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小児科医の私が今キャリアについて考えていること

2019.12.16 17:00





Dspace Plusでは様々な医療職のみなさまのキャリアインタビューで、違う職種のキャリアを覗いたり、悩みが似ている方の経験談を知ることで、『キャリア』ひいては『人生』に対しての視野を広げられることを目的に、様々な医療職の方にインタビューをしていく予定です。

今回は、小児科医として勤務中の橋本梨沙先生(以下りさ先生)にインタビューをしました。どのような1日を送っているのか、なぜ小児科に進んだのか、現在のお考えをインタビューしました。ぜひご覧ください。

プロフィール橋本 梨沙

札幌医科大学 医学部医学科卒。

聖隷浜松病院初期研修医、国立成育医療研究センター小児科レジデントを経て2020年4月から国立精神神経医療研究センター小児神経科で勤務開始予定。

休みの日は美術館を巡るか映画を観ています。

(写真 本人ご提供)

 

りさ先生が、医師を目指したきっかけをお教えください。

 

幼稚園の時に、聞こえの良くない祖母の耳を、治らないなら私が治してあげようと思い医師を目指しました。

 

 

現在の専門である小児科に進んだきっかけ、理由をお教えください。

 

小さい頃は上記の理由から耳鼻科医になりたいと考えていたのですが、大学入学前くらいから小児科医になろうと考えるようになりました。その理由は一言では言い難いのでこれにきちんと答えようとするといつも悩んでしまうのですけれど、私自身の性格が子どもなので、似たものをサポートする分野に強く惹かれたのかもしれません。総合診療と似ていて守備範囲が広い分野なので、学問としての面白さも大きいです。生きるのはしばしば辛いことですが、この世にせっかく生まれた人生ビギナーズがその身体や心に問題を抱えているならば、その負担を少しでも軽くして、もう少しこの世界を楽しんでいこうぜ、と思うのです。生まれて成長過程にある人たちの人生が少しでも豊かなものとなるようサポートできるならば、こんなに素敵な分野はありません。

このように、小児科医は未来がある子どもたちを守る仕事、未来を作る仕事だから惹かれたというのもあるのですが、実はこれは理由としては半分しか合っていません。

どのような医療現場でもそうですが、もう未来なんて考えられない、取り返しがつかない、もう打つ手がない、と絶望してしまうような状況は、本当に悲しいことですが、しばしば起こりますよね。そんな時、生まれて間もない、または年単位で確かに生きてきた患者さんと、そのご家族と一緒に、少しでも、よりよい今とよりよい未来を考えていけるような、例え絶望のように思える状況の中でも光を灯せるような仕事ができるならば医師になった意味はあるかな、と考えて小児科医になりました。

 

小児科の中でも、小児神経科に進む予定のりさ先生ですが、その理由を教えてください。

 

人間を人間たらしめる重要な臓器(組織)のひとつが神経だと考えているのですが、その神経分野の解剖学的、臨床的な面白さに強く惹かれました。研究が非常に盛んである学術的な面にも魅力を感じています。小児科医になった理由と重なるのですが、上述のような思いから小児の緩和医療にも従事したいと考えており、緩和医療にも親和性が高い神経分野に進むことにしました。

 

 

キャリアの選択を悩んだことはありましたか?現在のキャリアに進むに当たって、どう決断しましたか?

 

小児科医になることについては悩みはなく、病院選びは迷ったのですが、たくさん病院見学をしてこの先生についていきたい、ここで働きながら勉強したいと思える先生方との出会いのおかげで今のキャリアに結びついています。

初期研修医の最後に成人の緩和医療科の魅力に強く惹かれましたが、初志貫徹し、小児科医としてそのマインドを持ち続けることにしました。

研究志向が強く、しかし大学病院への入局をまだ決めきれないという自分に1番合っていると考えた病院に、ご縁があって勤務させていただいています。

 

 

現在はどのようなスケジュールで生活していますか?

