#61 訪問看護と育児。80歳まで看護師でいることが目標!ライフスタイルに合わせたキャリアの変遷。
2020.10.06 12:51
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医療職の方のキャリアや人生に対しての視野を広げるDspace Plusの「のぞき見みんなのキャリア」では、様々な医療職の方をインタビューします。
61回目は、訪問看護師としてお仕事と2児の育児をしているYUkAさんです。
ブランクの経験もあるYUkAさんに、両立の秘訣や、キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
写真はイメージです。
YUkA
看護師。県立の看護学校卒業。2020年都内大学心理学部通信教育課程を卒業。結婚11年目。
趣味は、看護師の仕事、クラフトビールの飲み比べ、三線。
ーまずはYUkAさんが看護師を目指したきっかけをお教えください。
叔母が看護師をしていたこともあり、物心がついた頃から漠然と看護師になりたいと思っていました。
高校生の時に大好きな祖母が脳梗塞で倒れ後遺症として右半身麻痺、言語障害が残りリハビリ病院に半年間入院しました。入院生活の中で、親身になり看護やリハビリをしてくださった医療従事者の方々を見て、心底感動して「看護師になって同じように辛い思いをしている患者さんや家族に恩返ししたい」と決意しました。
7年後に、そのリハビリ病院に就職することになるのですが、祖母を担当してくださった看護師さんが当時の事を覚えていてくださり、私が看護師になったことを大変喜んでくださったことが嬉しかったです。
ーお世話になっていた病院に就職されたのですね!担当の看護師さんにとってもきっと嬉しいエピソードだったと思います。
YUkAさんは、現在は、どのようにお仕事されていますか?
県立の看護学校を卒業後、多くの同級生たちは県立病院へ就職していく中、私が新卒で入職した病院は、祖母がお世話になったリハビリ病院でした。新卒は私1人という状況でしたが、不思議と希望に満ち溢れていました。
その後、総合病院に転職し、結婚、長女出産を経てまたリハビリ病院へ。そちらでは、管理職を経験し、家庭との両立が難しく29歳の時に退職しました。
34歳までの5年間は、長男が誕生したこともあり、2児の子育て中心の日々を送りました。特に息子は幼稚園入園前まで発語が少なく、発達がゆっくりで悩んだあげく彼にとって一番の療育の先生になろうと通信大学の心理学部へ編入しました。
結局の所、発達の遅れは入園後に杞憂に終わるのですが、息子の子育て中の悩みや大学での学びを活かしたいと思い、非常勤で重心身障害児のデイサービスや支援学校の医療ケア児の看護を2年ほど経験しました。(1週間の内:週2日重症心身障害児デイ勤務、週1日支援学校勤務、週2日在宅ホスピス施設での勤務)
訪問看護は、リハビリ病院で働いていた頃からの願いでした。退院後の患者さん達の様子が気になっていたこと、病気や障害があっても在宅を希望される患者さんのサポートができたらと考えていました。
また、長年看護師として働いてきた叔母が、祖父を自宅で看取りたいと選択し、家族の立場として経験できたことも大きな収穫となりました。
私が、訪問看護を初めて半年ほどになりますが、利用者さんやご家族との距離がグッと近く感じています。訪問の際に、医療的な判断や関係各所等への連絡など臨機応変に対応していくことが求められますが、迷った時は、管理者や常勤NSに確認するなどフォロー体制が整っています。
また移動端末(iPad)にて記録から勤怠管理まで可能である為、幼稚園の送迎後、事務所に寄らず利用者宅へ直行しています。担当の利用者、訪問時間は決まっていますが、例えば、子どもの行事とかぶってしまうときなどは、利用者と時間調整可能な点も子育て中にはありがたいです。
ー現在の訪問看護の職場は、しっかりと体制が整っていて魅力的ですね。
現在は仕事と育児を両立されていらっしゃるYUkAさんですが、今までにキャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?
新人看護師の頃から仕事が好きで、20代はフルタイムで育休などの制度を活用しながら、漠然とこのまま定年まで働いていくのだろうと思っていました。
6年前に病院を退職した際には、管理職と家庭の両立が難しく、保育園で「ママと離れたくない」と泣いた2歳の娘に怒鳴ってしまった時に大変後悔して泣きながら職場に行きました。その日に退職を決意しました。
専業主婦は、初めての経験でしたが、無駄に怯えていたママ友もみんないい人だったし、息子も生まれ、穏やかで幸せな時間でした。子どもたちも成長し、下の子が幼稚園に入園するととても暇で、、趣味は仕事だったので、また「看護したい!」という気持ちに溢れていきました。
ブランクもあり、家庭を一番にとの考えから現在は、パートタイムで勤務しています。いずれは、フルタイムで働きたいとも思いますが、今はこのバランスが良いと感じています。
ーライフスタイルの変化に合わせてお仕事のバランスをとっていらっしゃるのですね。現在は、育児中とのことですが、産休前後も含めてどのようにお仕事を両立なさってきましたか?
