【医療機関向け】マイナンバーカードが保険証になる!手続き重要ポイントまとめ
2020.09.23 13:16
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令和3年3月よりマイナンバーカードが健康保険証として利用可能となりますが、医療機関側の準備の程はいかがでしょうか。まだまだ先の話と思われるかもしれませんが、早い段階で準備を済ませておくことで他の医療機関と差をつけられるかもしれません。
マイナンバーカードが健康保険証として使えるようになるにあたり、医療機関側ではどのような準備が必要となるのか、その手続きの重要ポイントをまとめました。
補助金の利用もできますので、ぜひ最後までお読みください。
※延期のお知らせ
当初の予定2021年3月から日程が延期され、集中導入期間(2021年7~9月末)とされています。
参考
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000805171.pdf
マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになる!オンライン資格確認とは?
いつからマイナンバーカードが健康保険証として利用できる?
マイナンバーカードは令和3年3月より健康保険証としての利用が可能となります。また、令和5年3月末には概ね全ての医療機関等での導入を目指すこととしています。*1
マイナンバーカードの健康保険証利用の環境は医療機関の負担がなく整えられる?
厚生労働省では、医療機関・薬局のシステム整備を支援*1をするために「医療情報化支援基金」を創設*2しています。申請をすることで、システムを整備するための補助金が支給されますので、ぜひご活用ください。
マイナンバーカードが健康保険証としてなぜ利用できるのか?
マイナンバーカードを健康保険証として利用する場合、マイナンバーカードについているICチップ内の利用者証明用電子証明書を利用していく*1ため、健康保険証として活用ができるのです。
個人情報は大丈夫?
マイナンバーカードを保険証として活用する場合、12桁の番号であるマイナンバーではなく、マイナンバーカードのICチップ内にある利用者証明用電子証明書を利用*1するのですが、ここには個人情報の明記はありません。また、マイナンバーカードは医療者側では預からず、ご自身で機械に通していただきます。
そのあと、マイナンバーカードの顔写真を活用してご本人様確認をする、あるいはそのまま顔写真の認証を機械でするため、*3個人情報が漏れたり、自分のマイナンバーカードを不正利用されたりするということもありません。
従来の保険証は使えなくなる?
従来の保険証ももちろんお使いいただけます。マイナンバーカードを保険証として利用できるようになっても、マイナンバーカードをお忘れになった場合には、保険証を出していただきます。*1
保険証もマイナンバーカードもお忘れになってしまった場合には従来の保険証を忘れた場合と同じ扱いとなります。*1
マイナンバーカードが健康保険証として利用できるようになる医療機関のメリットは?
マイナンバーカードを健康保険証として活用することで医療機関側にどのようなメリットがあるのでしょうか。
患者の薬剤情報等を閲覧でき、医療状況が分かる
医師が薬剤情報や特定検診情報を、薬剤師が薬剤情報を、患者さんの同意のもとで閲覧することができるようになります。*2
そのため、患者さんの状況が分かるようになり、質の高い医療を提供することができるようになります。特に災害時において、この情報が役に立つのではないかと考えられています。
患者さんの最新の資格状況を確認でき、医療保険の事務コスト削減
再診時に保険証を確認しなかった場合、レセプト請求後に返戻となることがありましたが、マイナンバーカードの使用によって医療保険の請求誤りや未収金などを防ぐことができる*2ため、医療保険の事務コスト削減へとつなげることができます。
患者さんの書類返却忘れなどがなくなる
健康保険証だけでなく、高齢受給者証や高額療養費の限度額認定証などの書類の持参が不要となります。*2そのため、書類の返却を忘れなどのミスがなくなり、事務の作業時間の短縮へとつながります。
マイナンバーカードが健康保険証として使えるようにする方法ー医療機関が必要な手続き
①ポータルサイトから、支払基金に利用の申込みをする
まずは、医療機関向けポータルサイト(外部リンク)から、アカウント登録をし、支払基金に利用の申込みをしましょう。
オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係医療機関等向けポータルサイト*5
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/
登録すると、最新の情報が届きます。また、このポータルサイトで必要な手続きを行うことが出来ます。
オンライン資格確認に参加するかどうかまだ決めていない方も、まずはポータルサイトへの登録がすすめられています。*6
現在ほぼ100%の病院と薬局、7割弱の医科診療所がオンライン請求を利用しています。
オンライン資格確認では、既存のオンライン請求の閉域網のインフラを活用することとしています*4ので、現在レセプトのオンライン請求をされている機関はそのままのインフラを使用できます。
しかし、顔認証付きカードリーダーの申込や各種申請と共に、必要機器の導入やシステム・ネットワークの改修が必要です。 詳細は、各ベンダにお問い合わせ下さい。
医療機関・薬局の対応 スケジュール
表: 厚生労働省 *6(p1) より引用
まだ、オンライン環境が整っていない場合は?