 

【調子のよい時の1日】

 

  • AM6:00

    起床、朝食、出勤

     

  • AM7:15

    カルテチェック、診察、メールの返信

     

  • AM7:45

    カンファレンス

     

  • AM9:00

    病棟勤務

     

  • PM12:00

    昼食

    15分くらいで

  • PM16:00

    回診

     

  • PM17:00ごろ

    業務終了

    残務、書類チェック等

  • PM18:15

    帰宅 or そのまま院内で夕食

     

  • PM19:00

    デスクワーク

    院内図書館 or デスク or カフェ等で、合間に息抜きしつつ
    論文執筆、調べもの、学会・勉強会の準備、英語学習、メールの返信など

  • PM23:00~24:00

    終了・帰宅・家事・入浴

    遠くのカフェでやってるときは運動不足解消に20分くらい走って帰る

  • AM1:30

    就寝

     

疲れていたり気持ちが乗らないときは早々に切り上げて、休んだり遊んだりしています。とのこと。

 

現在キャリアを継続する上で、大変だと感じていることと、それに対して工夫している点は何ですか?

 

普段の臨床の傍ら勉強したり論文を書いたりといった、学術的なことをする時間の確保を難しく感じています。勤務終了後からそれらを開始しようとすると疲れ果ててしまうので、勤務中の隙間時間をうまく活用するように意識しています。

 

 

これからはどのようなキャリアを考えていますか?

 

小児神経科医として世界の小児医療に貢献していくために来年度から小児神経科レジデントとして修業を重ねます。然るべきタイミングをつかみ、留学もしようと考えています。臨床と研究の両方に貢献し、研究成果から少しでもより良く医療を更新していけるようになること、小児神経という分野の中でもなんらかのエキスパートになることが目標です。

 

 

キャリアを継続する上で、医療業界がもっとこうなればいいなと思う点はありますか?

 

女性医師としては結婚出産のタイミングと仕事や留学の両立が常に不安でも悩みでもあり、こうなればいいなという具体的な案が見つからないのが現状です。

当直や休暇の取り方が子どものいる男女とも同様に扱われ、そして欠員が出た医療現場では、患者のセーブまたは医療従事者の確保などの然るべき対策をフレキシブルに職場全体で取れる仕組みがあれば良いなと思います。

あとは、働き方改革と医師の働き方の実情に差があり過ぎることに問題を感じています。医師の健康や人権が護られることは大前提ではありますが、単なる数字合わせの勤務時間制限ではなく、より働きやすく、個人の希望や能力に応じた勤務形態を選べ、その正当な評価・対価が得られるようになると良いなと思います。

 

プライベートと仕事の両立はどのように考えたり、実際に行動していますか?

 

オンオフを分けてきちんと休むようにする、週1で仕事から完全に離れる時間を作る。仕事外のプライベートな人間関係では、近しい人に、私がやりたいことを1つも諦めない性格であること、私の人生にどんなに仕事が大切かということをよく理解してもらえていることが大きく、お互いに尊敬・尊重しあえるそのような関係性があってこそ両立できています。

 

 

現在の思いを一言教えてください。

 

とにかく心からやりたいと惹かれて楽しんでやっていけるように仕事を続けていきたいです。

 

 

 

最後に、これから小児科の道に踏み出したい皆さまにひとことをお願いします。

 

子どもが好きな人はもちろんなのですが、子どもがそんなに好きじゃなくても、別にかわいいと思わなくても全く問題はないです。患者さんのために小児医療でやりたいことがある!という意志がある人なら絶対に向いていると思います。守備範囲が広いので総診マインドを持っている人にもおすすめ。一緒に子どもたちを守っていきましょう。

 

りさ先生貴重なご経験をお教えいただいてどうもありがとうございました。

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適切な情報はセンセーショナルなものではなく、 じんわりと人々の心に浸透していくもの。

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