20代の頃は、総合病院で勤務しており、娘が生後9ヶ月で病棟に時短勤務制度を活用し復帰しました。1歳3ヶ月からは、夜勤も再開。認可保育園の空きがなく院内保育所でお世話になりました。
2交代制だったので、準夜勤の時は、15時頃に預けて仕事終わりに夫が20時頃に迎えに行き寝かしつけまで、翌朝仕事前に保育園に預けて、夜勤明けの10時頃に私が迎えに行くという生活でした。
夜勤明けなので、娘と遊んでいるうちに気がついたら2時間くらい寝ていたことも。。次の転職先であるリハ病院では、夜勤なし日勤常勤で認可保育園に転園しました。
退職後は、娘も幼稚園に入園し、現在は下の子が幼稚園年長で、年少の時からパート勤務しています。一時、幼稚園の延長保育(朝8時〜9時・14時〜18時)を利用して仕事していましたが、延長保育を嫌がるようになった為、朝の延長保育だけ利用し9時から13時までの勤務時間に戻しました。幼稚園のお迎えに間に合うので、習い事やお友達と遊んだりして息子も嬉しそうです。
ーお子さんの気持ちも大切にしながら調整されているのですね。
育児と仕事の両立に関して、現在の働き方について感じていることをお教えください。
私の場合、フルタイムで働いているときは、仕事と子育てと時間的にも精神的にも余裕がありませんでした。
現在は、子どもの生活中心ですが、子どもたちも楽しそうに過ごしていますし、家事をできる体力気力にも余裕があり、私自身も趣味である仕事ができて良いバランスで働けていると感じています。下の息子が4年生くらいになるまでは、今の働き方を続けていきたいと考えています。
訪問看護師YuKAさんのタイムスケジュール
-
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AM 4:00
起床
自分時間(音楽や新聞を読む、利用者さんの記録など) 家事・犬の散歩など
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AM6:00
子ども起床・朝食
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AM7:00
子どもの勉強タイム
小学生の娘ドリル 年長の息子くもんの宿題
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AM8:00
通学・幼稚園送迎
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AM9:00
勤務開始
利用者宅へ直行1日3件程。
iPadにて看護記録作業(電子カルテ)
-
PM13:30
勤務終了
コメント
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PM14:00
幼稚園送迎
送迎後お友達と公園で遊ぶ
-
PM15:30
息子の習い事
空手・くもん・体操など
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PM17:00
帰宅
夕飯の下準備・娘の習い事送迎(塾・空手・体操など)
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PM18:30
夕食
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PM19:30
入浴
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PM21:00
就寝
-
※現在夫は在宅勤務。多忙で、平日は家事育児に関しては私が担っていますが、娘が帰宅時に家にいてくれるという安心感があり、ありがたく感じています。
ー現在YUkAさんがキャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点は?
現在は、パートタイムでの勤務ですが、子どもの体調不良や行事などでお休みすることもあります。
以前に同時に3箇所(重症心身障害児デイサービス・支援学校・在宅ホスピス)に分散して働いていた理由は、どの仕事も興味があったことと同時に急な欠勤でもそれぞれの職場にご迷惑をかけないように(勤務日数がそれぞれの職場で少ないため、欠勤による迷惑を最小限に抑えられる)する為でした。
現在の職場である訪問看護ステーションでは、多くのパートが在籍しています。行事や欠勤などは、利用者さんと相談して訪問日の変更をさせてもらっています。振替が難しい場合は、常勤NSに対応依頼します。
以前は、学生時代の友人と比べてキャリアについて悩んだりすることもありましたが、今の私の目標は80歳まで現役ナースでいることです。先はまだまだ長いと思うと人と比べても意味がないと思えるようになりました。今は下積み時代と考えていて地道にコツコツと、利用者さんに寄り添えるよう日々勉強です。
ー欠勤による影響を最小限にするために分散されていたのですね。
プライベートと仕事の両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何でしょうか?
今回のコロナ渦で、世の中は、リモートワークが増え働き方改革がなされましたが、医療業界は、特殊性もあり、なかなか難しく、病院勤務のNSの退職が増えたというニュースを目にしました。
病院での入院を余儀なくされる患者さんも多くいらっしゃいますが、可能であれば、住み慣れた自宅で、穏やかに過ごせるよう訪問診療・看護・リハなど多職種が協力してサポートしていけたらよいと思います。訪問看護であればオンコール(常勤NS)がありますが、休日も確保でき、プライベートと仕事の両立が可能だと思います。
ー今後の医療業界の動きに期待することをお教えください!
社会人経験を経てから看護職に就く方が増えてきています。私自身、看護師の世界しか知らずに働いていたときよりも、看護師としてのブランクはあるものの専業主婦、子育てさまざまな人たちとの出会いを経た今、患者さんを取り巻く背景や環境など以前より理解を深められるようになったと感じています。
新しい風をどんどん送り込んでもらい風通しのよい医療業界になるよう期待しています。
ー最後に、これを読んでいる医療職の方に一言お願いいたします。
看護が好き・人が好きという気持ちがあり、学ぶ姿勢を忘れなければブランクがあっても決してその時間は無駄にはならないと感じています。子育て中は大変ですが、思い返せばあっという間に過ぎていくもの「今」しかないこの瞬間を楽しんでくださいね。
ーYukaさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
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