オンライン環境(インターネット)が整っていないと、マイナンバーカードの使用ができません。厚生労働省でも、オンラインの導入は義務ではありませんが、資格の確認を確実に行うことは保険制度の基本であり、仕事の効率化につながることからオンライン環境を整えることをおすすめしています。*4
ご利用のシステムやネットワークの状況によって詳細が異なりますので、まずはご担当のシステムベンダやネットワークベンダにご相談ください。*4
インターネットに関してはこちらの記事もおすすめです。
Wifiどうする?!クリニック・歯科医院開業者のためのインターネット回線の知識
②マイナンバーカードが認証できるカードリーダー・資格確認端末(パソコン)を準備する
図:厚生労働省 資料 *2 (p17) より引用
オンライン環境を整えたら、次はマイナンバーカードが使用できるようにカードリーダーの準備をしましょう。カードリーダーには顔認証つきのものと、汎用カードリーダーがあります。*4
また、カードリーダーだけでは、オンライン資格確認はできず、オンライン資格確認端末(パソコン)が必要です。
オンライン資格確認端末の仕様の詳細は、厚生労働省 資格確認端末において満たすべき要件 に記載があります。
Windows10 IoT Enterprise 2019 LTSC 64bit版、又は Windows10 Enterprise 2019 LTSC 64bit版(特別な制限等をかけていないものに限る)、メインメモリ8GB以上 などとされています。
窓口の混雑緩和や長期的に見るならば顔認証つきがおすすめ
顔認証つきのものと、汎用カードリーダーと、どちらのカードリーダーでもマイナンバーカードを健康保険証として活用することができるため、どちらを用意していただいてもかまいません。*4
ですが、マイナンバーカードの顔写真と本人の顔が一致しているかの認証をすることが必要です。汎用カードリーダーの場合は、カードの顔写真と本人の顔を職員が見比べて判断をするため、窓口での手続きに多少時間を要します。*4
そのため、窓口の混雑緩和や長期的な使用を考えるならば顔認証つきのカードリーダーがおすすめです。
③補助申請を行う
厚生労働省では、医療機関・薬局のシステム整備を支援*1をするために「医療情報化支援基金」を創設*2しており、申請を行うことでオンライン化に伴うかかった費用の支援を受けることができます。
システム改修後、オンライン資格確認の導入準備が完了した後に、支払基金に補助申請を行うことになります。*4
申請はいつから?いつごろお金が受け取れる?
事前申請ではなく清算払いとなるため、全てのシステムの導入が完了すると思われる2020年11月以降となります。補助金については2021年7月以降より順次支給されます。*4
顔認証つきカードリーダー製品紹介
マイナタッチ
【サイト】マイナタッチ製品ページ (外部サイト)
【提供企業】(株) アルメックス(USEN-NEXT GROUP)
【特徴】
USEN-NEXT GROUPのアルメックスがリリースした、顔認証付きカードリーダー『マイナタッチ』は、2021年(令和3年)3月より運用が開始される「オンライン資格確認」に対応しています。
すでに、問合せも多数来ているそう。
『マイナタッチ』は、マイナンバーカードの顔写真データをICチップから読み取り、その顔写真データとマイナタッチで撮影した本人の顔写真とを照合して本人確認を行うことが可能。
最新の保険資格を自動的に医療機関システムで取り込むことができます。
顔認証カードリーダーに求められる高い水準を満たした顔認証機能を搭載していることはもちろん、
直観的でわかりやすい画面設計と、
受付スペースを考慮したコンパクトなサイズに8インチの大画面を採用するなど、
高齢者やお子様、車いすの方など、医療機関を訪れる全ての方が迷わずにお使いいただける使いやすさもポイントです。
また、マイナタッチ最大の特長は、マイナンバーカードによる資格確認と同時に、
「ひとり親家庭等医療証」や「こども医療費受給者証」などの紙の公費医療券や各種証明書を読み取れる独自機能を備えています。
・紙の公費医療券や各種証明書等の読み取り
・業界最大級といえる8インチの大画面
・マスクやメガネ装着時の顔認証も可能
・2.5D赤外線カメラで可能となったなりすまし防止
・お子様や車いすの方でも使いやすい設計
・1台のパソコンで複数台の管理が可能
・Windows10Proでも使用可能
(外部サイト (アルメックス(USEN-NEXT GROUP))
まとめ
マイナンバーカードが保険証として活用できるようになるにあたり、医療機関では急ピッチで準備が進められることとなるでしょう。
特に、中小規模の病院やクリニックの中にはまだオンライン化が整っていないところもあるため、オンライン環境を整えることからスタートとなるため、時間を要することが予測されます。早めに準備を始めておくことが良いでしょう。
補助金も活用し、医療機関側の負担を最小限にして、マイナンバーカードの保険証としての利用の先陣をきってみてはいかがでしょうか。
医療機関のキャッシュレス化に関しての記事はこちらが人気です!
【医院開業】簡単解説キャッシュレス決済システム導入方法!新規電子決済サービス〇〇ペイを導入するには?
参考サイト
*1 厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html#Q1
*2 厚生労働省 医療保険のオンライン資格確認の概要 https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000601465.pdf
*3 マイナポータル https://myna.go.jp/html/hokenshoriyou.html
*4 厚生労働省 オンライン資格確認の導入について(医療機関・薬局、システムベンダ向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html#Q8
*5 オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係医療機関等向けポータルサイト
https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/
*6 厚生労働省 利用開始に向けたスケジュール[ PDF 957KB](2020年 9/2掲載)
*7 厚生労働省 資格確認端末において満たすべき要件
https://www.mhlw.go.jp/content/10200000/000623527.pdf
ライター RAY 看護師
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