
子供2人とお風呂
-
PM21:30
夫の夕食準備
家事
-
PM23:00
子ども寝かしつけ
-
PM24:00
残りの家事
メール確認
-
AM1:00
就寝
現在キャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点はありますか?
育児・家事との両立が大変です。
実家の両親が全面的に協力してくれて、現在の生活が成り立っています。
産後2か月での復帰は体力的にしんどかったです。(現在産後4か月)
時短なので、給料が安く、子どもを保育園に預ける費用にもならないです。
時短で肩身が狭いことへの工夫としては、頼まれた業務は基本的にすべて引き受けるようにしています。
いつからフルタイムでの復帰をするか、とても悩んでいます。
また子供がいる状態での転職は難しいと、頭で考えすぎて二の足踏んでいるのが現状です。
2児のママ歯科医さんは、プライベートと仕事の両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何だとお考えでしょうか?
一番は、産休育休への理解ではないでしょうか。
口腔外科という特殊な環境であることが原因かもしれませんが、周りに例がなく、また、理解が乏しいことが最もつらいです。
キャリアもプライベートもあきらめたくないというのは、贅沢なのかもしれません。
Dspaceはじめ、今後の医療業界の動きに期待することをお教えください。
(Dspaceは医療の働き方をもっと自由にすることを目標に作られた、医療機関と医療従事者が直接繋がることができるサイトです。)
今後、今よりも自由に転職・副業ができ、相応の報酬が得られるように期待します。また、女性の結婚妊娠出産にもっと理解のある社会となることを期待します。
最後に、こちらのインタビューを読んでいる医療職の皆様に一言お願い致します。
もし、これを読んでる子育て中のママパパ医療関係者の方がいらっしゃったら、是非一緒にがんばりましょう!!と伝えたいです。
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