【医療の職業図鑑】介護福祉士 介護福祉士のやりがい

【医療の職業図鑑】介護福祉士 介護福祉士のやりがい

2020.09.11 09:00




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医療職の皆さんは『介護福祉士』がどのようなお仕事かご存知ですか?

一緒の病院で働いていても、実際にどのような仕事をしているかよく知らない方も多いでしょう。

 

今回は、介護福祉士について、資格取得の過程から、業務内容、働き方、活躍の場まで現役の介護福祉士ライターが解説します。

マイナーな活躍できる場所も紹介しているので、働き方を見直したい介護福祉士の方もぜひご一読ください。

 

 

介護福祉士とは?

 

介護福祉士は、社会福祉士及び介護福祉士法により定められた介護・福祉分野の国家資格です。

社会福祉士及び介護福祉士法(第2条第2項)において、

“介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うことを業とする者をいう。”

とされています。

 

介護福祉士の名簿登録数は2018年度9月末時点で約162万人(1,623,451人)です。*1

 

 

介護福祉士を英語で言うと?

介護福祉士は、英語でCertified Care Worker(サーティファイドケアワーカー)と訳すこともありますが、一般的に用いられることはあまりなく、資格の有無を問わず介護士全般をCare Worker(ケアワーカー)と呼び、略称でCWと表記することが多いです。

 

 

介護福祉士の仕事内容

 

介護福祉士の一般的な仕事内容として、ほとんどの職場でメインとなるのが「身体介護」です。

 

生活に必要な、食事、排泄、入浴などの介助を行います。ただ身の回りのお世話をするということではなく、利用者ひとりひとりの状態に合わせて、できることは利用者自身で、できない部分は介護者がサポートしながら、できる部分(残存機能)をのばしていけるよう支援するのです。

 

それには利用者それぞれの状態や変化を見極めることが必要であり、介護士は定期的に、ときには医療職などの他職種やご家族も含めて会議を行いながら、適切な介護を提供します。

 

料理や掃除、洗濯などの家事をするのは「生活援助」です。訪問介護では、利用者の自宅に直接訪問し、家事を行います。介護施設でも、利用者の居室の掃除や衣類の洗濯をしたり、グループホームなど施設によっては、介護士が入居者全員の食事を用意するところもあります。

 

「相談助言」も重要な業務になります。高齢者自身やその家族からの要望に応じて介護の方針を相談したり、適切な介護方法のアドバイスを行ったりします。

 

その他にも、介護施設では、レクリエーションや季節ごとの行事やを計画して実施したり、買い物や通院の送迎・付き添いなども行います。

 

介護士といえば身体介護の部分の業務のイメージが強いですが、その仕事内容は多岐にわたっており、専門知識と技術をもって、利用者それぞれのニーズに合わせ、その人らしい生活を送ることができるよう支援を行っていくことが介護福祉士の仕事です。

 

 

介護福祉士の平均年収・給料

 

厚生労働省の令和元年度賃金構造基本統計調査によると、

福祉施設で働く介護員の所定内給与額は229,700円

年間賞与その他特別給与額は531,700円です。*2

以上の統計から算出すると、平均年収は約330万円程度となります。

 

※本統計は介護福祉士有資格者とは限らず、また、介護福祉士の職場として多岐にわたる中の福祉施設のみとなっています。介護職の給与は経験や職場によって大きく異なる為、ひとつの目安として挙げています。

 

 

介護福祉士になるための要件

 

介護福祉士は国家資格であり、1年に1回行われる介護福祉士国家試験に合格し登録することによって、介護福祉士になることができます。

 

2020年に実施された第32回介護福祉士国家試験では受験者数84,032人のうち合格者数は58,745人、合格率69.9 %となっています。*3

 

 

介護福祉士になる方法・期間・費用

 

介護福祉士の受験資格には、いくつかのルートがあります。*4,*5

大きく分けると以下の4ルートです。

 

 

