#62 専門医取得前の退局の決断と切り替え。医師インタビュー。

#62 専門医取得前の退局の決断と切り替え。医師インタビュー。

2020.10.12 09:00




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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。

62回目は、現在は常勤でお仕事をしている医師のDrアラレ先生です。

キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。

 

 

 

 

Dr.アラレ先生

医師(卒後11年目)。地方私立大医学部卒業。卒後7年目までは大学の糖尿病内分泌内科所属。卒後6年目に友人の紹介で結婚。翌年に妊娠し専門医試験直前に切迫早産のため入院。産後は1年ほど大学勤務の後、夫の転勤にともない退局。

現在は常勤で健康診断業務をしながら育児をしています。現在は少し余裕のある業務でも良いのでとにかく医療の片隅に席をおいて、いつか内科医として復帰できるように頑張りたいと思っています。

 

 

ーまずはDr.アラレ先生が医師を目指したきっかけをお教えください。

 

高校生時代に祖母が心房細動を患いました。この際にアブレーションで不整脈が治療されていく経過をみて医師は凄いな!と感じたのがきっかけでした。不整脈を心配しなくていい、お薬も減らすことができる。決して大きなことではないですが晩年の祖母のQOLには大きな影響があったと思います

 

 

ーDr.アラレ先生は、卒後7年目まで糖尿病内科の医師としてのキャリアを進まれていたとのことですが、糖尿病内科専門として選んだ理由をお教え下さい。

 

一番最初に興味を持ったのが、患者さんの生活スタイルや生活習慣、ご本人の周囲の環境にも踏み込んでいくところです。糖尿病は患者さんと長く付き合っていくことになります。時には患者さんの妊娠・出産などのライフイベントにも関わっていくところに興味を持ちました。

 

 

ーキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?

 

専門医資格を取る前に退局してしまいましたので、その点については大変苦悩いたしました。周囲にも育児をしながら専門医を取得される先生は沢山いらっしゃいました。医局にも産休や当直免除などご理解をいただいたのに、専門医取得前に医局を退いたことは甘えであり自分の能力が低いためであると悩みました。

 

学位もなく専門医を取る前に医局を辞めてしまった自分は医師としては半人前だと感じました。いっそ医業を辞めてしまおうかと考えていました。

 

そんなときに、主人から同じ育児中の医師でも環境はそれぞれであるし、応援を仰げるご両親が近くにいるか?いないか?など頑張れるキャパシティは人それぞれで違うからいいじゃないか。とアドバイスされ、とても気が楽になりました。

 

現在は、全く辞めてしまうよりは健康診断など負担が軽く定時で勤務できる業務などを選択し、少しでもよいので医療に触れられる環境にいようと思っております。

 

 

ー現在は、育児中とのことで非常に忙しいと思いますが、どのようなお仕事を選び、お仕事と育児を両立されていらっしゃいますか?

 

現在は定時で就労しやすい健康診断業務に従事しております。また業務内容として当直がありませんので、当直を免除していただいているという心理的負担が無いのがとても助かっています。また、現在はなるべく自宅近郊の職場を探し転職しました。

 

 

ー育児との両立に関して、現在の働き方ならではのエピソードや感じていることがあれば、お教えください。

 

先程と重なるところがありますが、やはり健康診断業務は、当直業務が科として無いというところが心理的にとても助かっています。

 

転職の際に当直なしの条件で就職したとしても、やはり当直を負担していただいている先生方には自分だけ免除してもらっている、という負い目がありました。そのため現在の業務は心理的な負担が少なく助かっています。

 

現在、一番困るのはやはりコロナ関連になります。現在、保育園に通園していますので、同じ園のお友達に発熱や感冒症状が出ると神経をすり減らしました。子供が発熱することは通常時なら普通のことですが、現在は即、勤務先へ報告し自宅待機をしなければなりません。

 

 

ー今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?

 

育児との両立のために始めた健診業務ですが、通常の外来に比べてやや時間はありますので結果説明などで詳しく、説明をすると大変喜んでいただけることにやりがいを見出しております。

 

育児に余裕がでてきたら勤務医として内科へ再研修や復職支援などを経て復帰し、健診からのフォローもお受けできるようになりたいと考えています。

 

 

ーDr.アラレ先生は、お仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?

 

Dr.アラレ先生のタイムスケジュール

 

    • AM 6:30

      起床、朝食

      保育園準備。子供を起こす。

    • AM7:00

      子供とご飯やお着替えなど

       

    • AM8:00

      出勤

      子供の登園は主人と交代でこなす

    • AM8:30

      就業開始

      健診外来業務

    • PM12:00

      お昼休み

       

    • PM13:30~14:30

      人間ドック結果説明

       

    • PM17:00

      終業

      17:00まで健康診断結果表などの判定、チェック。読影など。

    • PM17:30

      子供お迎え

       

    • PM18:00

      夕飯準備。夕食

       

    • PM19:00

      お風呂、洗濯

      夕飯の片付け

    • PM21:00

      子供の寝かしつけ。

       

    • PM22:00

      洗濯物を干す。明日の準備

       

    • PM23:00

      自身の時間、勉強時間

       

    • PM24:30

      就寝

       

       

     

     

    ー現在は常勤で医師としてはたらいていらっしゃるとのことですが、育児をしながら常勤を続けるのは大変でしたか?現在キャリアを継続する上で、大変なことはありますか?

     

     

    カンファレンスや医局会など、ハッキリと終わりの時間が分からない場合、保育園のお迎え時間の調節が一番苦労しました。また、勉強になりそうな講演会や勉強会になかなか参加できなかったのがとても残念でした。また現在は毎日の就業だけで精一杯のため自己研鑽の時間が取りづらいのが一番の悩みです。

     

     

     

    ー現在の医療業界で課題に感じていることはありますか?また、今後の医療業界に必要なものは何だと思いますか?

     

    やはり育児をしながら仕事と家庭の両立は大変であり、夫の協力のもと何とか就業を続けることが出来ています。また職場でも育児にご理解をいただき、時間外や当直業務をしてくださる先生方のご支援とご理解があって仕事を続けることができていると感じます。

     

    育児、真っ只中の医師も大変ですが現在、育児には直接関わっていない先生方の負担についても考えていかなければいけないと感じております。

     

     

    ー最後に、読者の医療職の皆様に一言お願い致します!

     

    現在、医療をめぐる環境はオンラインを含めて大きく変化している最中であると思います。少し前まではこのように他の医療職の方の進路や職歴などを知る機会は、ほぼありませんでした。

     

    医療職の方々の環境や背景なども様々です。育児に限らず介護や、ご家庭の事情で時には今まで「こうあるべき」とされてきたルートから外れることもあるかと思います。

     

    私の場合は夫が医療職ではありませんでしたので、一人で悩むことが多かったです。これからはこのような便利な環境が整っていくと思います。是非、お一人でキャリアに悩んでいる方に色々な情報が届き笑顔でお仕事が継続できることを願っております。

     

     

    ーDrアラレ先生、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。

     

     

     

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