#64 フリーランス歯科矯正医。認定医取得までとフリーランスになってから。
2020.12.29 09:00
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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。
64回目は、フリーランス矯正歯科医としてお仕事をしているフリーランス矯正歯科医師 先生です。
キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
フリーランス矯正歯科医師
歯科医師。地方国立大学歯学部出身。同大学院にて博士課程修了し医学博士取得。卒後2年目に日本矯正歯科学会認定医を取得。卒後3年目に結婚。
ーまずはフリーランス矯正歯科医師先生が『歯科医師』を目指したきっかけをお教えください。
歯学部に合格したからです。家は歯医者ではありませんでした。高校が私立で医療系への進学クラスに入っていたため、医療系の学部をいくつか受けました。その中で、国家資格が取れて手に職を得られると考えて進学をしました。
ーフリーランス矯正歯科医師先生は、大学院進学後、矯正の認定医を取得されたとのことですが、『歯科矯正』を専門として選んだ理由をお教え下さい。
歯科学生は様々な科を回って治療を経験するのですが、一般的な歯科治療にあまり興味をもてませんでした。基本的に虫歯や歯周病、入れ歯など、歯の病気の後始末をしているような感覚で、治療がうまくいっても、もとの歯以上の状態にはならないことが多く感じました。
その中で矯正は治療こそ長期間ですが、自分できれいな歯並びを作っていき、またそれがもとの状態よりも明らかに良くなっているという感覚があったため、仕事の満足度がとても高く感じました。
ー現在は、フリーランスの矯正歯科医師でいらっしゃるとのことですが、キャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
あまり選択肢がなかったので悩むことが少なかったです。大学院を卒業後、医員の枠がなく収入がなかったのですが、矯正認定医のためにはもう少し大学院で治療を行う必要があり、非常勤のバイトをしながら過ごすしかありませんでした。
認定医をとったときにはバイトも増えていて、矯正専門の医院にいくよりも収入が多くなっていたため、もう少しこのままでいようかなと考えました。
ー現在は、フリーランスとのことですが、いつからどのようにフリーランスとして活動されていますか?
バイトとしては大学院卒業くらいから、個人事業主のフリーランスとしては認定医をとって1年後くらいからです。
ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?
今のところ、フリーランス勤務を続ける予定です。開業も考えたことはありますが、最近から勤務している医院もありますし、現在診ている患者さんもいますので、タイミング等もありますがなかなか難しいと考えています。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
勤務している場所によって勤務時間が違うため、下記は、業務委託を受けているところの場合です。
フリーランス矯正歯科医 先生のタイムスケジュール
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AM7:00
起床
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AM8:00
通勤
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AM9:00
出勤
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PM18:30
退勤
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PM19:30
帰宅
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PM20:30
夕飯
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AM1:00
就寝
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午後だけの勤務先もあるため、勤務先により結構スケジュールが変わります。
ー現在フリーランス矯正歯科医としてキャリアを継続する上で、大変なこと、良かったと思うことはどのようなことですか?
認定医をとるときに大抵は一つの病院に勤務して資格をとりますが、それだと治療の方法や知識が偏ってしまいます。フリーランスとしてキャリアを継続するなら、様々な矯正治療の方法を身に着けて行くことが大事だと思います。
大変なことは仕事を探すのが難しいことです。非常勤の勤務になることが多く、矯正治療の歯科医師は紹介で行くことがほとんどのため、周りとの繋がりが大事だと思います。
フリーランスでよかったこととしては、自由に仕事を組めることと、自分の好きなように治療ができることです。
ー大学に在籍から、フリーランスへと変化されていますが、両方を経験したことを踏まえて、現在の働き方ならではのエピソードや感じていることをお教えください。
大学にいたころは、材料や治療方法も上の先生の方針に従う必要があるため、治療の幅が狭かったと感じています。
外に出てからは、新しい治療法や材料を知ることも多く、どうしてこんな便利なものを取り入れていなかったんだろうと思うことが多々ありました。フリーランスになったことでいろいろな治療方法を行うことができ、それによって自分なりに効率的な矯正治療方法を作っていくことができているのは一つの病院で働いていてはできないことだと思います。
ー現在の歯科業界・医療業界で課題に感じていることはありますか?今後の歯科業界・医療業界に必要なものは何だと思いますか?
歯科での保険の点数が労力に見合ったものではないことです。基本的に薬のみで治すことはあまりないため、歯に対して何か操作をして治療を行うことになります。
精密な操作が必要なことがほとんどですので、患者一人当たり30分は必要になると思いますが、必然的に一人の歯科医師が一日に見られる患者人数が決まってきます。そうなると収入の上限も決まってくるため、保険治療の場合患者一人当たりの治療時間を減らさないと収入が上がってきません。
治療時間が減れば治療も雑になり、治療した箇所がまた悪くなるなど悪循環に陥ってしまいます。きっちりとした治療を行ったらそれに見合った報酬を得られるようにしていくことが、歯科医療の質をあげることに繋がると思います。
ー最後に、一言お願い致します。
一般歯科の先生だけでなく、歯科の専門性のある先生の求人を探せるところが増えてくれるとうれしいです。
ーフリーランス矯正歯科医師先生、この度はインタビューにご協力いただき誠にありがとうございました。
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