・実務経験ルート

・養成施設ルート

・福祉系高校ルート

・経済連携協定ルート

 

 

 

介護福祉士のルートは非常に複雑なので、公益財団法人社会福祉振興・試験センターのホームページの図から見やすい図を作成しました。(作成Dspace Plus編集)

図を見ながらお読みください。

 

 

 

・実務経験ルート

 

(1)3年以上の実務経験 + 実務者研修の修了

(2)3年以上の実務経験 + 介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修の修了

 

 

 

以前は実務経験3年のみで受験資格となっていましたが、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、現在は、所定の研修の受講・修了が必須となりました。

実務者研修の受講科目と時間数は、20科目で450時間・6ヶ月となっていますが、「介護職員初任者研修」を取得していれば、共通する9科目(130時間)の受講が免除され、320時間・最短2ヶ月程度となります。

 

実務者研修の費用は現在所有している資格によって異なりますが、全くの無資格だと10万か~20万円程度です。スクールによっても幅がありますが結構な高額になりますので、国や自治体の助成金制度を利用したり、また、現在介護施設等で勤務しているなら、職場が受講料を補助してくれる場合もあるので確認してみましょう。

 

・養成施設ルート

 

 

(1)2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業

(2)福祉系大学、社会福祉養成施設、保育士養成施設のいずれかを卒業し、その後、1年制以上の介護福祉士養成施設を卒業

 

 

もともと養成施設では、国家試験を受けなくても卒業とともに介護福祉士資格を取得できましたが、社会福祉士及び介護福祉士法の一部改正により、国家試験合格が要件となりました。

 

※経過措置として、2017年4月から2027年3月までの卒業者は、不合格や未受験の場合でも、卒業後5年間は介護福祉士の資格が暫定的に認められています。この間に国家試験に合格するか、卒業後5年間続けて介護等の業務に従事することで、5年経過後も介護福祉士の登録を継続することができます。

 

 

・福祉系高等学校ルート

 

(1)福祉系高等学校に2009年度以降に入学し、新カリキュラムを修了し卒業

(2)福祉系高等学校に2008年度以前に入学し、旧カリキュラムを修了し卒業

(3)2009年度以降に特例高等学校に入学し、必須単位を取得。卒業後、9ヵ月以上の介護等の実務を経験

 

 

 

 

・経済連携協定(EPA)ルート

他に、経済連携協定(EPA)ルートといって、経済連携協定に基づく外国人介護福祉士候補者が日本の受け入れ施設で研修を受けながら就労し、受験を目指すというものもあります。

 

 

介護福祉士が活躍できる働き方 

 

・正社員・常勤勤務

有資格者の正社員を求めている事業所は多く、給与や福利厚生の面で充実しており、雇用が安定しているのがメリットです。一方、デメリットとしては、高齢者施設の多くは土日や祝日も勤務があることがほとんどで、シフト制で固定の休みを取得することが難しかったりします。

 

・パート・アルバイト勤務

パートやアルバイトでの勤務は、勤務日数や時間の融通が利きやすく、主婦の方が家事や育児との両立をしたり、本職の合間に副業として勤務しているといった働き方をしている人も多いです。反面、パート勤務者の平均給与は正社員と比較して低くなっており、それぞれのメリットデメリットが逆転していると考えられます。

 

・フリーランス

介護福祉士の資格のみでフリーランスで働いているというのはあまり聞きませんが、派遣会社に登録し、希望の時間帯や期間、または単発で仕事をするといった働き方があります。

派遣は高時給が多く、隙間時間で効率よく働くことが可能ですが、基本的には昇給やボーナスがなく契約期間も決まっているので、安定して長期で働きたい人にはデメリットとなります。

 

・開業(起業)

独立して開業することも可能です。通所・訪問・移動(介護タクシーなど)等の介護保険適用の事業所の立ち上げにはそれぞれ有資格者など人員の規定があるので、資格を保有していることは有利になります。

 

 

介護福祉士が活躍できる職場

                    

 

・特別養護老人ホーム(特養)

