#68 看護師をしながら心理学部入学、グリーフカウンセラーへ。フリーランス看護師キャリアインタビュー
2021.10.18 10:00
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68回目は、グリーフカウンセラー、派遣でお仕事をしているフリーランス看護師のそらさんです。
キャリアや医療業界に関してのお考えについて教えていただきました。ぜひご一読ください。
そら
看護師(フリーランス)。
看護専門学校卒業後、総合病院の外科病棟に配属。
急性期の中で過ごされる終末期の患者ケアから、心理学を学びたいと大学へ進学、二足の草鞋生活を満喫。
また家族をがんで看取り、遺族ケアの必要性を感じグリーフカウンセラーの資格を取得。
大学病院で緩和ケア認定看護師としてチームで活動をした後、訪問看護を経験。
現在はフリーで看護師をしながら、遺族を中心としたカウンセリングルームを開設。
スキューバダイビングと旅行が好きで、思い立ったらキャスター転がし出かけてしまう。
ーまずはそらさんが看護師を目指したきっかけをお教えください。
「手に職をつけよ」という、共働きの両親のもと育ったことが、看護師を目指すきっかけです。
看護師なら自立して生きていかれるという、現実的思考のみでした。
ーそらさんは、現在どのようにお仕事されていますか?
グリーフカウンセラーとして働きながら、派遣看護師として、この1年くらいはコロナ関連の仕事をしています。
ー現在はフリーランスとしてグリーフカウンセラーとしてご活躍中とのことですが、現在のキャリアに進むに当たって、どのように決断しましたか?
まず心理学部を選択した理由です。
終末期の方で、がん性疼痛のためナースコールを頻回で押す方がいました。ですが家人の面会の間は1度も鳴りません。痛がる言動もありません。これは家族がいる安心感が影響してると思うのですが、この心と身体の繋がりについてもっと知りたい!と思ったのがきっかけです。
私は看護という狭い世界の、さらにポイントを絞ったがん看護・緩和ケア領域に身を置いてきました。その間に心理学部で現役世代や異業種の社会人と学べたことは、内側にいては知らなかった考えや意見に触れることができる機会でした。
この進学が私の世界を広げてくれましたし、一歩踏み出すことのハードルを下げてくれました。
また家族を看取ったことでリアルに遺族ケアについて考えるようになり、グリーフカウンセリングを学びました。まずは遺族となる前の段階で、十分なケアを提供したいと関わってきました。ですが看護師としての関わりには限界があると感じています。そのような中で、私の周りにいる異業種の方々の話や働き方をみて、カウンセリングルーム開いてしまおう!と一念発起しました。
ーそのような実体験に基づいて、現在のキャリアがあるのですね。今後は、どのようにお仕事をしていこうと考えていらっしゃいますか?
今はまだ看護の仕事が多いですが、今後カウンセラーとしての仕事のウェイトを広げたいと思っています。
看護経験はカウンセリングにも役立ちますし、カウンセリング経験は看護にも役立ちます。どちらか一方ではなく、バランスを保ちながら、フリーで仕事を続けていきます。
基本欲張りなタイプです。
ー現在の働き方ならではのエピソードや感じていることをお教えください。
派遣としてスポット勤務をしていると、病院では経験できない現場もあり常に新鮮です。新たな自分の可能性を感じることもあります。
これまで夜勤明けの時間を最大限活用してきたので、日勤だけの生活になってみると規則正しい生活は身体には良いことなのかもしれませんが、日中に自由になれる時間が少なく、みなさんはどうやってやりくりしてるのかな〜と思います。
ーお仕事の日はどのようなスケジュールで生活していらっしゃいますか?
フリーランス看護師 そらさんのタイムスケジュール
-
-
AM 6:30
起床 出勤準備
-
AM7:45
通勤
-
AM9:00
始業
-
PM12:00
お昼
-
PM18:00
終業
-
PM19:00
帰宅・入浴・食事
-
PM21:00
メールのチェック
読書や勉強
マインドフルネス瞑想やヨガ
-
PM24:00
就寝
-
ー現在、そらさんがフリーランスとしてのキャリアを継続する上で、大変なことと、それに対して工夫している点はありますか?
受け身では仕事にならないということです。
これまでは組織の中にある仕事をしていればよかったが、今はすべて自分で動かなければならない。やったことがないから、苦手だからと尻込みせずに、まずは試してみる、分からなければ調べる、聞いてみるの繰り返しです。
ープライベートと仕事の両立を実現するため今の医療業界に必要なものは何でしょうか?
私の勤めた病院だけかもしれませんが、いくつかの病院を渡り歩いた経験上は、基本的に看護師は業務が多すぎていて時間外労働が多いです。そのため常にヘトヘトな状態でした。有給休暇は愚か、休みの消化もままならない状態でした。
加算を得るためにどんどん忙しくなるばかりで、やりがいを感じる余裕はなくなっていきました。
加算に絡む業務はもっとタイトにすべきで、その分を十分にケアの時間に充てられたら、仕事の達成感や満足感も感じられると思います。
例えば委員会の仕事や勉強会の準備も、就業時間に出来るシフトにするだけでも違います。自分時間を犠牲にし過ぎです。
ーそらさんが今後の医療業界に期待することをお教えください。
治療の選択枠が増えることは良い事ですが、反面問題も出てきます。
たとえ命が短くなったとしても、その人の人生にとってのベストを、どんな時でも本人・家族と見つけながら進むあたたかい医療であって欲しいです。
ー最後に、読者の医療職の皆様に一言お願い致します。
変化することを恐れず、前に進み続けたいと思います。
ーそらさん、今回は貴重なご経験をお話いただき誠にありがとうございました。
二足の草鞋を履きながらの心理学部進学、グリーフカウンセラーとしてのキャリアの開始と、一歩踏み出す勇気をもらった方も多いと思います。引き続きのご活躍を心より応援しております。
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