特養は介護保険施設で、原則として要介護3以上の方が対象となる入所施設です。在宅生活が困難となった高齢者が入居し、介護士が身体介助や生活援助、レクリエーション等の、日常生活を伴う介護を行います。

 

・介護老人保健施設(老健)

老健も特養と同じく介護保険施設ですが、違いは、特養が原則として終の棲家となっているのに対し、老健は一定期間で退去することを前提として、医療ケアやリハビリを行いながら在宅復帰を目指すという点です。医師や看護師などの医療従事者も在籍しており、介護士も在宅復帰へのサポートをしながら日常生活の介護を行います。

 

・サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

サ高住は、入居者が賃貸契約を結び、安否確認と生活相談のサービスを受けながら生活ができる住宅です。介護度が低くても入居することができ、介護サービスは必要に応じて別途契約することになります。訪問介護を併設している事業所も多く、介護士の仕事としては、安否確認の巡回や生活相談の他に、ヘルパーとして身体介助や生活援助などもあります。

 

 他にも、有料老人ホーム、グループホーム、ケアハウスなどの入所施設があり、それぞれ介護度や医療ケアの有無といった入居条件がありますが、どの施設でも介護士が利用者の状態に応じての介護や相談を行います。また、これまでに挙げた生活を伴う施設では、ほとんどの場合、夜勤の業務があります。

 

・通所介護(デイサービス)

デイサービスは、在宅の高齢者を対象に、おもに日中の時間帯で食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを、通いで提供する施設です。デイサービスでは、身体介護やレクリエーションといった業務のほか、利用者の自宅と施設への送迎も行います。基本的に夜勤はありません。

 

・病院・大学病院

病院でも介護福祉士の仕事があります。おもに病棟の入院患者の身体介助や環境整備を行います。介護士を看護助手・看護補助者という職種で求人をしている場合もあり、その名の通り看護師の補助的な仕事で、処置の手伝い、器具の洗浄や補充、検査を受ける患者さんの送迎などといった業務を行うこともあります。

 

・訪問介護事業所

在宅の高齢者の自宅に訪問し、食事、入浴、排泄の介助などの身体介護や、料理、掃除、洗濯などの生活援助を行います。施設や病院などは資格がなくても働くことができますが、訪問介護の仕事には、介護職員初任者研修以上の資格が必要となります。介護福祉士は初任者研修の上位に位置する資格なので、訪問介護員になることができます。

 

・講師

講師として働くといったケースもあります。介護福祉士等の国家資格を取得していて5年以上の実務経験があり、介護教員講習会という研修を受けると「介護教員」になることができます。*6 他にも「介護福祉士実務者研修教員」などもあります。*7*3

 

 

介護福祉士のやりがい

 

介護福祉士は、ただ高齢者の身の回りのお世話をするというだけではなく、その人らしい人生を送るために、それぞれのニーズに合わせて生活全般の支援を行う専門職です。その資格要件も年々厳しくなっており、専門的な知識や技術のレベルアップが求められています。

高齢社会ではなくてはならない仕事であり、利用者やその家族に感謝される場面も多く、やりがいのある仕事です。介護福祉士という資格がさらに注目され、目指す方が増えてほしいと思います。

 

 

 

 

参考

 

*1厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/shakai-kaigo-fukushi1/shakai-kaigo-fukushi6.html

 

*2厚生労働省「令和元年度 賃金構造基本統計調査」https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html

 

*3厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_10334.html

 

*4公益財団法人社会福祉振興・試験センターHP http://www.sssc.or.jp/kaigo/shikaku/route.html

 

*5厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12201000-Shakaiengokyokushougaihokenfukushibu-Kikakuka/siryou1_6.pdf

 

*6厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/jigyo_shiwake/dl/16-2a.pdf

 

*7厚生労働省HP https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/care/dl/care_16.pdf

 

ライター 芝田晶 介護福祉士

 



 

 

 



 

 

 

 

 

 

 

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